コメディ・ライト小説(新)

Re: ぷわぷわーお! (オリキャラ募集中) ( No.39 )
日時: 2017/06/17 20:41
名前: のんたん (ID: ESDOwl5l)

オリキャラが一気に登場。今までで一番長い?
22.イリスデショ


部屋に戻ろうとしたとき、縁ちゃんに呼び止められた。
「パーティーを開くの。参加してくれる?」
「パーティー!? 参加したいな!」
「ご案内するわ」


アパートの隣、「dea」と暖簾のれんに書かれたお店に案内された。
中に入ると暖簾の英語とは裏腹に、和風な雰囲気でどこか落ち着く要素があった。......暖簾の文字が読めない。
「暖簾の字、読める? "デア"といって、イタリア語で"女神"らしいわ」
女神ってこの前誰かに言われた気がして、何かが引っ掛かる。誰に言われたんだっけ?


「待ちくたびれたじゃないっ」
「遅いよ!」
「......うん遅い」
美音ちゃんとは違う、聞き慣れない声がして、二人の顔をガン見し、おそるおそる声をかけてみた。
「えと......初めまして?」
「じゃないよ工藤さん!!!」
「!?」


暗い赤髪の男の子が話し出した。
「工藤さんあんまり男子と話さないからね~。学校内では美少女って噂されてるのに......」
百花ひゃっか早く挨拶しなさいよ。覚えられていないのはあなたの存在感が薄いからでしょ?」
美音ちゃんのズバズバが炸裂だぁっ! 百花ひゃっかと呼ばれる女の子......だよね?


「じゃあ初めまして! 同じクラスの松浦まつうら百花ひゃっかです! もう敬語やめるね」
「よ、よろしくね百花ちゃん」
そう言った瞬間、私と百花ちゃん以外の全員が大爆笑した。え、私何かした?
「あははっ"俺"よく間違われるんだ~。名前が女の子みたいだからね」


血の気がサーっと引いていく気がした。しまった、一番やってはいけないことをした。
「ごめんなさい......」
「いいのいいの。気にしないで。慣れっこだから。先生にも間違われるし」
......それは先生に語弊ごへいがあるのでは。
「俺、学校のカルタ部に入ってるんだ! 悠希ゆうきも何か言ってよ!」


悠希と呼ばれたもう一人の男の子はうついて何も言わない。真っ白い雪のような肌に紺色の髪が映える。とても綺麗だ。しばらく間があいてから話し出した。
成原なりはら悠希ゆうき。剣道部入ってる。よろしく」
「もっとフレンドリーに行こうぜー」
「......百花うるさい」
「剣道部なんだ。かっこいいね」
その瞬間、まるで火がぼっとついたかのように成原くんの顔が真っ赤に染まった。


「工藤さん、ふいうちの笑顔はやめよ?」
松浦くんまで顔を真っ赤にしている。成原くんは顔を背けた。
「ほら、ジュースどれにする?」
「美音さん、私はお茶で」
「俺はコーラ! 悠希は?」
「俺もお茶」
「じゃあ私はリンゴジュース」


「それじゃあ工藤さんの入居を祝って」
「いただきまーーーすっ」
......そこは普通乾杯、じゃないのかな?
「お疲れさま~」
気のぬけた軽い声が耳に入る。茶髪のフワフワ髪、タレ目の下には小さなほくろ。スーツは若干チョークで汚れていて、笑った顔にはえくぼが出来ている。その姿に私は目を奪われた。


「初めまして! 工藤外亜ちゃんだよね? 下北しもきた愛梨あいりです。アパートの説明は後でするからとりあえず」
「......?」
「ん? どうしたの?」
「あなた、イリスでしょ? なんでここにいるの」
場が凍りついた。