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コメディ・ライト小説(新)
- Re: キミの隣に。『コメント募集中!!』 ( No.40 )
- 日時: 2017/03/12 21:17
- 名前: ましゅ ◆um86M6N5/c (ID: QYM4d7FG)
episode7.「Starry sky」
今日から音楽発表会の練習だ。受験勉強で忙しいというのに……。
既に教科書を入れて重たくなっている鞄に、先週配られた楽譜を入れて肩に掛ける。
「行ってきます」とリビングにいる母に伝えた後、靴を履いてドアを開ける。
通学路から見える水田はもう稲が刈られていて、数日前は黄金色だったけれど一面茶色。寂しい風景が続いている。
「おっはよー」
寂しい風景を見つめていた私に後ろから声を掛けてきたのはゆかちゃん。金髪に染めた髪をふわっと揺らす彼女は自然なんて全く見ていないようだ。
私はゆかちゃんの身長に合わせ顎を上げ、「おはよう」と言う。
しばらくすると学校に着いた。
……青石くん、もう来ているかな……?そんな期待を寄せながら私は教室に入った。
―――まだ、かな。
青石くんの机を見て、鞄もかかっていないし筆箱も置かれていない。私は瞬時にそう思った。
すると、急に視界が影で覆われた。
暗くなった視界に驚いたかと思えば、背中に何かが当たった感触がした。……ぶつかった?そんな気がした。
後ろを振り返ってみると、
「あ、ごめん」
――一瞬で私の鼓動が早くなる。
……青石くん、だ。今教室に入ってきたのだろうか、この学校で指定されている紺色のスクールバッグを背負っている。
私は返事をするのも忘れ、青石くんの席を見つめていた――。
―――
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