コメディ・ライト小説(新)
- 最終章 ( No.37 )
- 日時: 2017/04/09 08:51
- 名前: ラッテ (ID: 5YaOdPeQ)
『あなたは誰?その問いに、答える事はできるのか?』
『世界は、誰のものなのか?あなたに、それが分かるだろうか?』
『決められたレールを、辿っているだけの世界。それを変える事など、不可能なのだ。』
『未来改変。それは、神への反逆。』
《最終章 神への反逆》
Re;34 王
目を覚ました雄哉に待っていたのは、絶望という言葉では収めきれないほどの、悲しい情報であった。
白神朝登がナンバーズを去ったという事。。芽亜の怪我が、二度と治らないという事。そして、ナンバーズが、解散するという事。
白神朝登は、白神朝登では無かった。
彼は、仮初めの人間であって、本物では無かった。
雁夜篠も、政府から姿を消した。
ナンバーズの人間は、皆闘志が消え、廃人の様に真国会を去っていった。
残ったのは、政府の上層部と、雄哉、そして、目を覚まさない芽亜だけとなった。
ナンバーズを失った茅場廉は、次は雄哉をリーダーとして再びクリエイターを集めると言い出した。
芽亜を失って絶望している雄哉に、再び絶望を突きつけようとしている茅場廉に、そして、政府に、国に、世界に。絶望した。
芽亜を抱え、雄哉までもが政府を去った。
その事実を知った政府が起こした行動は、第三次世界大戦の開戦宣言であった。
たちまち日本は戦場と化し、雄哉は逃げ場を失った。
第三次世界大戦開始から約一年の時が過ぎた。
どこにも人はいなかった。建物も、壊れた物だけがただ並んでいた。
他の国が使用した新兵器により、日本は雨だけが降り続く国となった。
政府は、真国会を襲撃されて壊滅した。
日本は、終焉を迎えた。
雄哉は、一人で、雨に打たれていた。
孤独を感じ、押しつぶされそうになり、その場で蹲った。
もう、終わろうか。この、悲しい人生を。
いつから、こんな風になったのだろうか。
叔父叔母に見捨てられたあの時から?違う。
能力のせいだ。この力は、世界を終わらせた。
この力のせいで、この国はおかしくなり、終焉を迎えた。
こんな力、最初から無ければよかったのに…。
日本は、終わった。
世界も、殆どの国が新兵器の被害により壊滅した。
人類は、終わった。
極一部の、人間を除いて。
蹲っていた雄哉に、一つの手が差し伸べられた。
雨のせいでよく見えなかったが、その手はとても光っている様に思えた。
希望の光が、雄哉を指した。
天月奶斗が、雄哉に救いの手を差し伸べた。
その手を、雄哉は強く握った。
残った人類による、神への反逆が、始まる。