コメディ・ライト小説(新)

Re: ぷわぷわーお! (オリキャラ募集中) ( No.41 )
日時: 2017/07/08 18:46
名前: のんたん (ID: SpWrrZ9C)

昨日は七夕&学祭一週間前! ついでに、北海道の七夕は8/7なのでまだ短冊はかけられず......。
今日は本編とは別の番外編(長編)をお送りいたします。


番外編 タナバタ
「みんな~笹飾ったよ~」
気の抜けた声が耳に届く。この声は愛梨さんだ。ほとんど無いと言ってもいいような庭に、巨大な笹の葉がそびえ立っている。みんな集まっているようだ。


「......何これ」
「七夕だよ? 広田くん知らないの?」
「七夕ぐらい知ってるわ」
「みんな、短冊飾って~」
色とりどりの短冊とペンが用意されていて、みんなお願いごとを書いていて、みんな楽しんでいるようだ。
「瀬奈くんも書いて。はいっ」
そう言われてペンを渡される。とりあえず願いごとを考える。しばらく考えてから、聞いてみた。
「工藤さんは何書いたの?」
「もっと頭が良くなりますように」
「そっか」
「一言突っ込んでよ」
そう言って工藤さんは青色の短冊を笹に飾った。風に煽られて左右に揺れている。


「浜中さんは?」
「世界平和よ」
「ふーん」
「世界平和だけはどんなに自分が頑張っても叶えられないからね。学年首位は気を抜かなければ出来ることだし、全国模試一位は努力すれば叶えられるし」
「ふ、ふーん......」
さすが人にも自分にも厳しい......。でもそういうところが、
「さすが美音ちゃん! 頭いいーっ」
「はぁ!? ちょっ外亜は何言ってるの!? もう失礼するわっ」
好かれるんだよね。顔を真っ赤にして去っていった。彼女の顔と同じ、赤い短冊が揺れている。


「神切さんは何を願ったの?」
「ふふふっもちろん、"デザイナーになりたい"よ。でも神頼みではないけれど、自分の力で叶えるわ」
「百花は?」
「カルタの試合で全国に行くっ! ちはやふるみたいにかっこよくね!」
「著作権のこと考えようか」
「悠希は~?」
「......剣道......」
「剣道で全国一位になるんだね!」
悠希はなぜ分かるのだろうか......?


みんな短冊を飾って帰ってしまった。一人、ぽつんと庭に残り願いごとを考える。
「瀬奈くんはなかなか見つからないようだね」
「愛梨さんは、何か願った?」
「秘密よ。言霊って知っているかしら? 願いごとって言ったら叶わないのよ」
......それってほぼ全員の願い叶わないじゃん。
時間全部返してよ......。
「見られたくないなら、一番上に飾るといいわ」
そう言い残して去った。


うーん、としばらく考えてからペンをとり、書き始める。キョロキョロとあたりを見回して、そっとてっぺんに飾った。
このあと笹を片すときには、あの短冊は投げなきゃ。見つかったら語弊を生むからね。
一番上の星はいつにもまして輝いている。僕の願いごとは誰にも言っていないから、叶うかな。でも自分から頑張らなきゃダメだよね。


『工藤さんともっと仲良くなれますように』