コメディ・ライト小説(新)
- Re: 罪恋***好きでいてもいいですか?*** ( No.51 )
- 日時: 2018/08/26 20:40
- 名前: Aika (ID: aVnYacR3)
Episode38:加速する恋心。
*志穂 side*
夜空に大輪の花びらが咲くなかで。
あたしは、 最近になって気づいて…秘めていた感情を口にした。
智也が、 ずっと桜が好きで…フラれたことも知っていて…それでも、まだ諦められないことだって分かっている。
なのに。
あたしは、 何故か頭では分かっているのに
その思いとは裏腹に気持ちを言葉にしてしまっていた―――。
智也はその場に立ち尽くしたまま…あたしのことを真っ直ぐな視線で見つめていた。
「―――本気?」
か細い声でそう聞く智也に。
あたしは、ゆっくりと頷いた。
「冗談で…こんなこと、言うわけないじゃん」
「だよな。…お前はそうだよな」
小さく笑う智也の顔はなんだか、複雑そうだった―――。
あたしは、智也を困らせてしまうって分かってても…言わずにはいられなくて。
さらに、言葉を並べた。
「―――あたしじゃ…駄目かな?桜の代わりにはなれない?」
すがりつくように、そう聞くと。
智也は顔をあたしから背けて。
ゆっくりと口を開いた―――。
「―――ごめん。俺は…志穂のことはそういう風には見られない」
頭に石が落ちてきたみたいな、そんな感覚だった。
わかってはいたことなのに。
いざ、 目の前でそうやってはっきりと言われると。やっぱり、辛かった―――。
瞳から大粒の雨が流れ落ちる。
「―――そっか…変なこと、言ってごめんね」
震える声でそう言って…。
あたしは、智也から逃げるように走り去る。
正直…智也の顔を見るのが辛くて限界だった。
「おいっ!志穂っ!」
追いかけようとする、智也をあたしは大きな声で。
「来ないでっ!!」
ひとこと、そう言ってしまった。
智也は立ち止まる…。
あたしは、 智也に背を向けたまま…
口を開いた。
「―――いまは1人になりたい」
それだけ言うと。
智也はそれ以上はなにも言わず。
「―――わかった」
それだけ、 言い残してあたしを置き去りにして去っていく。
しばらく、1人でいると。
スマホが鳴って。
開くと、 智也からLINEが入っていた―――。
『―――俺、 鳥居の前で待ってるから落ち着いたら戻ってきて』
その優しさに。
また、 涙がこぼれ落ちた。
駄目だって分かってても…
フラれても…
智也がまだ、 桜を好きだとしても…
やっぱり、 智也が好きだ―――。
そんな風に思ってしまった―――。