コメディ・ライト小説(新)
- 最終改変 ( No.41 )
- 日時: 2017/04/09 09:39
- 名前: ラッテ (ID: 5YaOdPeQ)
『愛すべき我が世界、憎き我が世界。世界が今、終わる。』
Re;Final 神への反逆
崩壊する世界。リセットだ。
やはり人類は、神には勝てなかった。
『ごめん。』
奶斗は、呟いた。
突如、世界は止まり、奶斗の前には選択肢が現れた。
《終わる》《終わらない》
奶斗は、待っていた。この時を。
しかし、終わらせていいのだろうか。
この世界は、確かに悲惨で残酷だった。
しかし、その中でも確かに光り輝く、人の存在があった。
彼らとの記憶は、脳に焼き付けられている。
本当に、自分の望む世界にしてしまっていいのだろうか?
『いいんだよ。』
どこからか声が聞こえて来た。
今まで聞いて来た謎の少女の声。
神の声。
『この時のために、今までみんな頑張って来たんだよ。人は、神に勝ったんだよ。』
事実上では、人は神に負けている。
勝ち目のない戦いに挑み、あっけなく敗北している。
それを、勝利とは言わない。
『そんなことは無いよ。ここまで、頑張ったんだよ。神には無い、人だけにある、絆の力で。』
仲間と頑張りあい、ここまで来れた。
その事実は、変わらない。
『そうだよ。だから、もう終わってもいいんだよ。』
奶斗は、目を閉じた。
今まで生きて来た、長い人生。
それよりも輝いていた、魁斗たちとの、短い物語。
ありがとう。
奶斗は、全ての出来事に感謝していた。
今まで自分が頑張って来たのは、この瞬間のため。
奶斗は目を開けた。
そこには、少女がいた。
もう奶斗には分かっていた。
この少女、神は、今まで幾度となく奶斗を助けてくれた。
「ありがとう、雛。」
『うん、お兄ちゃん……!』
昔、死んだ妹の雛。
それが、このような形となって、奶斗を助けた。
神では決してたどり着けない、人だけの領域というものが存在する。
奶斗と雛は、抱き合い、涙を流した。
奶斗は、《終わる》を選んだ。
世界は、崩壊を続けたが、リセットとは違った。
美しく、浄化していくかのようだった。
奶斗と雛は、いつまでも、抱き合っていた。
ある少年は、本を抱えていた。
一人の少年と、一人の少女が互いに抱き合っている表紙の本を。
本の名は、《神界書》。
彼は、アダムの使徒。その名は、千東 千鶴。
人々が行き交う街の中で一人、彼は不敵な笑みを浮かべながら言った。
「未来改変。」
《changefuture》
物語は、続く。
人と神の、長い長い戦いの物語が。
最終章 終幕