コメディ・ライト小説(新)

未来改変 ( No.3 )
日時: 2017/03/26 11:42
名前: ラッテ (ID: 5YaOdPeQ)

Re;3 原

天月奶斗が手に入れてしまった能力を、更に詳しく説明すると長くなってしまう為、今は簡潔な言葉で表しておこう。

『未来を変える』

これが、彼の能力の原点である。

彼は、幾度となく世界のリセットと未来の改変を繰り返した。

しかし、未来は変わらなかった。

彼は、一万五千六百九十二回という想像もつかない程のループを繰り返した。

その中で、ある事を確信した。





無限に続くこの人生を、耐えなければいけない。





これが、彼の背負った悲しき宿命。

手に入れた経緯も、理由も、意味も分からないまま、彼は背負われてしまった。

そして、今日も彼は生きていた。無限の時間の中で。

再び世界がリセットされるのを待ち、そして再び今までやってきた事を繰り返す。

そして、誰もいなくなったこの雨の世界に、再びやってくる。

未来は、変えられない。どんな手段を使おうと。どんな選択肢を選ぼうと。

誰もいなくなったこの世界に、分岐点は訪れない。

彼の人生は、この後も無限に続いていく。




ふと、奶斗は外を歩いてみたくなった。

この雨の世界、最終到着点に来てからもう一万回以上経ったが、外を歩いた記憶は無い。

どうせ暇なのだから、歩いてみよう。

そう思い奶斗は外に出た。

何故、この時奶斗はそう思ったのか。

何故、今まで奶斗はそう思わなかったのか。

分岐点は、まだ残っていた。