コメディ・ライト小説(新)

Re: キミと一緒に。[**コメント募集中**] ( No.3 )
日時: 2017/02/08 20:52
名前: ましゅ ◆um86M6N5/c (ID: QYM4d7FG)

episode.1「for two months」




ある男の子が私の目の前から消えて1ヶ月だ。

悲しみが薄れたとはいえまだ忘れることができない。


好きな、男の子だったから――。


「……い、芽衣」

親友である麻奈に呼ばれる。
麻奈は好きな男の子が急に消えてなく私を慰めてくれた唯一の存在だ。

「ごめん麻奈。大丈夫だよ」

口ではそういうけれど、本当は何にも大丈夫じゃない。


思い出すだけで、胸が痛くなる。
私に向けた笑顔をもう一生見られない。


過去に戻れたらなぁ――――。

気持ちだけでも、伝えたかった……。






――そんな思いは、私の目の前に現れた少女によって叶えられることとなった。




「私はアニタ。あなたの願いを解決するべくここに来ました」





Re: キミと一緒に。[**コメント募集中**] ( No.4 )
日時: 2017/02/08 21:20
名前: ましゅ ◆um86M6N5/c (ID: QYM4d7FG)


~


「…誰」
「アニタ」

アニタと名乗る、人間でいうと7歳くらいの少女が無表情で言う。
私は状況を飲み込めず、そのまま焦りながら聞いた。


「な、なんで私の家に…?」
「あなたの願いを解決するために、魔界から来ました。よろしくお願いします」


いや、よろしくって言われても……この小さな少女が魔界から?
まさか。有り得ないよ…。

「黒崎芽衣」

少女が私の目をじっと見ながら、私の名前を口に出す。

「え、なんで…」
「魔界の調べです。黒崎芽衣さん、あなたは……」


アニタと名乗る少女はスゥ……と息を吸って続ける。


「1ヶ月前に亡くなった、青石悠人に想いがありますよね?」


次々と起こる謎の現象に私の頭はついていかない。

青石悠人。確かに、その男の子は――1ヶ月前に亡くなって、…私の、好きな人だ。
好きだった、人だ。

あの日どれだけ泣いたか私は覚えていないけど、記憶が無くなるくらい泣いた。
中1に一目惚れして――ずっと、友達だと言い張ったけれど本当は――。


「では、行きましょう」

え?……と私は聞き返す。

行く?どこへ?
それを言いたそうなことを察したアニタは。


「2ヶ月前です。青石悠人が亡くなる、2ヶ月前です」


「え、え……えええ!!??」


私が驚いているのにも関わらず、アニタはぶつぶつと何かを呟く。
その後数拍おいて、視界がくらんだ。

「な、なに……」
「今からタイムトリップをします。目は開いていても大丈夫ですよ」
という声が聞こえ、私は恐怖におびえながらもゆっくりと目を開ける。


目を開けると、私の周りは青で埋め尽くされていた。

青色の空間。果てしなく、どこまでも。


まるで、宇宙を表しているようだった。


「もうすぐ、2ヶ月前に到着します」