コメディ・ライト小説(新)
- 未来改変 ( No.14 )
- 日時: 2017/04/03 20:21
- 名前: ラッテ (ID: 5YaOdPeQ)
Re;14 光
精神世界。例えるならば、ここはそういうものなのだろう。
奶斗は今自分がいる、海のような黒い世界を、そう例えた。
黒い海の中で独り孤独に沈んでいる自分。
永遠に続くかと思われた黒き世界は、あまりにも早く終焉を迎えた。
『イハキロダブル.』
再び聞こえた、謎の少女の声。
相変わらず、何を言っているかは分からない。
この声はどこから発せられているものなのか、奶斗は周りを見渡した。
黒い波が漂っているだけの世界。
そんな中で、一つだけ白く、眩しく光っている所があった。
雨の世界で少女が現れた時と同じような光。
光はやがて、少女の形になった。
顔はよく見えない。しかし、体つきからは十歳を越しているか越していないか程度の小ぶり。
少女は、言葉を発した。
『イタカロウタクティーェティー.』
そう言葉を発した時、少女から発せられている光が奶斗を包んだ。
不思議と、力が湧いてくるような気分だった。
現実世界にいる体が意識を取り戻してきたのか、精神世界が所々光を発し始めた。
崩壊する精神世界の中、少女は奶斗に近づいて、そして抱きしめた。
『オイニイナワイエックスエヌ…,アガンアブティーェエヌ.』
何故だか、懐かしいような気分になった。
精神世界は、完全に崩壊を果たした。
少女は、光へと戻り、奶斗の体に入った。
「ッケ。クリエイターが二人相手ってんだから期待してたんだけどよ。こんな一瞬で終わっちまうのか。能力を使う必要も無かったぜ。」
首をコキコキ鳴らして、篠は奶斗を担ごうとした。
その時、突然奶斗の体が光りだした。
その光は、撃たれた箇所を包み込み、出血を完全に防いだ。
そして、奶斗はゆっくりと立ち出した。
目は、今までの澄んだ黒色から、輝く白色へと変わっていた。
『オマエオワトウエス!』
聞いたこともない言語で、奶斗は叫んだ。
篠は、目を輝かせた。
「いいじゃねーか。楽しくなってきた!」
魁斗が目を覚ますまで、あと一時間。