PR
コメディ・ライト小説(新)
- Re: ホロフロノス〜刻限の輪廻〜 ( No.7 )
- 日時: 2017/03/05 22:37
- 名前: 珠紀 (ID: DHvILgv3)
「あっ」
教室のドアを開けると既に1人、机に突っ伏して寝ている男子がいた。
日向子は気にせずその男子の前の席に座り、後ろを振り返る。
「………」
ツンツンと短く切られたその男子の頭をつついてみる…………反応はない。
「ユウちゃん」
"ユウちゃん"そう呼びかけると、その男子は眠そうに瞳を開き頭を起こした。
短い前髪にセットする必要のない短い髪の毛。いかにもスポーツしてますというような髪型だ。
「…ふあ〜あ」
起きて早々間抜けな欠伸をかいて頭を掻くような素振りをする。
「昨日もゲームで夜更し?いい加減、やめたら?」
「ラストまで行ったと思ったら裏ボスがいてさ〜」
よくぞ聞いてくれたと言うように、身体を机から乗り出して昨日のゲームについて語り始める彼の名は漣 優、日向子の幼馴染である。
「そう」
素っ気無い返事をし、クルッと前を向き読書を始める。
優は、つまんねぇの、と唇を尖らせまた寝始める。
日向子は、続々とクラスメイトたちが教室に入るのを一瞥しながら読書をしている。
いつもの日常だ。
『日向子』
この声を除いては。
この頃、おかしな夢を見る。
その夢は日に日に起きている時にも声が聞こえたりとあらわれるようになった。
最初は気にもしなかったが、最近は頻繁に声が聞こえる為とても迷惑している。
「はぁ」
大袈裟に溜息をつく。
疲れているのか。
原因として頭に浮かぶのはそれしかなかった。
日向子は、何故か聞き覚えのある声にざわざわと胸騒ぎがした。
「席につけ〜」
「!」
先生の声で現実に引き戻される。
読んでいた本を閉じると、頭を切り替えHRの先生の話に耳を傾けた。
PR