コメディ・ライト小説(新)

Re: 罪恋***好きでいてもいいですか?*** ( No.30 )
日時: 2018/01/28 06:42
名前: Aika (ID: 5ySyUGFj)

Episode23:通じ合う想い。





――――『俺は…ずっとガキの頃からお前が好きだから』


信じられなくて…聞き間違いかと思った。
だって…あの裕樹さんがわたしなんかを好きなわけないって心のどこかで感じてたから―――。


「―――嘘、でしょ?」


震える声でそう聞くと。
真剣な表情ですぐに裕樹さんは答える。


「―――嘘じゃねーよ。あのとき…勉強教えた日、あっただろ?」

勉強教えた日っていうと。
あれか。…中間テスト前に、裕樹さんと二人っきりで教えてもらった日だ。

「あのとき…桜と二人っきりでいて、すげー緊張してたし…そのせいで不意に手が触れた瞬間びっくりして、さ。あんな態度になっちまったけど」

え―――?
裕樹さんがわたしと二人っきりで緊張してた?
なんか、信じられない―――。

と、いうか。
わたしも今、突然告白されてめっちゃドキドキしてるのですが。


「―――避けてて…ごめん。俺さ、先生っていう立場なのに…お前に振り向いてもらいたいとか、欲張りな事ばっか考えてて…だから、その…気持ちの整理をしたくてお前をなんとなく、避けてた」

裕樹さんの言っていることは何となくわたしにだって分かる。
きっと、裕樹さんには
先生なのに…生徒に手を出しちゃいけないって気持ちがあるから―――。
だから。
きっと、わたしのことを避けてた―――。



「ううん!そんなの、いいよ。謝らなくて」

わたしは、首を横にふって。
笑って答える。
よかった、嫌われてたとかじゃなくて。
それだけで、わたしは安心していた。

「でも、なんで今…告白する気になったの?」

気になっていたことを質問してみると。
裕樹さんは、恥ずかしいのか顔を横に背けながら答えた。

「そんなもん…お前が智也に告白されたとか言うから…それでアイツにとられるって思ったら…なんか、焦っちまって―――」
「なるほど、ね」

初めて聞く裕樹さんの本心は。
とても新鮮で―――。

わたしなんかよりも、ずっと大人だと思ってたのに意外と子供っぽいところもあって。
なんか、 可愛い…かも。

わたしがクスッと笑うと。

「何笑ってんだよ、お前!」

赤い顔で怒る裕樹さん。
むきになってるところも可愛いな―――。
わたしは、笑いをこらえながら答える。

「いやいや、可愛いなーって思っただけ!」
「なんでだよ!つーか、可愛いとか言われても嬉しくねぇんだけど!」
「ごめんごめん」
「それで…桜は、俺のことどう思ってんの?」

不意に、 真剣な瞳でわたしを覗きこみながらそう聞く裕樹さんにまた、鼓動が高鳴る。
その顔で聞くのは反則だよ―――。



「―――わたしも…ずっと裕樹さんが好きだよ」




その言葉に目を見開く裕樹さん―――。






「え?…マジ?」
「気づかなかったの?」
「いやいや!まったく!」

わたしは、その反応にため息をついた。

「裕樹さん…モテるくせに鈍すぎ」
「いやいや!お前に言われたくないんですけど!」

うっ…まぁ、たしかに智也の気持ちにも気づいてなかったし、裕樹さんの気持ちにも気づけなかったわけだから反論はできないけど!


「まぁ、いいや。じゃあそういうわけだから、これから俺らは幼馴染みじゃなくて…恋人同士だな!」

恋人って―――。
その言葉に赤面してしまった。

「なに、照れてるんだよ」
「ばっ!照れてないし!」


からかわれてる。わたし、絶対からかわれてる。
裕樹さんは楽しそうに笑いながらわたしの方を振りかえって口を開く。



「これからよろしくな!」
「こ…こちらこそ」





こうして、わたしと先生の…秘密の交際が始まろうとしていた。