コメディ・ライト小説(新)
- Re: キミの隣『コメント募集中!!』 ( No.33 )
- 日時: 2017/03/05 20:22
- 名前: ましゅ ◆um86M6N5/c (ID: QYM4d7FG)
episode5.「white」
土曜日。
私がベッドから体を起こすと、私の部屋のカーペットに立っている――アニタの姿が目に入る。体を起こすときにベッドがギシ、と言いう音を鳴らしたからか、アニタは私の方を向いた。
「おはようございます、黒崎さん」
「……はよ」
小さく返事を返す。青石くんと喋ることができる嬉しさはアニタのおかげで得られたものの……やっぱり、私の部屋にこんな小さな女の子が毎日居るっていうのが腑に落ちない。いや、慣れないだけかもしれないけれど……。
「ご両親はお出かけなさったようです」
私の父母はどちらも先生をしている。私が起きる頃には出勤していて――毎晩、帰るのも遅い。
別に慣れたことだけど―――
「……アニタは本当に魔界から来たの?」
ふと疑問が浮かび、聞いてみた。
「そうですよ。魔界には亡くなった人がある事情でもう少しだけ人間界に居たいという人が集ま――――」
何か言ってから急にアニタはハッとしたように口をつぐんだ。何を言っていたのかはよく聞こえなかったけれど――2回言わないということは大したことじゃないのかな?
――
アニタの言った言葉は後々重要になるかもです(私が忘れていなければ……
- Re: キミの隣『コメント募集中!!』 ( No.34 )
- 日時: 2017/03/05 20:34
- 名前: ましゅ ◆um86M6N5/c (ID: QYM4d7FG)
~
両親も居ないので――私は朝食を食べてから灰色のパーカーと黒いスカートに着替えて家を出る。
田舎のここで唯一の雑貨屋である……「white」。今から行こうと思っているところだ。この辺りに住んでいる女子中高生に人気の店で、賑わっているところをよく見かける。
「white」とは営業者の「白神さん」という人の名前から付けたものらしい。
私はよくここに通っているからポイントカードのようなものも持っているし、「白神さん」とも知り合いだ。
「あ、芽衣ちゃん!おはよ~」
「おはようございます、莉子さん」
前髪パッツン、胸あたりまである髪の毛を下ろしている店員……白神莉子さん。
「あれ、芽衣じゃん!」
奥から出てきた後――レジの前に目を輝かせながら立ったのは白神莉美ちゃん。クラスは別だけど、同級生。
「莉子さん、莉美ちゃん、おはようございます」
「「おはよう」」
莉子さんと莉美ちゃんはとても仲のよい姉妹だ。容姿も似ていて、たまに間違えられることがあるらしい……。
――文房具が売っている棚の前に来たところで、私は見慣れた影を見つけた。
- Re: キミの隣に。『コメント募集中!!』 ( No.35 )
- 日時: 2017/03/09 20:58
- 名前: ましゅ ◆um86M6N5/c (ID: QYM4d7FG)
~
「……あ、青石…くん?」
あの青がかかった黒髪のストレートヘア――
私が呼びかけると、彼はゆっくり振り向く。
「え、黒崎?」
そう呼ばれて青石くんだと確信する。こんなところで会うなんて思わなかった……。
私は俯き、よれている服を気付かれないようにさっと直し、また青石くんの方に向き直る。
向き直ったとき、私は曖昧な笑顔を向け「ここで会うなんて思わなかったー」と、顔が紅潮したり鼓動が早くなったりするのを感じながら言う。
そんな私の様子には気付いていないのか「俺も」と返してくれた。
「なになに?……あ、青石くんじゃん」
ついさっきに店に入ってきた莉美ちゃんは青石くんが店に入ってきたことに気付いていなく、そう言う。
「青石くんと芽衣って知り合いだったんだね~」
「……えと、1年から同じクラスだからね」
……同じクラス。
私は運が良かったのか――1年からずっと、青石くんと同じクラスだ。
そのおかげで―――助けられたこともある。
あれは、私が中学校に入学したばかり――。
―――
episode6、芽衣の過去編。