コメディ・ライト小説(新)

Re: 【合作】極炎の惑星 ( No.1 )
日時: 2017/04/26 14:37
名前: クーゲルシュライバー ◆S3MaCN.iCE (ID: GfbO1Kzf)

───ここは人間と生物、竜、妖精が暮らす星、アイマックス。地球からはとてもと言っていいほど遠い。
だが、そんな星の王国ミカエルに、後々、伝説に名を刻む戦士がいた。

「はっ、てい、とうやぁー!」
そう言って剣を振り回しているのは、ミカエルの騎士レン。頬にある月のマークで、月竜ムーンドラゴンになる事が出来る者だ。
「レンの剣さばきは成長しているにも関わらず、レンの性格は成長していないな」
にやれやれ、と溜め息をつくのはミカエルの王子、レックス。『悪魔の子』の血を受け継ぐ魔導士だ。
「何だって!?」
目が怒りに変わり果てるレン。
「ケンカは駄目よダ・メ!」
ミカエルの吟遊詩人、ナッツが口を開く。
「ぬぁーい...」
マヌケな返事を出すレン。
そのときだった。
「おい、レン!」
誰かがレンを呼んだ。聞いたことが一切ない独特な声だ。
「ん?誰?」
辺りを見回すレン。だが、周りにはナッツとレックス以外、誰もいない。
「ここだよ、ここ!」
声のした方を向くレン。
すると、剣がキラリと光ったと思うと、レンの手を振り払い、空高く飛ぶ。そして、レンの身体二個分の高さで止まった。
「??」
皆の目が点になる。
「ハッハッハ、俺様の急激な登場に腰が抜けたってか?」
あまりにも生意気な言い様だ。
「君は...」
恐れつつ聞いてみるレン。
「俺様は宇宙の精霊様だ!...そんなことはどうでもよくて、俺様はお前達にあることを伝えに来たんだ」
「何?」
三人は精霊に聞く。
「実はだな...」
精霊はひとまず言葉をおくと、意を決したようにこう告げた。

「ここは、もうすぐで消滅する」

唐突に始まった冒険臭に引きずりこまれるレン達。
その頃、他のとある星では───。

Re: 【合作】極炎の惑星 ( No.2 )
日時: 2017/04/02 23:07
名前: 四季 ◆7ago4vfbe2 (ID: Dbh764Xm)

 星の名は時雨星。名から連想できるかもしれないが、この星はほとんど晴れることがない。常に小雨が降っており、晴れるのは一年に一日ぐらいのものだ。

 ある日のこと。
 お寺のような建物の前。
「わーい!今日は晴れてるのー!とってもとっても久しぶりなのー!」
「……そんなに騒ぐな。精神集中の邪魔だ」
 はしゃぐ少女・千紗季とは対照的に、その横で黙って目を閉じた青年・凛は冷めている。
「凛はテンション低すぎ!久々の晴れの日なのに、どうしてそんなに冷めてるのー?」
 千紗季は楽しそうにくるんと回転してから、凛の肩をトンと軽く叩く。
「……私は雨の方が好きだ」
「でもでもっ、雨ばっかりだとジメジメしてイライラしてくるの!凛はしないのっ?」
「……しない」
 二人は時雨星に昔から伝わる武術の伝承者だ。といっても、その家系に生まれたというだけであるが。
「凛は変なの。十分強いのに、いっつもいっつも精神集中とか鍛練とかしてばっかりー!」
 千紗季は遊んでほしいと訴えるように頬を膨らます。
「……お前も一応は伝承者だろう。少しは何か努力しろ」
 彼女の高テンションを上手く受け流す。
「嫌なの!面倒なの。千紗季は天才だから、何もしなくても最強なのー!」
「……まずは語尾の種類が少なすぎるのをどうにかしろ」
 凛は呆れて溜め息を漏らし、再び目を閉じる。
「……次は邪魔するな」
「意地悪!だったら凛がどっか行けばいいのーっ!」
 顔を赤くして怒る千紗季。
「……ここは私の鍛練の場だ」
「嘘なの!千紗季のものなのーっ!凛が出ていくの!」
 二人はいつもこんな風に言い合いをしていた。かなり久々に雨が止んだこの日も、二人は普段通りだった。
 ただ、その普段はこの日で終わることとなる。

 二人がちょうど言い合いをしている時、晴れた空の雲の隙間から謎の白い光が降り注いでくる。こんなことは体験したことがない。千紗季は不思議な顔をした。
「凛、凛。何か上から光が降ってきてるの」
 それを聞いた凛は目を開く。
「ハッハッハ、俺様の急激な登場に腰が抜けたってか?」
 謎の声が聞こえてくる。何者かの姿はない。
「……いや。興味がない」
「どうでもいいのー」
 凛と千紗季は珍しく同じような冷めた声で言った。
「なっ、何だ……。その適当な反応は……」
 謎の声は適当な対応を受けてショックを受けたようだ。普通は驚かれたりするからだろう。
「ところでところで、千紗季たちに何の用なの?」
「実はだな、俺様はあることを伝えに来たんだ」
「伝えていらないのっ!」
 無邪気な笑顔で切り捨てる千紗季。
「ぺ、ペースが……」
 謎の声は調子を乱され困惑しつつ告げる。

「世界が滅ぶ。お前たちに残された時間は少ししかないのだ」

 凛と千紗季は顔を見合わせ、謎の声の方を向く。
「……興味がない。とっとと帰ってくれ」
「これ以上絡んでくるならぶっ飛ばすのーっ!」
 千紗季はやる気満々だ。

 精霊はここへ来たことを若干後悔した……。

Re: 【合作】極炎の惑星 ( No.3 )
日時: 2017/04/03 00:26
名前: 夜月 ◆p5CHNX570g (ID: mmFLxLPE)

この星は時竜星。その名のとおり、時を操る竜がいる。と伝説では書かれているが、この星の平和さを見ると、伝説がうそなんじゃないかと思えてくる。

めずらしく、雨が降ったある日、
「雨、かあ。めずらしいなあ。だけど、中でごろごろできるからいいか。魔術系の本でも読もう。」
「ミコ!ごろごろしないで鍛錬をしろよ。そういう本を読むとか・・・って読んでた!」
この「中でごろごろする女の子」がミコ。そして、「鍛錬バカ」がカイト。
ここはミコの家。本が好きすぎて倉庫まで建てたという。その本の量は図書館レベルである。
「まったく。この雨のせいで鍛錬もろくにできない。困ったもんだ。」
カイトはとてもこの星特徴の双剣術に長けており、この星のトップともいっていい。
「うっさい。鍛錬バカが。」
ミコは魔術師。しかも上級である。
「なんだとー!お前は消極的過ぎるんだよ!休みの日は一歩も外に出てないし!」
「くう。そう言うカイトは積極的過ぎるの。休みの日はほぼ鍛錬ばっかりだし。」
何度もけんかしたカイトにしびれをきらしたミコは部屋に閉じこもる。
ふと見た窓の向こうの空が、とてもまぶしく光る。
「カイト。カイト!見て、あの空!」
ミコが光っているところを指差す。するとそこから、人のような天使のような、
なにかが降りてくるのを二人は見た。
「おーい。ミコにカイトくん!」
二人はとてもびっくりしている。
「ハッハッハ、俺様の急激な登場に腰が抜けたってか?」
「お、お前は?」
「俺様は宇宙の精霊様だ!俺様はお前達にあることを伝えに来たんだ。」
「私はどうでもいい。」
そう言うミコに対し、わくわくしているカイト。
「なんだ?母が言っていたその時かもしれないんだぞ?・・・なんだなんだ?教えてくれ!」
「わかった、わかった!焦るなって!実は・・・。」

「世界に残っている時間はもう多くない。この世界は滅ぶのだ。」

「ふーん。」
「いこう!ミコ!出発の準備だ!」
とずるずる引きずられていくミコ。
ここが『日常』から、『非日常』になった、瞬間だった。
その頃、別の星では------

Re: 【合作】極炎の惑星 ( No.4 )
日時: 2017/04/03 09:31
名前: オオミノガ ◆RgF.6MREXo (ID: wSTnsyhj)

この星の名は春星。名の通り春、夏、秋、冬の四季が無く何時も何時も春の星だ。人と姿形が変わらない鬼と人が暮らしていた。

そんな平和な星の中で少年は逃げていた。真紅の角を生やした少女から。少女は明らかに人間離れした動きで少年を追っていた。

「捕まえましたよ。水蓮君」
「やめろ、離せ。銀朱」

朱色の髪に名刀のように鋭く真っ直ぐな真紅の角、燃え盛るような紅い瞳をもった可愛らしい少女が銀朱。黒髪黒瞳の特徴的な所がない少年が水蓮。
水蓮はなんとか銀朱の束縛から逃れようと身をよじるが、銀朱は鬼、水蓮は人間腕力では話にならない。更に付け加えると、この星の鬼の力は角のねじれで判断できる。ねじれが少なければ少ないほど、強く。多ければ多いほど弱い。真っ直ぐな角を持つのはこの星でも彼女のみで、この星きっての実力者だ。

「ちょっと待て。銀朱」
「離しませんけど、待ってはあげます」

空から光が二人へ向かって降り注いでくる。二人ともその異様な光景に呆然とする。

「ハッハッハッ、俺様の急激な登場に腰が抜け」
「た、訳無いじゃないですか。バカなんですか?それにあなた誰です?」

謎の声を遮り、問いかけを投げるのは銀朱だった。全く物怖じする事なく謎の声を罵る。

「なっ、俺様は宇宙の精霊様だぞ!俺様はお前達にある事を伝えにきたんだ!」
「聞くからさ、精霊様。助けてくんない?」
「その程度容易い」

光が銀朱に当たるとさっきまでの怪力が嘘のように非力になる。体を少しよじり、束縛から抜け出す。

「これは、信じるしかねぇな」
「うぐぐ、力がぁ」
「あと一時間は力抜けっぱなしだぜ。俺様を罵った罰だ!」
「それで、伝えたい事って?」

「この星は滅ぶ。残された時間は少ししかない。残された方法はただ一つ……」

「行くぞ、銀朱」

水蓮は嬉しそうな銀朱を担ぎ上げ、冒険へと旅立つ。

__________二人が旅立った頃他の星では

Re: 【合作】極炎の惑星 ( No.5 )
日時: 2017/04/12 19:15
名前: クーゲルシュライバー (ID: GuSqVW3T)

「な、なな、なんですとぉ!!!?」
思いっきり声を張り上げたレンとナッツ。そして、ギャーワーと騒ぎ始めた。
「おいおい、そんな大げさに騒ぐなよ…。そんな事より、この優しい俺様が、この星の危機から逃れられる方法を『特別に』教えてやろう!」
その精霊の腹が立つ言い方に、三人はこれ以上にないほどの殺気を覚えた。
「まぁ…教えてよ、早く。」
怒りが支配した声を吐き捨てるレン。
「はいはい…。えーっとだな、この危機を救うには氷の惑星『アイスウェイト』に行って、氷宝石ひょうほうせきファイアバニッシュを手に入れる。それだけだぜ!」
めんどくささを確実にアピールしている精霊。
すると、レックスが何かを思い出したかのように言った。
「アイスウェイトに行くんなら…ファイアパール、ウォーターパール、テラパール、ウィンドパール、ライトパール、ダークパール、ホーリーパール、イビルパール、ヒートパール、アイスパール、ポイズンパール、サンダーパールが必要らしいな。」
「いろいろあるね…。」
あまりのパールの多さに脱帽するレン。
「ただし、そのうちの九個はここにはねえ。」
ええ!?と目を丸くする三人。
「安心しろ。三つのパールはここにある。そのパールさえ集めれば、アイマックスを救えるぜ。それに、九つのパールの場所も、ここのように消滅する場所にあるはずだ。そいつらも、今動いてるぜ!」
笑うかのように説明する精霊。その声は、やはりふざけている男子のようだ。
「よぅし…。ナッツ、レックス!」
レンがナッツとレックスの方を向く。二人はもちろん、行く気がある。
三人はうなずくと、スタスタと走り始めた。

Re: 【合作】極炎の惑星 ( No.6 )
日時: 2017/04/15 07:37
名前: 四季 ◆7ago4vfbe2 (ID: 4mXaqJWJ)

「よし、気を取り直して」
 しばらくしてから精霊は口を開いた。どうしてこの二人のところへ来てしまったのか後悔しつつも、今から別の者に命じるというわけにはいかない。
「もういいのよっ!帰ってほしいの!」
 千紗季は頬を愛らしく膨らませる。しかし、可愛らしさとは裏腹に明らかな殺気が漂っており、今にも精霊に殴りかかりそうな勢いだ。
「別に帰っても良いぞ。ただこの星が滅ぶだけのことだ!」
 など言いつつ、精霊はしっかりと居座っている。帰りそうな様子は見受けられない。
 その時、しばらく黙っていた凛が唐突に言った。
「……話せ」
 少し前まで興味がないと言っていた凛だったが、なぜか気が変わったようである。
「よぅし、良いだろう。この優しい俺様が説明してやることとする!『特別に』な!」
 凛は精霊をじっと見詰め、何も言わず頷く。それを見た千紗季は不満そうな面持ちのまま黙り込んだ。
「危機から逃れるには、まずは『アイスウェイト』に行かねばならない。そのために必要なテラパールとポイズンパールを手に入れろ!」
「テラ……パール?それに、ポイズンパール?そんな真珠、聞いたことないのっ!」
「真珠ではない。敢えてもう一度言おう。アイスウェイトへ行くのに必要なものだ」
 こうして精霊はどこへともなく消え去った。その場には凛と千紗季だけが残る。
「凛!何なのーっ!?あんなくだらない遊びに付き合うつもりなのっ?」
 顔を真っ赤にした千紗季がギャアギャアと騒ぐ。凛は近くの柱に掛けてあった黒い羽織のようなものを着る。
「……退屈していたところだ。少しは暇潰しになるだろう」
「千紗季は嫌なのっ!!」
 彼女に猛反対されても、凛は少しも動揺しない。
「なら来なければいい。私は暇潰しに出かけてくる」
 凛が黒い羽織をはためかせ歩いていこうとすると千紗季はそれを追いかける。
「ち、千紗季も行くのっ!凛!置いていかないでなの!」
 晴れた空の下、目的もよく分からず行くあてもないまま歩き出した。

Re: 【合作】極炎の惑星 ( No.7 )
日時: 2017/04/21 17:14
名前: 夜月 ◆p5CHNX570g (ID: mmFLxLPE)

「まてまて!まだ話がある!」
精霊はガシッとカイトとミコの腕をつかみ、ひっぱった。
だが、ミコはとっさに腕をはずした。
「うお!」
カイトだけがひっぱられ、部屋の床にぶつかる。
「だっさあ。」
ミコがクスクスと笑いながら、カイトのもとに近づく。
「う、うるさい。」
埃にまみれながら立ち上がる。そして、精霊のところにいくと、顔に向けてストレートを放った。
「うごっ!」
精霊が吹き飛ばされ、部屋の壁にぶつかる。
「だっさあ。」
ミコはクスクスと笑っている。
「で、話は?」
バキバキと指を鳴らしているカイト。その顔はまるで鬼のようだ。
しばらくすると、埃にまみれた精霊が出てきた。
頬にはしっかりとストレートの跡が残っている。
「いったたた・・・。」
その跡をさすりながら、話し始める。
「この世界を救いたいなら、氷の惑星 アイスウェイトに行って、氷宝石ひょうほうせきファイアバニッシュを手に入れなければいけない。」
いままでの感じとはうって変わり、とても真剣な目をしている。
「だが、アイスウェイトに行くには、ホーリーパール、イビルパールを集めないといけないのだー!」

沈黙の時間。

「・・・なに、それ。」
「この星にはないぞ。その宝石は。」
「し、知っている!だから旅に出るのだ!その宝石を求めて!」
『ロマン』『夢』という言葉がカイトの頭の中をおどる。
「さあ!今度こそ行くぞ!宝石を求めて!」
「うるさい。」
またずるずると引きずられていくミコ。

その光景を見ながら、精霊は天にもどっていった。
口元を緩ませながら。

Re: 【合作】極炎の惑星 ( No.8 )
日時: 2017/04/23 09:01
名前: オオミノガ ◆RgF.6MREXo (ID: wSTnsyhj)


「あの偉そうな奴の言った事本当なんでしょうか」

怪力のお前を縛った時点で、信憑性高いと思うんだけどなぁ。信じられないのは、宇宙の精霊様(自称)が放った言葉だ。

『この世界は早かれ遅かれ滅ぶ。この世界を救うには、アイスウェイトに行かなければならない。その為に必要な『ウィンドパール』、『サンダーパール』を取ってこい』

今思い出しても、悪質な詐欺グループにしか聞こえない響きだ。もし、嘘だったならば単なる徒労になるだろう。

「そんなに信じられないなら、この星1の物知りに尋ねてみよう」

小さな町の小さな図書館。其処にこの星1の物知りは居る。
彼女はパラパラといかにも古そうな本を読んでいる。

「ウィンドパー……」
「ウィンドパール、サンダーパールに関する書物は、5番の棚左から数えて12番目」
「お……おう」

彼女の言う通りの所にしっかりとあった。本を開き、ウィンドパール、サンダーパールのありかを調べてみると、其処まで阿保みたいに遠くにある訳ではなく、結構近場だった。
本を元の位置に直し、彼女に礼だけ述べて旅に出る。

「また来てね。いつでもここで待ってるから。いつでも」

図書館を出で、本から写した地図を持って冒険の旅に出る。