コメディ・ライト小説(新)
- Re: 罪恋***好きでいてもいいですか?*** ( No.62 )
- 日時: 2020/08/17 20:46
- 名前: Aika (ID: XWWipvtL)
Episode49:2つの宝物。
貴方と想いを確かめ合ったあの日。
ずっと、 こんな幸せな日々が続くものなんだと思っていた。
貴方の隣には、ずっとわたしがいる。
そんな未来を思い描いていたのにーーーー。
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2人には嘘をつけなかったわたしは。
さっき、先輩に言われたことを一部始終嘘偽りなく話した。
「それでさ…わたし、どうしたらいいか分かんなくなっちゃって…さっきは気付いたら泣いてたんだ」
そう話し終えた途端。
志穂は、鬼のような形相になっていて思わず、ギョッとしてしまった。
「何その女。めっちゃ腹立つんだけど。一発殴ってきていい?いいよね?」
先輩のもとへ行こうとする志穂を羽交い締めにして全力で止める。
「抑えて志穂ー!暴力はまずいって!下手したら停学処分とかになっちゃうから〜」
「っ…でもさ…悪いのは明らか向こうじゃん。なのに」
「でも…殴るのは良くないよ。それに、あんまり大事になって噂になるのも返って裕樹さんに迷惑かけちゃうし」
なだめるようにそう言うと。
「まぁ…それもそうか」
志穂は…小さくそう呟いて
渋々といった感じで先輩の教室へ行こうとしていた歩を止めた。
「てか、智也!あんたは、さっきから黙ったままだけどどうなの!?今の聞いて何とも思わんの!??」
言われてみれば…智也はさっきからずっとだんまりでーーーー。
表情も真顔で。何を考えてるのかよくわからない感じだ。
すると、閉じていた口が開いた。
「どうって…」
少し…困ったような言い方だ。
複雑そうな何とも言えないような表情になっている。
それから、一呼吸置いた後。
ため息を吐いて…それから智也は続きの言葉を紡いだ。
「ーーーーまぁ、 本音を言えば… 俺は2人には別れてほしいって思ってる」
何となく… 予想していたひとことだった。
だって、 智也はーーーーー。
「別れて…それで、俺の所に来ればいいのに。そしたら、本当に大切にするしアイツみたいに泣かせたりしないのにって、何回だって同じこと思ってる。でもさ…」
切なげな瞳でわたしを見つめる智也に。
鼓動が波打つ。
「こんな形で2人が別れて欲しくないって思ってる自分もいるんだよな」
優しげな目で…智也は、微笑んだ。
「やっぱり…桜には本当に好きな奴と幸せになってほしい。だから、相田と別れるなんて選択はしないでほしい」
「でも…別れないと、裕樹さんが」
「だから、さ。別れないで済む策をみんなで考えようぜ。お前は…1人じゃないんだからさ」
志穂に、目をやると。
賛成〜っといった感じで明るい表情をしていた。
わたしは、2人の優しさにまた涙がこぼれて。
「2人とも…ありがとう」
瞬間。わたしは…
心の底から2人がいてくれて、本当に良かったと思ったんだ。