コメディ・ライト小説(新)

Re: 【合作】極炎の惑星 ( No.9 )
日時: 2017/04/24 17:50
名前: クーゲルシュライバー (ID: GfbO1Kzf)

世界を危機から救うはめになったレン達。しかし、そのような危機に隣り合わせの星は、何とアイマックスだけではないそうだ。
だとしたら、見知らぬ相手と手を組んで行く必要がある。
そう知ったレンは跳び跳ねまくり、もはや『キチガイ』と言うにふさわしい状況だった。



レン達はまず、ミカエルの中央図書館へ向かう。
図書館に足を運び、三人はまず、ファイアパールについての情報を探す。ファイアパールと言う名は、よくレン達も聞いていたからだ。
しばらくして。
「あったわ!」
ナッツが声を上げる。レンとレックスはナッツの方へ向かい、持っていた本の一部を朗読した。

『炎の秘宝は邪を払い、炎の秘宝は聖を呼ぶ。
 炎の秘宝は崇められ、炎の秘宝は熱く光る。
 世界が邪悪な冷気に封じられしとき、
 炎の秘宝、ファイアパールは灼熱のほこらから降臨するであろう...』

「灼熱の祠...」
レックスがまゆをひそめる。
「どうかしたのか?」
レンがレックスに聞く。
「灼熱の祠は神でも近づくことが難しかったぐらい危険だった場所だよ。そこに行くのかい?」
そういうレックスの目は、真剣だ。ナッツもウンウンうなずく。
しかし、レンにおいては全く別だった。
「じゃあ、灼熱の祠って言うとこにピョーンって行けば、オレらは神以上ってことになるじゃん!行くっきゃねえだろ!」
レンはそう言い残し図書館を飛び出す。
「ま、待ってよぉ~...」
ナッツとレックスも、急いでレンの後を追う。

Re: 【合作】極炎の惑星 ( No.10 )
日時: 2017/04/26 16:19
名前: 四季 ◆7ago4vfbe2 (ID: okMbZHAS)

「あーもー、面倒なのー」
 凛と千紗季は精霊から聞いた通り、テラパールとポイズンパールを探し手に入れなくてはならなくなった。とはいっても、どこにあるやら分からない。
「誰かさんのせいで超迷惑なの!ぶーぶー!」
 千紗季は相変わらず不満を言っている。
「……黙っていろ」
 二人はパールの在りかを探すべく、山を越え、とある洞窟へ向かっているところだ。
「凛!どこまで歩くのっ!?」
 千紗季はすっかり歩き疲れ、文句を漏らす。一方凛の方はというと、真剣な顔のままひたすら歩いており疲れているようには見えない。
「……着いた」
 凛が整った顔はそのままに、口だけを小さく動かした。
「ふわぁ〜っ!ここなの?ここが凛の言ってた……」
 目の前に現れたのは大きな黒い口を開けた洞窟。山奥ゆえ、人の気配はしない。いや、そもそもこんなところに人がいるはずがない。これを見れば誰もがそう思うだろう。
「試練の洞窟だ」
 言い終わるのとほぼ同時に、洞窟の中から人間のような姿をしたものが湧いてくる。しかも結構な数いる。
「ぴぃっ!き、キモいの!」
 千紗季は突然現れた謎の生物に、目を大きく見開き驚きを隠せない。
「……千紗季、戦え。こいつらを片付ければ洞窟に入ることが出来る」
 冷たい風に黒い髪をなびかせ敵を倒しながら、凛は淡々とした口調で続ける。
「案ずるな。……私一人でも十分に片付けられる相手だ」
 千紗季にも人間のような姿をした敵たちが近寄ってくる。
「き、キモいの……寄ってくるななのっ!!」
 目を閉じてそう叫び片方の拳を前に突き出す。するとそこから見えない気のようなものが放出され、取り囲む不気味な敵たちを一斉に吹き飛ばした。女が繰り出したとは思えない凄まじい威力だ。
「凛!敵はやっつけたの!」
 千紗季は凛の方を振り返る。その時には彼も敵を倒し終えていた。
「……よし。入るぞ」
「入って大丈夫なの?」
 いつもは突っ込んでいくタイプの彼女が珍しく尻込みしている。
「以前来たことがあるのだ。この中に知り合いがいる。パールについて知っていそうな者だ」
 言いながら洞窟へ入っていく凛の背を追って千紗季は駆け出す。文句を言いつつもついていくのが彼女だ。
「ふぅん。その人、物知りってことなの?」
「そうだ。あの方なら色々とご存知なはず。修行していた頃に出会った師の一人だからな」
 凛は数年ほど武術の修行として旅に出ていた。その間のことは彼が語らなかったのもあり千紗季ですら知らない。
「本当に分かるのー?千紗季、パールなんて聞いたことないのよっ!」
「あぁ、私もない。だが聞けばすぐ分かることだろう」
 二人は洞窟の中の肌寒い道を歩いていく。時々水が滴る音がする以外に音はない。
 しばらく歩き続けると広い空洞に出た。
「いきなり広いの!ねぇ凛、ここは何なの?この場所で一体何するのっ?」
 辺りを見回し、一人で質問を投げ掛け続ける。凛は慣れているが端から見れば奇行だろう。

『——誰だ?』

 突如、どこかから声が聞こえた。暗い空洞に響く。
「師匠、私です」
 凛が落ち着いた声で答える。
 すると洞窟の奥から人が現れた。長い白髪、刻み込まれた深いしわ。いかにも師匠らしい老人だった。
「よく来たな、凛」

Re: 【合作】極炎の惑星 ( No.11 )
日時: 2017/04/27 15:05
名前: 夜月 ◆p5CHNX570g (ID: mmFLxLPE)

「えっと・・・ホーリーパールとイビルパール・・・だっけ?」
「ああ。何か知ってるのか?」
「ちょっと待って。たしか・・・。」
雨に濡れるのも関わらず、書庫に向かうミコ。
「あ!これかな?違うな・・・。」
書庫からぶつぶつとミコの話し声が聞こえる。
そして、カイトのところに行くと持っていた本をパラパラめくり、ピタッとあるページで止めた。
そこは、この星にいるという『時を操る竜』の伝説のページだった。
「『もし、世界が破滅の時を迎えるときが来るのならば、時を操る竜に聞け。全ての謎が解けるであろう。』」
ミコがこの星ではもう使われていない言語をスラスラと読んでいく。
「『時を操る竜が居るのは、幻獣の森だ。だが、竜に着くまでには・・・』えっと、『大変な道のりだ。それでもいく勇気があるなら、行くがよい。』」
「玉のことには触れてな」
「うっさい。」
また本をパラパラとめくっていく。
そこは、『邪悪の教会』、『聖獣都市』についてのぺ-ジだった。
「『邪悪の教会は、吹雪を乗り越え行かなければならない。教会の奥に、邪悪玉がある。そして、聖獣都市は、今は滅んだ都市である。聖獣に認めてもらい、希望玉が手に入る。』これはホーリーパールとイビルパールのことだよね。」
「さあ!いくぞ!ホーリーパールとイビルパールを手に入れるために!」
カイトが部屋に戻っていく。

ずぶ濡れになっているミコを残して。
「おーい!カイトー!っくしゅん!」

Re: 【合作】極炎の惑星 ( No.12 )
日時: 2017/05/03 18:25
名前: オオミノガ ◆RgF.6MREXo (ID: wSTnsyhj)

「地図はとった。でも……危険過ぎない?」
「ええ、死ねます」

サンダーパールらしき物が位置する場所は稲妻が雨のように降り注ぐ地帯。おまけにウィンドパールらしき物が位置する場所も暴風が吹き荒れ、立ち入れない。

「イカれた発明屋にでも頼みます?ちょうどこの村にいますし」
「頭のネジは飛んでるが、腕は確かだからな」

所々苔が生えている所から、全く手入れが行き届いていないのが見て取れる。更に蔦まみれだし、はっきり言って頼りたく無い。嫌々だが、大変不本意だが、ドアをゆっくりと開ける。ギィギィと軋みながらドアが開く。

「我が友人達よぉ!お久しぶりですなぁ!今日は何ですかな?発明品の依頼?それとも発明品の依頼ですかなぁ?」

癖の強い喋り方でお出迎えてくれた彼こそ、腕利き発明家。部屋の片隅の発明品製作の道具は、管理が行き届いていた事と話の内容から発明する事以外に興味はなさそうだ。

「おう、発明品の依頼だ喜べ」
「さてさて、どのような発明ですかな?」
「サンダーパール、ウィンドパールを取りに行く。その為の発明品だ。」
「超絶難関ですねぇ、燃えマスゥ、燃えますヨォ!」

狂ったように彼は設計図を書き上げていく。相変わらず凄まじい頭脳だと思う。細かい書き直しもし終えるとこちらを向き直った。

「道具を作る為には材料が入りますよぉ」
「何がいるんだ?」
「超高純度、圧倒的魔力貯蓄量、超耐久性の三拍子を誇る魔鉱石が入りますね」

無茶振りをしたら、かなりの無茶振りが返ってきた。

Re: 【合作】極炎の惑星 ( No.13 )
日時: 2017/05/05 13:27
名前: クーゲルシュライバー (ID: 9RGzBqtH)

レンらは準備を終えて、早速『灼熱の祠』へと向かう。
「レッツゴー!」
ナッツが大空に向かって拳を上げた。

灼熱の祠は、意外と近いところにあったが、海や火山が行く手を塞いでいた。レンを先頭に、三人は祠に向かって走り出す。
祠は、火山で作られた壁の中にポツリと建ってあった。
「えっと、失礼します!」
お辞儀をして、中に入っていくレン。ナッツとレックスも、そくささと中に入る。中は暑くも寒くもない。
「何あれ?」
突如ナッツが、石版があるところに向かう。レンとレックスも、石版を見に行く。
石版には、このような字が彫られてあった。



『この村には、異様なほど
ころし屋がいる。村の壁
 はほぼ血で赤く染まり、まるで
どう猛な魔神が襲った悲劇の
 ことうのようだ。』



「んだこれ?」
レンが腕組みをする。
「これって、なぞなぞかな?」
レックスが呟く。ナッツはぐったりしている。
レンは顔をしかめ、考え始めた。

Re: 【合作】極炎の惑星 ( No.14 )
日時: 2017/05/06 14:34
名前: 四季 ◆7ago4vfbe2 (ID: OSKsdtHY)

「お久しぶりです、師匠」
 凜がいつになく丁寧に礼儀正しく言うと、師匠は満足そうに頷いた。
(この人が凜の師匠なの……?何もしてないのに凄さがひしひし伝わってくるの)
 千紗季は師匠の出すただならぬ空気に圧倒される。今までに感じたことのない凄さだったからだ。
「ちょうどわしも会いたかったところじゃ。凜、お前に……」
 凜も、その後ろにいる千紗季も、身構える。

「先週買ったアニメのDVDを見せたいんじゃ!!」

 ……長い沈黙があった。
「と、突然何を言い出すの?」
 だいぶ時間が経ってから千紗季が口を開いた。
「いや、じゃからアニメのDVDを一緒に……」
「ふざけるななのっ!」
 機嫌を悪くした千紗季は師匠に向かって飛びかかり激しく攻撃する。しかし、師匠は緩んだ表情のまま、的確に上手くかわした。何度繰り返そうとも同じ結果だった。
「もう!イライラするのっ!」
「無駄じゃ無駄じゃ。ニシシ」
 年老いた容貌からは想像出来ない生意気でふざけた言動をしつつも千紗季の拳を軽く流す。
「いい加減にしろ」
 やがて凜が冷たく制止した。
「それより師匠、今日は聞きたいことがあって来ました。この星を守るために必要という話のテラパールとポイズンパールについてなのですが」
「テラパールにポイズンパール?何じゃそれ」
 師匠はお茶目に笑って首を傾げる。
「ご存知ありませんか」
 凜が真剣な顔で尋ねると、師匠はしばらく首を傾げたまま何やら考えていたが、やがて口を開いた。
「そうじゃそうじゃ!ちょっと待っておれ!」
 そして洞窟の奥へ戻っていってしまう。
「いなくなっちゃったの」
「……しばらく待つぞ」

 待つこと数時間。師匠が洞窟の奥から帰ってきた。
「見つかった見つかった!待たせてすまなかったの!」
 師匠の手には茶色く透き通った球体が握られている。
「テラパールというのはこれではないか?」
「師匠、これは一体どこで手に入れられました?」
「恵美ちゃんに貰った215歳の誕プレじゃ!若かりし頃を思い出すのぉ。楽しかったあの頃!」
 師匠はにやけが止まらない。
「本当は宝物じゃが……可愛い弟子の願いを断るわけにはいかん。凜、お前にあげよう」
「……本当ですか!」
 凜はテラパールを受け取ると珍しく千紗季に目をやる。
「やったな」
 どことなく嬉しそうだ。
「な、何か違和感なの……」
 千紗季はテラパールがあまりに簡単に手に入ってしまったことに困惑している。てっきり、もっと苦労するものと思い込んでいたのだ。
「後はポイズンパールだけか」
 テラパールをまさかの方法で手に入れ、残るはポイズンパールのみ。
「凜、探しにいくのか?」
「はい」
「ならば、わしからちょっぴりプレゼントじゃ!」
 師匠が言った瞬間、洞窟の奥から女性が現れた。綺麗な灰色の髪はショートカットで、赤い瞳をしている。背はそこそこ高く、ミステリアスな雰囲気を持つ女性だ。
「彼女は琥珀。わしの妹の夫の知り合いが初めて海外旅行した時にホテルで隣の部屋じゃったカップルの彼女の方が通っていた太極拳教室の先生が小学生時代に好きだった女の子の叔父が虐められていた陰湿な上司の母親の友人の三回付き合って別れた彼氏が会社を立ち上げる時にお金を借りた知人がよく行く酒屋の主人が昔日本に住んでいた頃に犬の散歩で親しくなった近所のおばさんの孫じゃ!」
 あまりの長さに凜も千紗季も何と返すべきか分からなかった。
「これからお二人を護衛させていただく琥珀といいます。どうぞよろしく」
「彼女は棒術の天才じゃ」
 師匠に見送られ、凜と千紗季、それに琥珀を加えてポイズンパールを探す旅が幕を開けた。

Re: 【合作】極炎の惑星 ( No.15 )
日時: 2017/05/09 17:15
名前: 夜月 ◆p5CHNX570g (ID: mmFLxLPE)

ミコはタオルで髪を拭いている。カイトはミコの本を見ていた。
「この本、地図はないのか・・・?」
カイトがパラパラとめくる。
「あるよ。本当に「バカイト」だね。」
「うるさい!」
ミコが見せたのは、『邪悪の教会』、『聖獣都市』についてのぺ-ジの次のページだった。
『タイナー山』という山の名前が書かれており、地図が筆で書かれ、右に大きなバツ印が書かれている。
説明書きによると・・・
『邪悪の教会』は、山頂にある。『聖獣都市』は巨大な天空都市で、『邪悪の教会』の建物の中に転送装置があるという。
「と、いうことで、レッツゴー!」
ミコが魔で壁を作る。カイトがそれにぶつかり、頭にたんこぶができる。
「時を操る竜のところにいくんでしょ。」
目をつぶると、杖に手を添えた。何かぶつぶつ言っている。
「『空間転送・零』。」
シュンと音がしたと思ったら、ミコとカイトの姿が消えた。

Re: 【合作】極炎の惑星 ( No.16 )
日時: 2017/05/13 19:42
名前: オオミノガ ◆RgF.6MREXo (ID: wSTnsyhj)

「材料の位置まで遠いですね……」

そりゃそうだ。こっから真東に200km程離れているのだ材料集めてたら世界滅んでたってなっても可笑しくない。

「一瞬で移動する方法はありますけどねぇ」
「一応聞いておこう」
「私の足を踏んで下さい」
「抵抗が」
「踏んで下さい」
「お……おう」

おずおずと銀朱の足を踏む。やや嬉しそうな顔をした銀朱が、足を大きく振り上げ俺の身体を大きく飛ばす。その直後彼女も踏み込み大空へ飛ぶ。
たったの数秒程で、目的地へと辿り着く。かなりの身体的疲労はあったが。

「って、その前に死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ」

地面に叩きつけられるその前に銀朱が飛び出し、俺を受け止める。かなり無茶をする奴だ。コレもこの惑星ぶっちぎりの歴代最強の身体能力を保有する彼女だからこそ出来る技だと思う。
因みに身体能力の高い鬼かどうかは、角に捻れや曲がりがないかで判断できる。彼女の角は真っ直ぐでまるで刀のようだ。

Re: 【合作】極炎の惑星 ( No.17 )
日時: 2017/05/17 17:42
名前: クーゲルシュライバー (ID: GfbO1Kzf)

レンは頭の思考回路をひたすら回して考える。
(まず、漢字変換出来るところをしていない、というのが引っ掛かる。『殺し』とか『孤島』とかだな。
それと、中途半端なところで改行してある。読みにくいだろ!でも、これと答えには何か関係が...って、ああ、そういうことか!簡単じゃねえか!)
レンがポン、と手を叩いた。
「なんかあったの~...?」
レンの突然の動作に、グデグデとナッツがレンのところへとやって来る。レックスも、レンへ視線を向けた。
「この暗号の意味、わかったぜ!」
レンは少し間をとると、解説を始めた。
「まず、漢字にできるところを漢字にしなかった、っていうのが一番引っ掛かるんだ。それに、改行するところを間違えてるし...」
「ああ、確かに」
レックスもうなずく。
「そこで、視点を変えてみる。これは『縦読み』すれば意味が通じると思うんだ」
それを聞いて、二人も気がついたようだ。
「縦読みすると、『ここはどこ』になる。ここは灼熱の祠。だがら答えは灼熱の祠だ!」
レンがニッコリと笑った。
そのときだ。

ゴッ!

「いったぁああ!」
何かがナッツの頭に命中した。
「なんだ、これ?」
痛がるナッツを無視し、レックスが拾い上げたのは、赤い光を静かに放つパールだった。
「間違いねぇ、これが『ファイアパール』だ!」
レンがヒャッホイ!と飛び上がる。
こうして、三人は一つ目のパールを手にいれたのだった。



がちゃり...
沈黙が流れていた部屋に、扉をあける音が響き渡る。
「...ねぇ、姉さん」
部屋に入ってきた少年が、蒼いドレスで身を染めた女に問いかける。
「何?」
機械のような響きだ。
「この計画が...アイスウェイトのためになるんだね?」
少年の声は、独特だ。
「...そうよ。だからアイスウェイトを救うためにも、協力してちょうだい」
女が時間をおいて、吐き捨てた。
少年は安心したのか、ニヤリと女の前で笑ってみせた。

Re: 【合作】極炎の惑星 ( No.18 )
日時: 2017/05/18 01:31
名前: 四季 ◆7ago4vfbe2 (ID: 4mXaqJWJ)

 テラパールを手に入れ、次にポイズンパールを探すことになった凛と千紗季。師匠から借りた棒術が得意な護衛・琥珀も仲間に加え、一行は歩み出す。

「……って、ポイズンパールがどこにあるか知ってるのーっ!?」
 千紗季が大きな声をあげた。 探すと言っても在り処すら分からないのにどうしろと言うのか。すっかり膠着状態だ。
「千紗季様、落ち着いて下さい。無闇に騒がれては余計に物事が進まなくなりますよ」
 琥珀は淡々とした口調だが、どこか嫌味な言葉を発する。
「うるさいの!琥珀は黙っててなのっ!」
 相変わらず語尾のバリエーションが少ない千紗季である。
「凛様、貴方は一体何を?」
 彼は地面に座って無言で目を閉じている。端から見れば眠っているように見えるのだがそれは違うのだ。
「……瞑想をしている」
 凛はいつも精神統一をする。それは最早、修行と呼ぶより、趣味や癖の域である。
「それより琥珀、ポイズンパールについて何か知っていることは?」
「確実な在り処は分かりません。ただ、パールはその名と関係のある場所で発見されることが多いとか」
「へーっ!琥珀物知りなの!じゃあじゃあ、ポイズンパールだからー……えーっと、ポイズンだからー……海の神様!!」
 あまり博識でない千紗季の脳から予想外の答えが導き出された。
「それはポセイドンでは?」
 琥珀は白けた顔で返す。
「千紗季、お前はもういい。黙っていろ」
「なっ!千紗季が折角一生懸命考えたのよ!それなのにどうしてなの!」
「さて、ポイズンといえば毒だろうか。ということはそれに関する場所は……」
 凛は憤慨する千紗季の訴えを完全に聞き流す。
「「東の沼!」」
 そう同時に言ったのは凛と琥珀だった。仲間になったばかりとは思えぬ揃いぶり。
「東の沼?どこなの?」
 怒って騒いでいた千紗季だったが急にきょとんとする。
「そうとなればさっさと行きましょう。善は急げです!」
「あぁ。行くぞ、千紗季」
 琥珀が最初に洞窟から出ていってしまう。それを追うように凛も歩き出す。
「ふ、ふぇぇ!凛、待つのーっ!!置いていくななのーっ!!」

Re: 【合作】極炎の惑星 ( No.19 )
日時: 2017/06/21 16:35
名前: 夜月 ◆p5CHNX570g (ID: 6cIiBe7I)

シュン
「はい、着いたよ。」
目をあけると、そこは恐ろしく不気味な森だった。
「うわ!・・・ここが竜の森?」
「そーだよ。」
ミコは驚くほど落ち着いている。
「早くいこ。」
それだけ言うと、ズンズン奥へと進んでいく。
カイトは双剣を取り出すと、ミコについていった。

~二時間後~

ミコとカイトは深い深呼吸をした。

「こんにちは。時を司る竜さん。」
『やあ。久しぶりだね。ミコ、それにカイト。』
カイトはとても驚いていた。自分の名前を言ったこと、ミコと知り合いということを。
『そんなに驚くことではない。お前たちが、9歳ぐらいのときか。ミコが失踪する事件があったじゃろう?』
この竜を、仮に時竜と呼ぶことにしよう。時竜が目を閉じながら喋る。
『そのとき、出会ったのじゃ。ミコにな。』
「・・・昔の話はもういいって。」
『それもそうじゃな。ではその話に戻ろう。で、聖獣都市にいくのじゃろ?』
まるで心のなかを覗かれたような気分になるカイト。
『先ほど時代を見ただけじゃ。心のなかは覗けん。』
・・・顔まで読まれてしまった。
『あそこの聖獣とは長い付き合いでのう。かけあってみるわい。ついでに、ほれ!』
カイトの目の前に光輝く何かが現れる。
それをうけとると、姿を変えた。それは地図だった。
『聖獣都市の正確な地図じゃ。持って行きな!』
「じゃあね。」
時竜がニッコリと笑ったように見えた。
「じゃあ、一気にいくよ。」
「ああ。」
ミコは目を閉じながらブツブツと唱えている。
「『空間転送・零。』」
来たときと同じようにミコとカイトの姿が消えた。

ミコの魔法は、時竜星に伝わる魔法を自分なりに忍術を参考にしアレンジしたものだ。
そのため、誰にも真似できない魔法が出来上がったのだ。

Re: 【合作】極炎の惑星 ( No.20 )
日時: 2017/06/25 09:07
名前: オオミノガ ◆RgF.6MREXo (ID: wSTnsyhj)

「死ぬかと思った」
「安心して下さい。多分殺しはしません。」

幾つか最高品種の魔鉱石を入手しまた同じ方法で村に戻ってくる。利便性は高いがこの方法ヘタレの俺にはほぼ死刑宣告同然だ。

「集めて来たぞー」
「速いですねぇ。これで完成させることができますよぉ〜」

魔鉱石を奪い取る様に俺の手から受け取る。そして、奥の部屋に幾つか道具を持って彼は奥の部屋へと消えた。ガチャガチャという音がした後部屋から魔法石をはめ込んだ腕輪を二つ持って現れる。

「最高傑作ですよぉ〜。この腕輪は自然エネルギーを魔力に変換する事が可能なのですぅ。そして変換した魔力を銀朱さんに送り込めば銀朱さんパワーアップの上にノーダメージでパールを取りにいけるのです」
「おう、ありがとな」
「また来てくだいねぇ、我が友人達よぉ」

そそくさと家から退出し、腕輪を二人ではめる。銀朱は笑顔で足を出してくる。

「あの銀朱さん。これはどういう風の吹き回しですか?」
「えっ、さっきと同じ方法で移動しないんですか?」

渋々足を踏むと、先程と同じように足を振り上げ、俺を飛ばす。

Re: 【合作】極炎の惑星 ( No.21 )
日時: 2017/07/23 15:18
名前: クーゲルシュライバー (ID: GfbO1Kzf)

一つ目のパール、ファイアパールを手に入れたレン達一行。残るはヒートパール、ライトパールだ。

アイスウェイトは、今でも雪がしんしんと、音をたてずに降り続けている。
その風景を、少年──ドヤガ王──はただ見ているだけだ。
──姉さんは、何か変わってしまった...。
いつも笑顔で優しかった姉。女王として、国を大切にしていた姉。そして何より、氷と雪を愛していた姉。
今は違う。
顔はいつも無表情になり、大切にしていた国の人々を奴隷として働かせている。おまけに、全てを炎で焼きつくそうと叫んでは嗤っている。
外では、寒いに関わらず、国民が寒そうな服を着て働いている。出ていこうにも、姉が壁を造り、出ていけないのだ。
何かしてやりたい。
そこで、ドヤガ王はあることを思いついた。そして、ニヤリと笑った。

───自分が姉を殺せばいいのではないか。

「よっしゃあ、二つ目のパール探すぞー!」
レンらは何も知らず、二つ目のパールを探している。

Re: 【合作】極炎の惑星 ( No.22 )
日時: 2017/07/24 18:10
名前: 四季 ◆7ago4vfbe2 (ID: Dbh764Xm)

 凛と千紗季、そして琥珀。三人はポイズンパールを手に入れるべく、遠く離れた東の沼へ向かった。噂で聞くには、ここから東の沼までは徒歩で数時間かかるらしい。だからといって諦める三人ではない。

 この星でもかなり上位に入る高さの山を越え、渓谷を歩き、虫だらけの森に入っても進み続けた。凛と琥珀が先を行き、その後ろを千紗季が愚痴を言いながら歩く。ちょうどその頃、雨が降ってきて湿度が上昇し、千紗季の機嫌はますます悪くなっていったが、二人はまったく気にしなかった。
「も……もう疲れたの……。いつまで歩くのー!」
「静かにしろ、千紗季。東の沼にはもうすぐ着く」
「こんなの面白くないのよ!」
「遊びではない。これは正真正銘の修行だ。面白いからしているのではない」
 淡々と歩き続ける凛は、冷淡にそう言い放った。
「ぶーっ!嫌なやつなのー!」
 千紗季は頬をぱんぱんに膨らませて不満を吐き出す。
 それからまたしばらく歩いた後、琥珀が急に立ち止まり言った。
「着きました」
 緑に覆われた沼だった。東の沼にようやく着いたようだ。苔のような色でドロッとしていそうな液体が溜まっていてとても不気味。
「うえぇ……キモいの……」
 千紗季は不潔そうな沼を見てうんざり顔。幼い頃から比較的いい暮らしをしてきた彼女は、汚いものが苦手なのだろう。
「ここにポイズンパールがあるんだな。……よし。沼の中を探すぞ」
 凛は覚悟を決めたように言い沼の中へ入っていく。
「千紗季も探せ」
 腰まで汚そうな液体に浸かった凛が千紗季を呼んだ。
「ふえぇ!?千紗季は嫌なの!入りたくないの!絶対に絶対に嫌なのーーっ!!」
「案ずるな。この沼の毒素は体内に取り込まない限り無害だそうだ」
「そういう問題じゃないのーっ!」
 涙目になりながら必死で拒む千紗季に琥珀が声をかける。
「大丈夫、二人で探します。千紗季様、貴女は、どこかにヒントがないか辺りを探して下さい」
「琥珀なんかに指示されるのは嫌なの!」
 わがままな千紗季はあまり好きでない琥珀には従おうとしない。
「なら沼の中を探せ」
 わがままばかり言う彼女を鋭い目つきで睨む凛。
「ひ、ヒント探しするの……」
 沼に入ることだけは避けたい千紗季は仕方なく辺りを見回しだした。

Re: 【合作】極炎の惑星 ( No.23 )
日時: 2017/07/25 15:45
名前: 夜月 ◆p5CHNX570g (ID: TdwH/e73)

「…。ここどこ?」
「邪悪な教会。」
「え。ええええー!?」
「地図見たから飛んだ。」
「『飛んだ。』じゃねーよ!」
「先行くよ。」
「おい待てー!!」
ミコとカイトがいるのは邪悪な教会。そう、イビルパールがあるというところだ。
ここにあるというのだが、今のところ見つかっていない。
「つーかなんだここ。人、一人居ないじゃないか。しかもボロボロだし。」
「…うるさい。」
「あの地図見せろ。あのー、邪悪な教会全体の地図。」
ミコはしばらくごそごそとカバンの中をあさり、ようやく地図を取り出した。
「はい。」
地図を広げる。
「……あった。ここだ。」
「え?」
「こっちだ!」


「教会っていうことは聖堂がある。俺はそこにあるんじゃないかと思ったわけだけど……ビンゴだ!」
「すごいね。」
聖堂の真ん中に立てられた女の人の像。その手の中にイビルパールはあった。
「で、どうやって取るの?」
「登ったらとれるか。」
「待って。『聖なる者が手を触れるとたちまち玉は砕けてしまう』らしいよ。」
「じゃあどうするんだ?このままだと取れないぞ。」
「こう取るの。『影の腕・拾』!」
ミコの呪文で生みだされた黒いモンスター?はイビルパールを難なくとってきた。
「はい、イビルパール。」
イビルパールは片手で持てるサイズで紫色の玉だった。
俺はそれを丁寧にカバンにしまう。


もう一回取り出す。
「やったぁぁぁぁぁぁ!!」
二人だけの教会に、俺の叫びがこだました。