コメディ・ライト小説(新)
- Re: 罪恋***好きでいてもいいですか?*** ( No.42 )
- 日時: 2018/04/02 14:42
- 名前: Aika (ID: tcaX5Vvk)
Episode31:想いは1つに――。
裕樹さんの付き合ってた女の人は、わたしなんかよりも大人っぽくて、 美人で、 綺麗な人だった―――。
あんなに素敵な人をフッて、 わたしを選んでくれたことがとても信じられなくて―――。
夢みたいだった。
「―――先生…ほんとに、 わたしなんかでよかったの?」
裕樹さんは、 ため息をついてから
わたしの質問に答える。
「―――さっきから何回目だよ、 それ」
「だだだっ…だって、やっぱり信じられなくて…わたし、絶対に裕樹さんと釣り合ってないし」
「そんなことねーよ。…釣り合ってないのは、俺の方だし」
「―――え?」
不意に裕樹さんが、 切ない目で…そう言う。
なんで…そんな顔、 してるの?
「―――お前こそ…俺でいいの?」
「えっ…」
「俺なんかよりも…長谷部とか年の近い奴の方がいいんじゃ―――」
「そんなことないっ!!」
自分でもビックリするぐらい。
大きな声が出た。
その声に裕樹さんも驚いたみたいで。
言葉を失っている。
―――裕樹さんは…分かってない。
わたしが、 今までどんな想いで。
裕樹さんが他の女子生徒と話しているのをみて。
どれほど、 悲しくて、 切なくて、 もどかしい気持ちになっていたのか。
どれほど、 嫉妬していたのか。
どれほど…貴方の隣に行きたいと思っていたのか―――。
きっと、 知らないでしょう?
「―――他の誰かなんてあり得ない。わたしは、裕樹さんじゃないと駄目なの!代わりなんてない…」
「―――桜…」
涙ぐみながら、 自分の気持ちを吐き出すと。
裕樹さんがわたしの名前を優しく呼んで。
ぎゅっと、 抱き締めてくれた。
「―――俺も…同じだよ」
暖かいぬくもりのなかで。
裕樹さんは、 そっと耳元でささやいた。
「―――俺も…桜以外とかありえねぇから」
その言葉が響いて。
不安でいっぱいだった気持ちが一瞬で消えた。
「お前しか…見えてない」
そして。
お互いに気持ちを確かめ合うように。
そっと、 唇が重なって。
二つの影が…そっと一つに重なった―――。