コメディ・ライト小説(新)
- 珍しく更新早いと思ったそこのあなた。短いですよ、四話。 ( No.6 )
- 日時: 2017/04/26 19:15
- 名前: ラッテ (ID: KE0ZVzN7)
第二章 波乱の宿泊研修
第四話 前夜の出来事
さて、この学校の名前を皆さんは覚えているだろうか?
覚えているわけがない。一回も言ってないのだから。
この学校の名前は、梟高校。この地は梟が有名である。
何故今頃そんな事を言ったのか?決まっている。
とてつもなく暇だからだ。
今私達は学校のグラウンドに整列して座っている。
人の横にはセットでどデカイ荷物が置かれている。
グラウンドに残っているのは私達だけのクラス。
まるで、誰かを待っているかのようだ。
校舎に取り付けられている時計の針は、もうすぐ夜の七時を迎えようとしていた。
まず、一体今どういう状況なのか。
説明するには、この梟高校のおかしい制度から話さなくてはいけない。
そもそも、この学校はゴールデンウィークを潰す様な頭のおかしい学校だ。
そんな学校が宿泊研修をやるとなったら、どうなるだろう。
普通なら、二泊三日で楽しい宿泊研修にするだろう。場所も、そこそこ近い所を選ぶはずだ。
それを何をトチ狂ったか、二泊五日の、東京から沖縄旅行という、まるで夏休みに休暇を取れたお父さんを率いてバカンスへでも行く様なプランだ。
二泊五日と言われてもピンとこないと思うから補足すると、まず今日五月二十二日の夜に東京を出発。五月二十三日から五月二十五日まで沖縄に滞在。五月二十五日の夜に沖縄を出発し、五月二十六日の朝に東京に到着。
どうだろう。 こんな宿泊研修をする学校、うち以外にいるだろうか?
今日は五月二十二日。つまり、東京を出発する日だ。
まずは学校に六時半に集まり、バスに乗って空港へ向かう。そして、八時発の飛行機に乗るのだ。
しかし、今の時刻は七時。一体何が起きているのだろうか。
今この校庭には、本来四十三人いるはずのクラスが、四十一人しか集まっていない。
欠席するという知らせが一人だけ届いている。
その生徒の名は、町野みな。普段おとなしい彼女だが、宿泊研修は体調不良で全日欠席らしい。
では、もう一人は誰なのか。
「もう時間やばいですよ、どうするんですか花街先生?」
学級委員である私は、この学級の担任・花街シゲル先生に聞いた。
ここから空港までは二十分はかかる。どれだけ遅くなっても、七時十分には学校を出なければいけない。
時間は、七時五分を過ぎていた。
「遅刻の連絡もきてないし、家にも連絡つかない。何やってるんだ、あいつは!?」
教師にあいつ呼ばわりされる生徒。
大事な宿泊研修で遅刻の連絡すらよこさない馬鹿な生徒。
そろそろ見当がついたと思う。
「仕方がない。あいつが来たら学校に残っている教師に連れてってもらって、俺たちはもう出よう。ったく、無責任な学級委員め」
須原レイ。彼はいまだに、顔を見せていない。
バスはもう出てしまった。私ももうバスの中だ。
一体どうするつもりなんだ!?あの馬鹿!