コメディ・ライト小説(新)
- Re: キミの隣『コメント募集中!!』 ( No.31 )
- 日時: 2017/03/01 21:03
- 名前: ましゅ ◆um86M6N5/c (ID: QYM4d7FG)
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「じゃあこれでいいか聞きに行ってくるよ」
「あ、よろしくー」
……ずっと目を離せなかったが、そんな会話を境に男子たちの会話が途切れた。
音楽発表会の曲が決まったのだろうか……それぞれは別れ、意見を聞きに行っていた。
「光崎ー」
青石くんの低めの声が、私の耳に刺さる。……あぁ、やっぱり嫌だ。
私は目を前髪で隠しながら、その髪の隙間から青石くんたちの方を向いた。
「これ、音楽発表会の曲だけど…これで良い?」
「何でも良いよ別にー。面倒だなー」
もやもやとした気持ちが私の中を渦巻く。
……見たくない。でも、見てしまう。
すると、急に低い声が私の前から聞こえた。
「黒崎は?これで良い?」
……青石くん、だ。
瞬時に判断し、私は少し俯いて前髪を直す。……これで前はちゃんと明るく見える。
青石くんの姿をちゃんと見ることができる。
「うんっ」
と、私は笑顔で答えた。
- Re: キミの隣『コメント募集中!!』 ( No.32 )
- 日時: 2017/03/02 22:11
- 名前: ましゅ ◆um86M6N5/c (ID: QYM4d7FG)
~
顔を上げた瞬間、本当に1秒も経たないくらいだったけれど――青石くんが寂しそうな……何か問題を抱えているような、複雑な顔をしているのが私の目に映る。
「どうしたの」――聞こうとしたけれど、青石くんはじゃあ、と言ってさっと彼の席に戻って行ってしまった。……寂しい。
少しだけ下唇を噛んで――目もどこか遠くを見ていて……そんな顔が、私の頭を悩ませる。さっきの顔は、どんな意味があったんだろう。
私が急に笑顔を見せたからどん引きしたんだろうか……そんなことを考えていると、突然、
「え、ちょっと悠人ー、これあんたが選んだのー?」
「そうだけど?悪いのかよ」
……悠人。青石くんの名前。
甲高い声で笑う女子クラスメイトの声――幼馴染みなのかな……。
今はいっていなかったけれど、もしかしたら青石くんもあの子のこと名前で呼んだりしているのかな?
そう思うと今までにないくらい心が重たくなるのが分かった。
「……ん、芽衣ちゃん!」
そのとき、横から誰かの声が聞こえた。
金髪……ゆかちゃんだ。
「あんまり青石の方見てると気付かれちゃうよー?」
「え、そんなんじゃなくて……」
「わかってるよ。あの子――八谷さんだったかな。青石の幼馴染みだったと思う……」
嫉妬でしょ、とゆかちゃんは付け加えた。
肯定も否定もできず、私は苦笑を向ける。……どれだけ引きつった顔をしているのかは分からない。
意識するのは別に悪いことではない。
八谷さんが悪いわけでもない。寧ろ幼馴染みとか、どうでもいい。
ただ私もあんな風に、青石くんの近くにいたいだけだ。
――
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