コメディ・ライト小説(新)

一章 新たなる伝説の開幕 ( No.2 )
日時: 2017/04/24 17:02
名前: クーゲルシュライバー (ID: GfbO1Kzf)

ある日のこと。
レン達は王国ミカエルの王、テスタに呼ばれていた。
頼み事は、物資の調達。調達場所は王国ラファエルだ。
ラファエルは少し前に敵国に攻められ、友好国のミカエルに助けを求めている。それを知ったテスタはレン、ナッツ、レックスに水や食料などの調達を頼んだのだ。
「え~、めんどくさい~」
ナッツがワガママを言いだした。
「ナッツは行かなくていいよ。邪魔だし、役立たずだし、世話が面倒だし」
「その言葉、聞き捨てならないわね!」
レンの言葉に怒りながら立ち上がるナッツ。
「いいわよ、行ってやろうじゃないの!吟遊詩人に不可能は無し!」
ナッツの言葉を、レンとレックス、テスタは完全無視。
「ラファエルは戦がまだ相次いでいる。気をつけて行ってこい」
テスタの威厳がその一言に混じりあっている。レンとナッツ、レックスはうなずくと、王室を出ていった。

「中のオレンジジュース、飲んでいいかな~?」
「だめに決まってるでしょ」
レンがこっそりと小箱を開けようとするところを、ナッツが鋭い視線で睨む。
「そ、そんなぁ~...。じゃあ、ルナ呼んでよ」
「ハイハイ。...ルナー!おいでー!」
ナッツが空に向かって、惑星竜の子供、ルナを呼ぶ。
すると、空から青く染まり、角の周りに月や太陽がグルグル回った子竜が降りてきた。
「ルナ、ラファエルに送ってくれる?」
ナッツがルナに言う。ルナはコクリとうなずくと、レン達を乗せて、空に羽ばたいた。

「うーん、やっぱりつまんないな~...」
レン達が消え去る姿を見て、城門にいた女騎士が呟く。
「やっぱり、ここもこうしてっと...」
女騎士は、手に持っていた本にペンで何かを書き出す。
「...よし、これでどうなるかな~?」
女騎士はにっこりと、兜の影の奥で笑った。

一章 新たなる伝説の開幕 ( No.3 )
日時: 2017/04/24 17:01
名前: クーゲルシュライバー (ID: GfbO1Kzf)

「うん、やっぱり大仕事の後のレモンティーは最高だな!」
レンがクロワッサンとレモンティーを両手に持ちながら言う。
今さっき、レン達は王国ラファエルに到着した。飛び散る弓矢、飛びかかる剣を必死に避け、三人は王国ラファエルの国王アイナに届けることが出来た。
アイナは少量ながら、名物のレモンティーとチョコレート入りのクロワッサンをくれたのだ。
レンらはそのクロワッサンとレモンティーの美味しさに、感心しているばかりだ。
「こんなに美味しいものはアイマックスの隅をいくら探しても見つからないわ!」
ナッツがクロワッサンを一気にほおばる。その顔は、もう喜びのあまり昇天しそうになっている。
「うん、僕の口にも合う甘さだよ」
レックスが静かに口を開く。レンはハハハと笑いながら、
「お前にもわかるかぁ~」
と喜んでいる。
しかし...。

ザッザッザッザ...

何かが草木から近づいて来ている。
「ん?なんか、誰かが近づいて来てない?」
ナッツがティーのストローから口を放す。レン達も、クロワッサンを食べようとした手を止め、音を聞く。
その瞬間。
そいつがバサッと出てきた。
「うわわっ!」
驚きのあまり後ずさるレン達。しかし我に返り、彼の姿をサラリと見る。
鎧に大鎌、キッチリした身体...。見た目は人間だ。しかし、何かが足りない。
しばらくして、三人は大声を上げた。

「く、首が無いだとぉおおおぉ!?」

一章 新たなる伝説の開幕 ( No.4 )
日時: 2017/04/24 17:00
名前: クーゲルシュライバー (ID: GfbO1Kzf)

レンらの前に突如現れた謎の騎士。しかし、それは首がついているはずのところについていなかった。
「あ、あわわ...」
唐突な出来事に、パニック状態に陥るレン達。ナッツなんて顔が青く染まり、失神寸前になっている。
すると、騎士が恐るおそる、ゆっくりと口を開いた。

「俺と一戦してくれないか?」

「...は?」
三人は驚きのあまりに、口をポカーンと開ける。
「...いやいやいや、何ですか?」
ナッツはその依頼を完全拒否。さっきのようなふわふわムードとは、もうおさらばだ。
「えっと...聞こえなかったか?もう一回説明すっか?」
騎士はう~んと唸っている。
「いやいや、もう説明はいらないのよ。けど、私達は調達の帰り途中でして...。ここで時間を使ってると王に怒られ─────」
「いいでしょう」
話している途中のナッツを止め、レンがキリッとした声で断言する。
「ちょっと...レン、父上に怒られちゃうよ!」
レックスが困った顔をする。しかしレンは
「いいのいいの、たかが一戦ぐらい、王も許してくれるでしょ」
と能天気なことを言うばかりだ。
「よし、感謝する!」
事情も知らない騎士は大喜び。その姿を見て、ナッツもレックスも、いい加減諦めることにした。
レンは騎士の姿を、青く輝く瞳で見つめる。そして、ゆっくりと剣を構えた。

一章 新たなる伝説の開幕 ( No.5 )
日時: 2017/05/04 15:08
名前: クーゲルシュライバー (ID: GfbO1Kzf)

レンが剣を構えたと同時に、騎士も持っていた大鎌の刃をレンに向ける。
そして、
「いざ!」
二人が、異口同音に言った。

レンは聖剣・エクスカリバーの刃先と共に、騎士に向かって走り出す。
「オレの剣の乱撃、避けてみろ!」
レンがそう言うと、剣をブンブン振り回す。その神速とも言えるほどの乱撃を、騎士は素早く避けていく。
「やるな!」
騎士の速さに感心するレン。
「でもな、まだまだだぜ!アイアンクラッシュ!」
そう言ってニヤリと笑うと、レンは騎士の大鎌の先を狙い、剣を振るった。
大鎌の先は、騎士の背後の草にグサリと刺さった。
「流石、俺の挑戦を喜んで受け取った者なだけある!だが俺は団長、ここでひるむようなやつではない!!」
騎士はそう言い、大鎌をブーメランのようにレンに向かって投げつける。
レンはその斬撃をまともに喰らい、後ろに吹っ飛ばされた。
「ぐっ...!」
立ち上がろうとするレンだったが、騎士に大鎌で首をさえぎられ、動けない。
さらに吹っ飛ばされたときにとられたのであろう、エクスカリバーが彼の片手に握られていた。
「レン!」
ナッツとレックスが叫ぶ。もう、レンは確実に負けてしまうだろう。
すると、騎士が「ハッハッハ!」と大笑いし、大鎌をレンの首からそっと放した。
「...はい?」
レンの目が点になる。
「お前の腕、味わさせてもらった!」
そう言い、騎士はエクスカリバーをレンの傍らに置いた。

Re: レンと仲間の亡霊騎士団 ( No.6 )
日時: 2017/05/04 16:05
名前: 白霜文月 (ID: 5J6ISP0V)

すごく楽しく読ませていただきました!僕の小説もファンタジー系なので読んでみて下さいね♪
参考になりました!僕、初心者なので(汗)

Re: レンと仲間の亡霊騎士団 ( No.7 )
日時: 2017/05/05 13:02
名前: クーゲルシュライバー (ID: 9RGzBqtH)

>>6
おお、こんな駄作を読んでいただきありがとうございましたんばりん!(←キチガイ)
文月さんのも、読ませていただきます!

Re: レンと仲間の亡霊騎士団 ( No.8 )
日時: 2017/05/05 16:12
名前: 白霜文月 (ID: 5J6ISP0V)

ありがとうございます!と言ってもボクのはまだプロローグと設定、キャラ説しか書いて無いんですけどね(汗)w

Re: レンと仲間の亡霊騎士団 ( No.9 )
日時: 2017/05/05 18:05
名前: クーゲルシュライバー (ID: KG6j5ysh)

>>8
ww
けど、準備が万全なのはいいことですよん!

Re: レンと仲間の亡霊騎士団 ( No.10 )
日時: 2017/05/05 23:52
名前: 白霜文月 (ID: 5J6ISP0V)

そうですねwよかったら、これからも仲良くして頂けませんか?ちなみに第一話追加しました。よろしければこちらも読んで下さい\('_')/

Re: レンと仲間の亡霊騎士団 ( No.11 )
日時: 2017/05/06 18:11
名前: クーゲルシュライバー (ID: GfbO1Kzf)

>>10
大歓迎です!一話も読ませていただきます!

一章 新たなる伝説の開幕 ( No.13 )
日時: 2017/05/08 19:55
名前: クーゲルシュライバー (ID: GfbO1Kzf)

「???」
レンは頭を必死に働かせている。
「お前のその動きと精神なら、俺達の騎士団に来る資格がある!」
騎士はそう言う。その言葉に三人は
「は?」
と顔をしかめる。そんなことも気にせず、騎士は突然変なことを言い始めた。

「どうか、俺らの騎士団員になってくれ!」

「へ?」
レンらは、驚きに支配され、目が点になる。
「いやいやいや、一戦したあとに団員になれ、ですって?願い事を言うにもほどがあるわよ?」
ナッツはやはり、行くのを拒否する。
「知らない人についていっちゃダメだって、本で習ったし。悪いけどそれは無理だよ」
レックスも腕を組んで言う。
「そこを何とか!」
騎士は土下座までしてきた。
「ハッハッハ、いいザマだ。オレの前でずっと土下座をして...」
ドガッ!
「グエッ!」
上から目線のレンに蹴りを仕掛けるレックス。蹴りは見事にレンの膝に命中した。
「...ははは、ご、ごめんなさい」
レックスは笑ってごまかす。
「...で、話は戻すけど」
レンがコホンと咳払いをして言う。
「オレは別にいいと思うぜ。王はそんなに心の狭い人じゃねぇし」
はぁ?と声を合わせるナッツとレックス。
「万が一何してたんだって言われたら、『重傷負っちゃって帰るの遅くなっちゃいました。ごめんなさいね~』って言えば良いんだよ!だからオレは行く」
そこまで言われると、二人もレンを置いて、テクテクと帰る訳にはいかない。
「わかったよ」
ナッツがため息をつく。
騎士は「よし、本当に感謝する!」と言うと、草原を歩き始めた。

一章 新たなる伝説の開幕 ( No.14 )
日時: 2017/05/09 20:20
名前: クーゲルシュライバー (ID: GfbO1Kzf)

騎士を先頭に、レンらは草を踏み潰して、前へと進んで行く。横や後ろには、ミカエルや漁村アテナも見えるが、騎士は目に映すことなく、前へと視線を合わせて歩いていく。
そして、やがてレン達の目の先に立っていたのは...。
「あ、暗黒の樹海ぃいいぃ!?」
レンらが声を合わせた。

暗黒の樹海。
ここどこだよ、と諸君も思っていることであろう。だが、アイマックスにいる人に問いかけると、聞いた者は顔を青ざめさせる。
暗黒の樹海に面白半分で入りこむと何者かに暗殺され、そこから帰還するなどと言うことは夢にも及ばないことだ。

「何を怖がっているのだ?」
騎士が顔をしかめる。その口調には、恐怖に怯えている声ではない。
「こ、こここ、ここに行くのぉ...?」
ナッツが裏返っている声を出す。騎士は平然とうなずくと、そくささと暗黒の樹海に入っていく。
「あ、行くなぁ~~!!」
三人も恐怖に縛られていながらも、騎士の後を追う。

「よし、ここだ!」
騎士が足を止める。
騎士の先には、鎧に身を包み、剣やら斧やら、武装している沢山の亡霊が、レンらに視線を向けた。
「...」
驚きのあまり放心状態になりかねているレン、ナッツ、レックス。
「自己紹介、忘れていたな!」
そんなことはお構い無く、騎士が声を出す。
騎士は咳払いをすると、大鎌をグサッと草の生えた地面に刺した。

「俺はデュラハン。この『亡霊騎士団』の団長だ!」