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体育の時間……ずっと麻奈は死んだ魚の目をしていたけれど何とか終わった。


……下校時間。部活も引退した私たちは、ほとんどの人がチャイムが鳴ると校門を出る。もちろん、私も。

麻奈は何か用事があるらしいので――咲恵ちゃんを誘った。


「何か久しぶりだよね～、一緒に帰るの」
「行きは一緒になること多いんだけどねー」

そんな会話を交わしながら歩く。咲恵ちゃんは私の知っている中で唯一の幼馴染みだ――だから、会話も良く弾む。それに、咲恵ちゃんはコミュニケーション能力が高く、話していて楽しい。気兼ねなく話すことが出来る。

「そうだ、芽衣ちゃんはどこの高校受けるの？」
「……私は、東海とうみ高校にしようかなって――」
「東高受けるの!?私と同じだよー!!やったぁ」

そうなの!?と、お互い驚きを隠せずにいた。……咲恵ちゃんと同じ。素直に嬉しく思った。


この話、初めて聞いたなぁ――もっと皆に色々聞いて、色々知れば良かった。


……今からでも、知ろう。



私は強く決意し、咲恵ちゃんと別れた。



○･●☆:*◇



家に帰って宿題を済ませると、時計は7時を指していた。


ふと私は窓を見る。……今日歌った【星空】。
それを思い出したから、と言う理由が一番正しいと思う。


今日は晴れ。しかも、朝昼と雲一つ無い日本晴れだった。


部屋の電気を消して窓から空を見ると、薄暗くなった空から満天の星空が明るく輝いている風景が見えた。



――暗闇に光る星、あなたと一度数えたい。


星に見とれていると、私はそんな歌詞も知らぬ間に思い出していた――。