コメディ・ライト小説(新)
- Re: ぷわぷわーお! (オリキャラ募集中) ( No.32 )
- 日時: 2017/05/27 12:42
- 名前: のんたん (ID: VTNklIIG)
20.リユウ
「なんであのアパートで一人暮らししてるの?」
「決まっているでしょう?」
美音ちゃんはそう言うと、ダッシュして教室まで行き、何かを取ってきた。
「いい? 外亜、理由は両親から自立するためよ」
「自立?」
「ええ、もう高校生......既に大人の階段を登り始めている私たちは将来、親から自立しなければならない。だから、今のうちに一人暮らしをして、自炊や家事をしていれば、将来困らないでしょう? あと、それからこの模造紙を見て」
先程取ってきた模造紙を広げた。そこにはたくさんの文字がずらーっと並んでいた。
「ここには、一人暮らしをするメリットとデメリットを書き上げたの。これだけじゃ、まだ足りないぐらいだけどね。まずメリットから......」
「美音さん、それを話していたら今日という日が終わってしまうから、また今度ね」
「あら、私としたことが......。ごめんなさい」
「いいのいいの。美音ちゃんの気持ち、すごく分かったから。あ、えっと縁ちゃんは? 理由とかある?」
縁ちゃんはどこか遠くを見つめていた。もしかして、言いたくなかったのかな?
「ごめん、無理に言わなくていいよ」
「ううん、違うの。ちょっと思い出していたことがあって......」
ふう、と一つため息をついてから、縁ちゃんは話し始めた。
「私ね、将来デザイナーになりたいの」
「へえ! すごいね!!」
「今は勉強を頑張って、専門学校か被服の学科がある大学とかに行こうと思っているんだけど......」
「親子の意見がぶつかっちゃって。親は反対していたんだけど、私はデザイナーになるって決めているから何を言われても夢を変えようとはしなかったの。そうしたら、パパがついに怒って、『もうお前の将来なんか知らない』って言って、親から放置されちゃった」
「え......」
「あ、ママとは仲良しだよ? アパート借りたのも、お金とか荷物を送ってくれるのも全部ママだし。でも、それ以来、パパとママには一度も会ってないわ」
「寂しくないの」
「平気よ。だって美音さんや愛美さん、愛梨さん、外亜さんがいるもの! 両親はきっと私になにか別の職業に就いてほしかっただけだと思うわ」
「そっか」
「しんみりした話でごめんなさい」
「いいの。ありがとう縁ちゃん」
「そろそろ予鈴が鳴るから、行きましょうか」
着信音がいつになく激しく鳴った。私のだ、何か急かされている気分になった。
「メールだ......え?」
「外亜、目見開いてどうしたの?」
「お父さん......?」
急にきたメールの内容、それは
『外亜の荷物を全てアパートにおいておきました。今日、学校が終わったら直行でアパートに来なさい』