コメディ・ライト小説(新)
- Re: キミと一緒に。[**コメント募集中**] ( No.13 )
- 日時: 2017/02/14 21:26
- 名前: ましゅ ◆um86M6N5/c (ID: QYM4d7FG)
episode3.「Setting sun」
今日はいつもより上機嫌だ。
その理由は……青石くんと、日直がペアだから。
舞い上がりたい気持ちを抑え、私はじっと日直カードを見つめていた。
「まーた日直カード見てるー」
「わわっ、ゆかちゃん!?」
不意に後ろから声をかけてきたのは、光崎由香里…私は、「ゆかちゃん」と呼んでいる。
私の好きな人が青石くんだと唯一話した人物でもある。……周りに気付かれているか気付かれていないかは、別として。
ゆかちゃんは、地毛は明るい茶髪だけど金髪に染めている。田舎ではとても珍しい「ギャル」という分類に入る。その金髪は軽く巻かれているが、いつもさらさらで女子としては憧れてしまう髪質だ。
「やっぱ嬉しいんだ?好きな奴と日直って」
「……そりゃあ嬉しい、でしょ」
ひゅー、と、わざとらしい口笛を吹くゆかちゃんを軽く小突く。
今日は登校するのも早かったので、話す時間は沢山ある……ということに、少し嬉しくなる。
「光崎が女子と話してるなんて珍しいなー」
――少し遠くから、そんな声が聞こえた。
ストレートの髪の毛、人懐っこい笑み……――。
「はぁ?あたしだって女子と話すし。あ、まさか青石、あたしが芽衣ちゃんと話してるから嫉妬してんのー?」
「は!?意味わからねーし。大体嫉妬って何だよ」
「広辞苑見れば?」
「嫉妬の意味聞いてるんじゃねーよ」
青石くん……。
こんな会話を私も、できたらいいのに……。
「――てか、黒崎も何か話せよ」
と、青石くんは私の頭を軽く叩いた。
「っえ!?そこ、私に話題ふる!?」
そう驚きながらも、私は……すごく胸が高鳴っていた。
青石くんが触れたところを軽く触る。
それを照れ隠すように、頭を軽く掻いた――。
- Re: キミと一緒に。[**コメント募集中**] ( No.14 )
- 日時: 2017/02/18 00:09
- 名前: ましゅ ◆um86M6N5/c (ID: QYM4d7FG)
~
日直の仕事の一つ、学級日誌を開く。
今日の時間割とか、授業内容とか、欠席者とか……色々書かないといけない。
色々、の一つにはその日の日直の名前を書かなければいけない。
2列あるから……上に、私の名前を書く。
「青石悠人」と、私の名前の下にゆっくりと丁寧に書いた。
…これだけでとても緊張する。
「あ、日誌書いてくれてんだ。ありがと」
「青石くん!?えっと、どういたしまして……」
気付かないうちに、青石くんは私の後ろに立って日誌をのぞき込んでいた。……こういう行動一つ一つに、私の鼓動は青石くんに聞こえるんじゃないかというほどに速く、強くなる。
「青石くんこそ……黒板消してくれてありがとう」
「いいよいいよ」
青石くんと日直になれたことももちろんうれしいけれど……それ以前に、また彼の姿を見られているということ自体が私には日直になれたこと以上に嬉しかった。
ずっと、このままがいいな――。