コメディ・ライト小説(新)
- Re: キミの隣に。『コメント募集中!!』 ( No.36 )
- 日時: 2017/03/10 00:34
- 名前: ましゅ ◆um86M6N5/c (ID: QYM4d7FG)
episode6.「remember」
『入学おめでとうございます。また、保護者の方、たいへんお忙しい中―――』
入学式特有、とも言えるような校長の長話を胸に赤い造花を付けながら聞いている。周りを見ると、今日から入学する全員が…つまらなそうな顔をしていたのを覚えている――。
入学式が終わり、教室に入ったとき。――幼馴染みである咲恵ちゃんとクラスが別れてしまった私は一人、ぽつんと隅っこの席でうずくまっていた。
小学校からの友達と皆は喋っているみたいで――私はその輪の中にはいることができなかった。
次々に固まっていくグループを、余裕で目にかかるくらいの長さになった前髪を触りながら見ていた。
『黒崎さんってさ、ちょっと怖くない?』
グループを見つめているうちに、どこかから聞こえてきた私の名前。
私が怖い――?どういうことだろうと思い、聞きたくないことなのに耳を澄ましてしまった。
『だってさ、前髪長すぎ。後ろ髪だって丁寧に整えられてないし、女子力が低いっていうかな?』
『あーちょっと分かるかも。話しかけたくないよね』
……話しかけたくない。はっきりと聞こえてしまった言葉。
その言葉を止めることも私にはできなかった――。
ある日、私は前髪をピンで留めて髪もいつもより綺麗に整えて―――近所のスーパーへと買い物へ出かけた。
―――
日曜日に更新できればなぁ…と思っています!
そもそも芽衣が過去に戻っているというのに過去編という(
温かい目で見守ってくだされば光栄です。寧ろ跳ね上がります()
ではおやすみなさい(・・*)/
- Re: キミの隣に。『コメント募集中!!』 ( No.37 )
- 日時: 2017/03/11 00:10
- 名前: ましゅ ◆um86M6N5/c (ID: QYM4d7FG)
~
まさか、そこで……会うなんて思いもしなかった。
『……あれ、黒崎…さん?』
私のことを確認するようにじろじろと見ている男の子は私にそう問いかけた。最初はびっくりしたけれど……途中でクラスメイトだと分かる。
でも、名前が思い出せなかった。私は初対面の人と話すときに出てしまう癖のようなもの――戸惑いを隠せずにいた。
『え、と……あの……?』
息だけの声。これで「名前は何」と問いかけていることを分かったのなら大したものだと思う。
『あっと、俺クラスメイトの……青石悠人』
……あの言葉だけで伝わったことを素直に嬉しく思った。
『何だ、外出するときはピンで留めてる?』
青石くんが私の前髪を見ながらそう言った。私の顔は一気に紅潮する。
――まさかこの姿を見られるなんて……――
私は未だ戸惑いを隠せない。そんな私の様子を見て彼は、
『黒崎…さん、そっちの方が良いと思うよ――?』
――と言った。
- Re: キミの隣に。『コメント募集中!!』 ( No.38 )
- 日時: 2017/03/11 10:24
- 名前: ましゅ ◆um86M6N5/c (ID: QYM4d7FG)
~
前に思い出した言葉……今思い出すと、これは私が青石くんを好きになったきっかけだった。
その後の私は特に何も反応できず、「買い物、あるから」と言って立ち去ったのを覚えている。
……どんな顔をしていたのかは覚えていないけれど。
その後、私は長かった髪の毛を肩くらいまで切り――目にかかっていた前髪も眉の少し下まで切った。私が何を言われようとも友達で居てくれた咲恵ちゃんは今まで以上に喜んでくれたし、私に対して陰口を言っていた人は何と謝ってくれたのだ。
『今まで悪口言ってごめん』と。私が聞いていた聞いていないにかかわらず、謝ってくれたのだ。
それ以来の私の学校生活は、とても明るく楽しいものに変わっていった――。
――そして同時に、青石くんのことを目で追うようになってしまった。
掃除などを行う班決めや席替えなどで、女子と近くになりたいという思いがほとんどながらも青石くんと近くの席になりたいという思いがひそかにあった。
決して声に出すことはないものの、近くの席になれたときは本当に嬉しかった……。多分、スーパーで会って話したときからもう私の気持ちは変わっていたのだろう。
――私にチャンスを与えてくれた、アニタ。
魔界とかよく分からないけれど……とにかく、私の気持ちを全部ぶつけられるという一生巡ってこないと思っていた機会ができたのだ。
この2ヶ月を、無駄にはしない。――
――
1週間が経ちました。
最後4行から現在です。現在になっています。
ちなみに麻奈と由香里、芽衣は中2でクラスメイトになってから仲良くなりました。物語で触れるかは分からないです……(汗