コメディ・ライト小説(新)

Re: キミの隣に。『コメント募集中!!』 ( No.77 )
日時: 2017/04/24 18:08
名前: ましゅ ◆um86M6N5/c (ID: QYM4d7FG)

episode13.「What I want」







「おはよ、芽衣ちゃんっ!」

アニタから話を聞いて――重苦しい雰囲気の中1日が終わり、火曜日。
当たり前だけれど……私のこんな心を全く知らない咲恵ちゃんは、私に元気な声を投げかける。
なるべく心配を掛けないように。
私はそう心に言い聞かせて……


「おはよ」

今の私の顔は、きっと引きつって見えるんだろうな――。



○*



特活の時間。
引き続き、文化祭の準備だ。正直気が乗らなかった。

青石くんと同じ班……そう喜んでいた自分は一体どこへ行ってしまったのだろうか。
あれだけ嬉しかった感情はもう今、どこにもない。



青石くんの「過去」は変えられない……。
昨日のアニタの表情が脳裏をよぎる。


「芽衣ちゃん?どーしたの?」

同じ班であるゆかちゃんの心配そうな声……その声には反応できなかった。どこか遠くで聞こえているようで。
私の心は、渦巻く複雑な感情で支配されていた。


「芽衣ちゃん、特活楽しみじゃないの?」
「……いや」

素っ気なく、返事をする。

「……?そっか」

誰にも心配は掛けたくないのに――。
ゆかちゃんの不思議そうな顔を横目でチラリと見る。
なぜか私は今にも泣きそうだった。

無意識に、手足に力がこもる。奥歯をかみしめる。

こんな弱い自分が……自分で許せない。



――その瞬間。




視界が突然揺れ――床にたたきつけられる感触。その時の音が、感触から遅れて私の耳の中で木霊した。

視界は段々暗く――私の意識は薄れていった。


「芽衣ちゃん!?」
「芽衣!!」
「黒崎さん!」


遠く聞こえるゆかちゃんや咲恵ちゃん、麻奈の声。クラスメートの声。



「黒崎っ!?」

薄く開いた私の目には、少し身長が低い男の子。

低い声を裏返して私に駆け寄る、そんな姿が映った――。










――

なかなかの急展開……。

中間テスト、流して書く可能性が高いです<(_ _)>