コメディ・ライト小説(新)

Re: ぷわぷわーお! ( No.49 )
日時: 2017/09/03 14:11
名前: 麗楓 (ID: bJEvzJQ7)

長くなってしまった、申し訳ない。*←このマーク以降が大事だから、そこはちゃんと読んでね。
まぁぷわぷわーお!は伏線めっちゃ張ってるから、内容忘れた人は読み直すのがオススメですね。
美音が持ってた本の話とか後々重要になります。って言ってる本人は半分以上忘れています。


「外亜大丈夫?」
「平気平気! 薬で結構良くなったから。それより早く練習始めよう?」
「曲かけるよ!」
今日は有志発表に向けて、3人での練習日です。

29.シンクロ

縁ちゃんの手作りドレスはフリルの多い甘めなドレスで、私がパステルピンク、縁ちゃんがパステルグリーン、美音ちゃんがパステルブルーの甘めなドレスだ。動きやすくて私はお気に入りなのだが。
「うぅっ委員長がこんなの来てるなんて......」
「美音ちゃん可愛いよ?」
「ええ、美音さん素敵!」
今まで委員長として規則正しく生活してきた美音ちゃんにとっては、羞恥心を感じるのだろう。とても似合っているので、本番は髪型をフワフワと巻いて可愛くさせたいところである。
曲を止めて少し休憩。意外と動き回るダンスで、運動をあまりしない三人組はすぐに疲れてしまうのだ。
「みんな文化祭は誰と回るか決めてるの?」
「もしよかったら、一緒に回らない?」
「縁に賛成、外亜は?」
「賛成だけど......。二日目は別の人と回りたいなぁって思っていて」


「......私も渡斗と回りたいかな」
「じゃあ二日目はバラバラでいいと思うよ」
「本当!? 美音ちゃんありがとう!」
「校外の人と回りたいなら、ちゃんとチケット配るのよ」
ここ、私立大空大学付属高校は文化祭に保護者や友人等が入るには入場チケットが必要である。みんなは中学校の同級生を招いたりするらしいが、私は誰を呼ぼうかな?
「とりあえず愛梨さんと広さんは確定だし、渡斗さんは縁が呼ぶでしょ?」
「チケット、私かなり余るかも」
「外亜さんご両親を呼んだら? 私はママを呼ぶつもりよ」


「えっ!?」
「ママに私がデザインして作ったドレス、見て欲しいから......」
「いいんじゃない、うちは忙しいから無理だけど。外亜も呼んでみたらいいわ」
「そうかな......」
縁ちゃんはどこか嬉しそうで、楽しそうに話してくれた。そうして練習はいつの間にか終わってしまった。
もし呼ぼうとしても、どうやってチケット渡そうかな。住所知らないんだよね......。
※致命的なミス


******


コーヒーを飲んでくつろいでいたところ、チャイムの音が鳴る。インターホンから渡斗くんの姿が見える。何かを持っているようだ。ドアを開けて部屋に招き入れる。
「あれっ渡斗くんどうしたの?」
「いやさっき縁がチケットくれたから渡そうと思って。はい一日目と二日目用」
「ありがとう! 縁ちゃんと外亜ちゃんと美音ちゃん、有志発表でアイドルグループのダンス踊るらしいわよ? ドレスは縁ちゃんの手作りですって」
「............見に行って損はないね」
渡斗くん、縁ちゃんの話になると頬が赤くなるのは変わらないのね。そういうところ、面白いんだよねぇ。
「早く縁ちゃんと一緒に文化祭回りたいって顔に書いているよ。有志発表のときは写真撮りまくろうね」
「うん......」
照れながらの返事、やはり渡斗くんは面白いのである。


「百花」
「その声は美音だね!」
「あなた何しているの......」
私から思わずこぼれた声は失望の色をした声だった。百花は壁に向かってカルタを投げ続けている。たまに壁の隙間に刺さると、彼は嬉しそうにガッツポーズをする。やっていることが相変わらず小学生並みである。
「美音がカルタ部まで足を運ぶなんて珍しいね。見てみて俺の得意技」
「うん、分かったからちょっといい? あなた、文化祭で回る人決めてる?」
「悠希と......出来れば瀬奈とも! それがどうしたの?」
「あのさ、二日目一緒に回らない?」
「え......?」


チャイムを押すのをためらう自分がいた。これは保健室でも同じことがあったような......。頑張れ自分、頑張れ外亜!
「工藤さんどうしたの?」
「ひぇっひっ広田くんっ」
後ろから広田くん登場。結局部屋にいないから意味無いじゃん。相変わらず綺麗な顔立ちである。
「そうだ、工藤さんにお願いがあって」
「私も広田くんにお願いがあるのっ」
「あのさぁ」
「文化祭ねっ」


「一緒に回わらない?」
「一緒に回りませんか?」


「......えっ?」
「......ほぇっ?」
考え事が、シンクロしたみたいだ。