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コメディ・ライト小説(新)
- Re: キミの隣に。『コメント募集中!!』 ( No.43 )
- 日時: 2017/03/12 21:16
- 名前: ましゅ ◆um86M6N5/c (ID: QYM4d7FG)
~
「音楽楽しみー」
「私音痴だから憂鬱~」
移動教室……音楽室までの廊下を麻奈と歩いていると、その廊下には様々な声が飛び交っていた。
もちろん私たちの声も。
「芽衣はソプラノだっけ?アルトだっけ?」
「私はアルト。麻奈はソプラノでしょ?」
「もちろん!」
私の声は結構低いけれど、麻奈の声は高い。混声三部合唱の際、ソプラノに向いている声だ。
麻奈はとても歌が上手く、学期末に行われる歌唱テストでは満点に近い点数なのだとか。低音も高音も綺麗で、まるで歌声に引き込まれるような――何か皆とは違う声。
「着いた」と小さく呟き、ドアを引く。
しばらくするとチャイムが鳴った。ざわざわしていた教室は静まりかえり、音楽教師が学級長の方を向き優しい目で合図を送る。
それと同時に学級長は「起立」と言い、挨拶をした。
「じゃあ、今日から音楽発表会の曲の練習をします。曲名は【星空】、混声三部合唱です。それでは……ソプラノの7人、ピアノの前に集まってください」
落ち着いた口調で先生が言った後、麻奈たち――ソプラノ担当の7人が前に出てピアノの前に立つ。
「ソプラノはメロディー、一番重要。喉を開けて、姿勢も正しく。尚かつ綺麗に歌いましょう!……じゃあ、最初私が歌うので……皆さんはとりあえず聞いていてくださいね」
無言の応答を先生は受け取る。
そして伴奏を始め、歌声が響いた。
「……♪~~♪~~~……」
【暗闇に光る星 あなたと一度数えたい】
恋模様を描いているのか……【星空】にはそんな歌詞があった。
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