コメディ・ライト小説(新)
- Re: 罪恋***好きでいてもいいですか?*** ( No.32 )
- 日時: 2018/02/10 19:15
- 名前: Aika (ID: RJ0P0aGF)
Episode25:春の木漏れ日の中で。
***裕樹 side***
好きになってはいけない人を好きになった。
この気持ちに気づいたのは、 まだ俺が教師になったばかりのことだった―――。
「桜っ!オッス!」
「あ!智也じゃん!おはよ~」
「昨日のお笑いみた?」
「みたみた!超笑ったわ~!」
笑顔でクラスの男子と話す幼馴染みの姿を見て。
なんとなく、もやっとしたり。
「何それ!ウケるんですけど!」
「うっせー!笑うなよ桜!」
自分以外の男子に笑顔を向けている姿を見て。
少しイラついたり。
「桜!髪にゴミついてるぞ」
「え!どこどこ~?」
「あー…取ってやるからじっとしてて」
自分以外の男子が桜に触れているのをみて…。
胸が痛んだり。
最初は桜は、 幼馴染みであり自分にとって妹みたいな存在だから。
だから、 深い意味はないって…そう思ってた。
けど―――。
「あっ!裕樹さん!仕事、慣れました?」
朝とか。
家が隣で、 バッタリ会ったとき。
なぜか、 顔を見ただけですげぇ嬉しくなって。
鼓動も早くなって―――。
「―――まぁな。なんとかやってるよ」
「残業とかないの?」
「たまにな~」
「社会人は、やっぱり大変ですな~」
何気ない会話だけど。
いま、隣を歩いていることに嬉しく感じて―――。
「あっ!先生!ちょい、じっとしてて」
「ん?」
そう言って、 桜が俺のスーツの肩の部分に触れて。
「桜の花びら、ついてたよ」
そう言って、 俺に花びらをヒラヒラと見せた。
触れただけなのに。
なぜか、 俺はドキドキしっぱなしで。
「?どうかした?」
桜も黙ったままの俺が不自然に見えたのか。
首をかしげながら、こちらを覗き混んでいた。
俺はハッとして。
言葉を返す。
「なんでもねぇよ。…取ってくれてサンキュー…」
「うんっ!」
ニコッと笑った瞬間。
桜の木々が風で揺れた―――。
春の木漏れ日みたいな暖かい笑顔をみて。
俺は気づいてしまった―――。
―――桜が…好きだってことに。