コメディ・ライト小説(新)
- Re: キミの隣に。『コメント募集中!!』 ( No.99 )
- 日時: 2017/05/21 08:43
- 名前: ましゅ ◆um86M6N5/c (ID: QYM4d7FG)
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何だかもやもやする気持ちを振り払い、私も残りのポスター作りに取りかかる。残り9枚、5分の1だ。
男子は店の看板作りがほとんど終わったみたいで、元々作られてある木で出来た店に看板を貼り付けていっていた。柄も何もない木で出来た店がどんどんと賑やかになっていく……。
私とゆかちゃんのポスター作りも捗り、2時間与えられた特活の時間にほぼ全部が終わりそうだった。
「木の模様隠れるくらいまで盛る?」
「模様は見えた方が良いんじゃ……」
どっちにしよー、と男子たちが騒いでいる。……もちろん、青石くんも。
文化祭が近くなっていくと。
思い出してしまう、交通事故――。
『青石くんが、交通事故で……』
そんな、担任の先生の声。日曜日だったから……電話がかかってきた。
『あの、世に……引き渡します……』
そう言ったアニタのか細い声――。
吹っ切れていない私は、きっと未熟なんだろう。
……心では分かっているのに、交通事故のことを考えてしまう。
――私は楽しむって決めたのに。
このとき沈む心は――自分でも実感できた。
開いた窓から入る爽やかな秋風が、今はとてつもなく寒く感じた。
- Re: キミの隣に。『コメント募集中!!』 ( No.100 )
- 日時: 2017/05/22 17:21
- 名前: ましゅ ◆um86M6N5/c (ID: QYM4d7FG)
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「……っ」
沈む心と比例するかのように涙が流れていく。
……どうしても、交通事故のことを思い出してしまう。近くにいる青石くんが、とんでもなく遠い存在に見えてしまう――。
青石くんに「ありがとう」と言えたときの吹っ切れた心はどこに行ってしまったのだろうか。
目尻に浮かぶ涙は流れるばかり。
「……芽衣ちゃん?芽衣ちゃん!?」
「――え?」
その時、近くにいたゆかちゃんの声でようやく我に返る。
下書きがそろそろ終わりそうなポスターに涙が落ちそうになっていたけれど、ギリギリで涙は止まった。
「どうしたの?……目、赤いよ」
「……いや、なんでもない……」
自分でも分かる。涙声、だと。
どうしてこういうとき、嘘をついてしまうのだろう。
……本当は何でもない、そんなわけないのに。
すると急に。
「何泣いてるのよ、芽衣ちゃん」
ゆかちゃんが私の肩をぽん、と叩いた。赤くなった目と、涙ぐんだ声で気付いたみたいだ。
「……青石関連、でしょ?何となく分かるけど…。というか、まだ半年もあるんだしさ、そこまで気に病む必要…ないんじゃない?」
半年。私は、その言葉を聞いた瞬間背筋に嫌なものが走った感覚になった。
……半年も居られたら、私もこんなに気に病んでいない。
……半年も居られたら、涙なんて流さない。
「……実はね、私。青石に……告白したんだよ」
「……え?」
突然のゆかちゃんからのカミングアウトに私は素っ頓狂な声が出てしまった。
……告白した?
「ほん、と……?」
「あ、心配しないで!見事にふられたから!!」
笑いでごまかそうとしているゆかちゃんだったけれど、その笑みは引きつっているのが分かった。
『俺……好きな人、いるから』
「とか言ってたよ?……何か、告白した私がバカみたいだよ」
切なさを隠しきれずに言う彼女の顔に、私は胸が締め付けられていく。
「でもね。芽衣ちゃん……青石は、きっと―――」
ゆかちゃんは、何か言いかけて視線を下に落とした。
「――やっぱ、何でもない!……気付いて、あげてよ」
「…え―――気付…く?」
ゆかちゃんの意味深な発言に、私はただただ首を傾けることしかできなかった。
――
芽衣の鈍感!気付いてください!!
……書いていてそう思いました。
今週末はテストです(^_^;)