コメディ・ライト小説(新)
- Re: レンと仲間の謎の夢 ( No.21 )
- 日時: 2017/03/20 10:28
- 名前: シニガミ支局 営業第3課 (ID: e5znF6u2)
『式神憑き』にコメント有難う御座います!面白い展開かどうかは自信がありませんが、バリバリ書かせて頂きます!
『レン夢』(勝手に略してすみません)の方も盛り上がって来ましたね。夢の支配者・ルナシーさんがどんな風に物語に絡んでくるのか楽しみです!
- レンと仲間の謎の夢 ( No.22 )
- 日時: 2017/03/20 16:41
- 名前: クーゲルシュライバー (ID: P8fkdnbW)
>>21
コメントありがとうございます!こちらもバリバリ書かせて頂きます!あと、略はしても構いませんよっ!むしろ嬉しいです(笑)
夢の世界の支配者ルナシーは今後、この物語に大きく絡みついてきます。予想外、想定外のストーリーに是非ご期待下さい!
目が覚めた。
レンの目の前には、家や壺、剣、椅子などがプカプカ浮いていた。周りは、まるで海底に沈んだかのように静かで暗い。
この世界、異次元に夢の世界の支配者である、ルナシーがいる…。レンはゴクリとつばを飲む。
だが、ここで友達を置いては行けない。
「おーい!ナッツ、テラー!」
レンは立ち上がり、ナッツとテラを呼ぶ。しかし、返事はしない。
「テラー!ナッツー!返事してよー!」
また呼んでみる。でも、返事はない。
「まさかだけど、はぐれちゃったの…?」
レンの頰を、汗がツーっと通る。
しょんぼりとしながら片手を見ると、そこには宝剣・アイスクラッシュが輝いていた。その小さな光は、レンを静かに慰める。
…そうだね、ここは僕がしっかりしないと。ナッツとテラは、きっと上手くやってるよ。
レンは一度、深呼吸をする。
そして、気を引き締めると、孤独に、前に一歩踏み出した。
薄暗く、邪気が漂う、ひとつの密室。
「ふふふ…。もうすぐよ…。もうすぐ私が求める理想郷が完成するわ!」
大きな魔獣を前に、女がニヤリと笑う。
「邪魔者を軽く捻り潰し、ルナシーの手で現実を破壊させれば…。この世界は、永遠に私の手の中で、密かに光り続けるの…。ああ、なんて美しいのかしら!」
あははと、女は高笑いをする。その笑い声は、まるで狂人のようだ。
「さーて...。それじゃあ、ルナシーをこの退屈な世界から解放してあげましょうか。」
女は魔獣が閉じ込められている扉に行く。
そして。
鍵穴に鍵を差し込み、ゆっくりと扉を開けた───。
- Re: レンと仲間の謎の夢 ( No.23 )
- 日時: 2017/03/20 20:34
- 名前: ゆっこっこ (ID: COEfQkPT)
はじめまして!
しょうせつよみました
おもしろいです
ルナシーとの対決頑張って!
- レンと仲間の謎の夢 ( No.24 )
- 日時: 2017/03/21 13:34
- 名前: クーゲルシュライバー (ID: P8fkdnbW)
>>23
こちらも、はじめまして!
ゆっこっこさん...物凄い個性的な名前ですね。
面白いかどうかは分かりませんが、応援してくれてありがとう!(≡^∇^≡)ルナシーVSレン達の大乱闘に、ご期待を!
◆作者から
『レンと仲間の謎の夢』の閲覧回数が200回を突破しました!ありがとうございます!これからも応援をよろしくお願いいたします!
◆──◆──◆──◆──◆──◆──◆──◆──◆──◆──◆
レンは独り、前へと進む。靴が床を蹴る音しか聞こえない。酷い孤独感だ。
「う~ん。ルナシーを改めて封印するとはいえ、どこにいるんだろう...?それ以前にどうやって封印すればいいんだ?う~ん...あの時、光りに聞いておけばよかった~...。トホホ...。」
そう言って、ガックリと下にうなだれるレン。
その時だった。
ドス、ドス、ドス、ドス...。
奥から、何かがやってくる音がした。
「ん?」
前を向くレン。
次の瞬間、レンの顔は地球上で言う、青リトマス試験紙のようになったはずだ。
前に、赤と紫の入り混じった猛獣が、こっちをギロリ...。
「ア、アハー...。」
笑って後ずさるレンの顔を、たくさんの汗が通っていく。猛獣の回りには、レンを襲うオーラが漂っている。
「...ギ、ギャアーー!!!!」
レンはそう叫ぶと、一目散に走っていった。
- レンと仲間の謎の夢 ( No.25 )
- 日時: 2017/03/21 16:43
- 名前: クーゲルシュライバー (ID: P8fkdnbW)
レンは目的地もなく走っていく。今、最優先事項は、あの化け物から逃げ切る事。それだけだ。
しかし、後ろから猛獣が物凄いスピードで向かってくる。
「ひ、ひいーーー!!」
目を丸くして、さらに走力を上げるレン。そして、これほどにないスピードで走っていった。
ゼエゼエと、レンは足を止める。後ろを向くと、猛獣の姿は見当たらなかった。
(撒けたか...。)
ふう、と、一安心するレン。手で汗をぬぐう。
だが、レンの頭では、
「ナッツとテラは大丈夫かな...?」
という不安が渦巻いていた。
床に座って休憩していると、急に宝剣・アイスクラッシュが光り出した。
「?」
なんだろうと、宝剣を見るレン。光りは、どこかを指し示しているように見える。
「光の指すところに行けばいいのかな?」
レンはそう言うと、光りの指す方向に向かう。
巨大な城の前に立つと、光りは徐々に消えていった。
「唯一だった光りが...。ああ、暗くて何もかも見えない...。」
レンはしなしなになる。でも、すぐさま気を取り直し、前を見る。
「ここに何があるのかな?」
レンは周りを確認すると、気を引き締めて、城の扉を開けた。
- レンと仲間の謎の夢 ( No.26 )
- 日時: 2017/03/23 17:09
- 名前: クーゲルシュライバー (ID: Hv9tLdWu)
◆作者から
今、リク依頼・相談掲示板でレンと仲間シリーズの合作参加者を絶賛募集中です!ファンタジー小説を書ける人なら誰でもオッケーですよ!詳しいことは下のURLから!
http://www.kakiko.info/bbs2a/index.cgi?mode=view&no=776
◆──◆──◆──◆──◆──◆──◆──◆──◆──◆──◆
城の中は、外より暗かった。落ちてあった棒に火打石で火を起こし、レンは辺りを照らす。
「アイスクラッシュはここを光で示した訳だけど...。何があるんだろう?」
ボソッと呟き、城内を歩き回るレン。壁と床と空間は、まるで絶対零度の氷のように冷たい。
しばらく周囲を回って、レンはあることに気がついた。
──この城、出口以外、階段もドアもない!
これは絶対におかしい。外からは確実に大きく見えたはずだ。
「どっかに隠し部屋があるのかな~?」
レンはそう言い、壁を剣で壊し始めた。
しかし、壁の先には、また壁だった。きっと、この部屋以外の空間を誰かが埋めたに違いない。
「なーんだ。じゃあ、帰りますね~。 」
ハハハと笑い、レンは出口の扉を開けようする。
ドアノブに手を掛ける。そして、それを捻ろうとする。
だが。
ガチャ...ガチャガチャ、ガチャン!
扉は硬く閉ざされていた。
「え...?」
レンの身体を、恐怖と緊張が駆け巡る。
まさか...。
ごくりと唾を飲む。
閉じ込められた...?
- レンと仲間の謎の夢 ( No.27 )
- 日時: 2017/03/24 11:58
- 名前: クーゲルシュライバー (ID: Hv9tLdWu)
「そ、そんな~...。」
レンはその場に座り込んだ。確実に出口のない、その孤独感が周囲を支配する密室に。
これから先、どうすればいいか。自分でも分からなかった。
壁を力ずくで剣で叩き込む。だが、壁は鉄のように硬く、壊すのは不可能だった。
扉を剣で突き刺す。そして、楕円型に切ろうとする。しかし、扉は壁の鉄以上に硬く、切るのは相当困難なものだった。
このまま、ここで死ぬしかないのか...。レンはもう、諦めていた。
そのときだ。
レンの手が、光り始めた。
「な、何だ!?」
あまりにも唐突な出来事に、目を丸くするレン。
その光りはやがて、強烈なものとなり───。
「う、うわーー!!」
レンの身体を、光りが包んでいった。
目が覚めた。
レンは起き上がり、その手を見る。
手を見た瞬間、レンは気絶するところだった。
スラリとした手には指先があり、頭にはフサフサしたものがあり、違和感がある。そして、耳が頭にないという、慣れない感覚。
そこで、レンはようやく気がついたらしい。
人間になったのだ、と。
レンは覚醒したのだ。
- レンと仲間の謎の夢 ( No.28 )
- 日時: 2017/03/28 16:43
- 名前: クーゲルシュライバー (ID: Pvby2f.0)
◆作者から
『レンと仲間の謎の夢』の閲覧回数が300回を突破しました!ありがとうございます!
引き続き、レンと仲間の謎の夢の応援、よろしくお願いします!
◆──◆──◆──◆──◆──◆──◆──◆──◆──◆──◆
「ど、どういうこったあ...。」
あまりの出来事に目を丸くするレン。宝剣・アイスクラッシュを掴み、壁に向かって剣を振る。
壁は一瞬にして砕け散った。
「お、おお~...。」
口をパックリ開くレンの先には、まるで崩壊した古代都市のような風景が広がっていた。
ごくりとレンは唾を飲む。汗が、レンの顔を通っていく。何かがこの異次元を支配しているような空間。化け物が何かを運んでいる姿も見える。
これなら、ここが城のように大きかったのも納得できる。
ここは、何かが潜む巨大基地だったのだ。
ここに、この事件の黒幕がいる可能性は充分有り得るだろう。
けど。
この力なら、黒幕を倒すことができるかもしれない。
この勇気なら、どんな困難も切り砕くことができるかもしれない。
だとしたら。
レンは剣と勇気を背に負い、基地へと入っていった。
薄暗く、邪気が漂う、ひとつの密室。
「フフ...。あともう少し、もう少しなのよ...。」
クスクスと笑う女。後ろには、袋詰めにされたナッツとテラがいる。
「ちょっと!出しなさいよ!」
「放して下さい!」
袋はモゾモゾ動いている。
「出してと言って、出すわけがないでしょう?」
女が冷たく言い放つ。
「あとはクマの戦士だけね。理想郷は目の前よ...。アハハハハ!!」
女は口を歪め、そう言った。
- レンと仲間の謎の夢 ( No.29 )
- 日時: 2017/03/27 16:48
- 名前: クーゲルシュライバー (ID: Pvby2f.0)
基地はまるで日本で言う、東京都が2個分入るような大きさだった。あちこちに化け物が物を運んだり、殴り合いをしたり、遊んでいたりしている。
そんな化け物の目を盗みつつ、レンはソーッと、物を運んでいる化け物の後を追った。どこに運んでいるのか気になったからだ。
「ナッツとテラは...ここにいるのかなぁ?」
レンは首を傾げながら、化け物が向かうところの末路を追う。
やがて、化け物は大きいような小さいような城に入っていき、鍵を掛けていった。
「くそー、これじゃあ中にいけなくなるじゃないか。僕のことも考えてほしいね!」
ムキー!と、目をメラメラと燃やすレン。というか、レンが自分の後を追っているなど、後ろを向かなかった化け物が知るわけないだろう。
「こうなったら力ずくじゃァー!!」
レンはそう言い、城の壁を壊そうとした。
が。
ドス、ドス、ドス、ドス...。
後ろから、巨人が歩いてくるような音がした。
ハッと後ろを向いたレン。その視線の先には...。
異次元で会ったあの猛獣だった!
「げっ!」
後ずさるレン。しかし、猛獣は近づいてくる。
ああ、母さん。僕の人生は今、終わります。
そう思っていたレンだったが...。
猛獣はピタリと止まり、レンの身体をしみじみと見つめた。襲うような気配はしない。
「え...。」
思わず驚きのあまり声を出すレン。
そして。
「オマエハ『イツワリノシハイシャ』ヲタオシニヤッテキタノカ?」
猛獣が口を開いた。
- レンと仲間の謎の夢 ( No.30 )
- 日時: 2017/03/28 16:35
- 名前: クーゲルシュライバー (ID: Pvby2f.0)
「ん?んんん?」
レンの目はハプニングマークになる。敵と思っていた奴に、あっちの方から話されてびっくりするのは当然だろう。
「ナニヲソンナニオドロイテイル?」
猛獣が顔をしかめる。そして、ふう、とため息をつくと、こう言った。
「オレハルナシー。ユメノセカイノシハイシャサ。オマエハダレダ?」
「な、なな、なんですとぉ!!!?」
驚きに負け、尻もちをつくレン。ルナシーって、現実を破壊する危険な存在だったんじゃ...。
レンの事を知らない、ということは...。
「つまり、君は僕らをドリームマックスに送り込んでないの?」
レンの質問にこくりと首肯くルナシー。
「そ、そんじゃあ、現実を破壊する、ってのは真っ赤な嘘...?」
「イッタコトスラナイセカイヲ、ハカイシニイクワケガナイダロウ?」
ルナシーが口を開ける。そう言えば、現実にもルナシーなんてやつ、いなかったもんなぁ...。って、ん?
レンの頭を素朴な疑問が走る。
「じゃあ、現実を破壊するやつは誰?僕らをドリームマックスに送り込んできたのは?」
「...オマエ、ダレノシジニシタガッタ?」
レンの質問を無視して、ルナシーがレンに聞く。
「え?分からないと思うけど...光りだよ。森と砂漠で会った光り。」
レンがそう言うと、ルナシーは目を丸くした。
「オマエ...ダマサレテルゾ!」
「え?」
余りに出てきた真実に顔をしかめるレン。
「ソイツラは『偽リノ光リ』。暗黒の陰陽師『エルサレム』ノ化身ダ。」
「でぇぇ~~!?」
大声で叫ぶレン。
「キット、ジカンカセギシタニチガイナイナ...。」
ルナシーが舌打ちした、その時。
城の天井から黒い塊が出てきた。その塊は、基地の真上でプカプカ浮いている。
「ヤバイナ...。モウ少シデ現実ガ破壊サレル。」
ルナシーはそう言うと、城の壁の一部を拳一つで破壊した。
「オマエガスベテノ希望ダ。イケ!!」
余りにも唐突な真実にレンは迷っていたが。
「後は任せてよ!」
レンはそう言うと、人間の身体と希望と共に、城の中へ入っていった。
- レンと仲間の謎の夢 ( No.31 )
- 日時: 2017/03/28 17:09
- 名前: クーゲルシュライバー (ID: Pvby2f.0)
レンは階段を駆け上がる。出来る限りの速さで登って行く。
しばらくして。
「ここに、黒幕がいるのかな?」
レンは最上階に足を伸ばし、大きな扉を見上げる。いかにも王室らしい扉だ。
「お前がこの全ての黒幕か!?」
レンは王室の扉をバン!と蹴る。目の前には、女二人と男一人。
「レン...レンなの?」
「あれはレンですよ!姿は違いますがレンです!」
一人の女と男がレンを見る。その目を見て、レンは誰だか想像がついた。
「ナッツ、テラ!」
レンが言う。ナッツは女神のような、テラは大魔導師のような姿をしている。
「レンが無事で良かったわ!」
「無事で何よりです!」
こちらに駆け寄るナッツとテラ。
すると、一人の女がため息をついた。
「ルナシーは、殺ってくれなかったのかしら...。」
女の声を聞くと、レンは改めて剣を構える。
「ルナシーは、僕を助けてくれたよ。...それより、お前は誰だ!」
レンに対しフフ、と笑う女。
「私はエルサレム。『かつては』暗黒の陰陽師と呼ばれし者よ。」
エルサレム。ルナシーが言っていたやつだ。こいつが、全ての黒幕か...。レンの顔を、汗が通る。
「そんなことはどうでもいいの。ああ、もうすぐよ、完成するの。私が支配者となる理想郷が!」
アハハハハと笑うエルサレム。その笑い声は、まるで狂った廃人のようだ。
「お前の求める理想郷は、全てがもがき苦しむ地獄だよ!ナッツ、テラ!行こう!」
「分かったわ!」
「あなたのやることを止めてみせます!」
三人はそう言うと、戦闘体制に取りかかる。
「いいでしょう。貴方達はここが墓場になるのよ。喜んで死になさい。」
エルサレムは余裕の笑みを浮かべていた。
こうして、この事件の終止符を打つ戦いが始まった。
かけるのは、夢や現実どころではない。
夢や現実に眠る小さな希望も、だ。
勝つのは、希望か、それとも力か。
史上最大のパーティーが、始まろうとしていた────!
二章 了
三章に続く