コメディ・ライト小説(新)

Re: 勇者育成学校では美少女と本気で戦うようです ( No.7 )
日時: 2017/04/12 20:02
名前: 夏目 織 ◆wXeoWvpbbM (ID: 8ZwPSH9J)
参照: ちほりん→とらじ、澪羽、*織*→夏目 織、リザ、桜里

【▼勇者になるには体力が必要だ】

 俺、七瀬ユウ。超落ちこぼれの中学生だったが、何とか卒業し、 何とかギリギリ親が進める高校に入学した。偏差値とかは全く分からず、学校名からして怪しい雰囲気だったが家に届いた受験票を持ち学校に行って試験をしたらすんなり合格。 

 ──まぁ、試験の内容は今まで学習した内容なんて全くなかったけど。たった十問だったけど。ふざけた内容だったけど。 

 そんな不満を感じながら、俺は見慣れない道を歩く。家から約30分ほど経ったところで、豪華な建物が見えた。場違いと思わせるような校舎に目を奪われながら、校門の前に移動する。
 校門横のプレートには『勇者育成高等学校』と、銀のプレートに黒い文字でしっかりと書いてある。
 セーラー服──恐らくこの学校の制服──を着た少女たちが俺の横を通り抜け てくなか、俺はただただ校門の前で呆然と突っ立っていた。

「ねぇねぇそこの君!」

 明るい声と同時に、後ろから肩を叩かれたので振り向いてみる。

「私と一緒に勇者にならない?」

 ──はい?
 後ろにいたのはピンク色の髪をしたーーアニメに出てくるような顔立ちをした少女だ。 『勇者』と言うフレーズを出し、にっこり笑う。
 ──あ、この人もしかして厨二病? そっか。学校名に便乗してこんなになっちゃったんだね。

「ルルカ。突然そんなこと言っても相手が困るだ けだろう?」
「リミっち……! ──でも、この人勇者の素質有りそうだよ?」

 また後ろから、今度は水色の長い髪を下ろしている長身の少女登場。ルルカ、と呼ばれたさっきの少女同様、はっきり言って美少女だ。
 ーーでも、『勇者の素質』とか、全く意味が分からないんだけど……?

「ま、いいや。──ね、名前は?」
「え。……えーっと、──七瀬ユウ。──って、勇者の素質って 何?」
「ふぅん。私は桜木ルルカ。──勇者の素質…… あれ? 知らないの?」

 名前を聞かれて反射的に答えてしまった。ルルカはそんなの知って当然、とでも言うような顔をして首をかしげる。──知らないの?  っ て、初めて聞いたんですけ ど。 そもそも、『勇者』って言うこと事態アニメや ゲームでしか聞いたことがない。

「そのうち分かるよ。──リミっち! ユウと一 緒に教室行こっ!」

 ルルカは俺の腕を引っ張りながら──水色の髪 の、『リミっち』に向かって歩き出す。

「──私は佐々木リミ。よろしく」
「よろ、しく……?」

 リミっち──リミにそう言われ、戸惑いながら も よろしくと言い、ルルカに振り回されながら転けないようにしっかりと歩いていく。

 ──全く、何なんだよ、この学校は。『勇者育成学校』? 『勇者の素質』? 学校名からふざけてる。新たな厨二病のための学校か?
 ──朝っぱらから意味が分からないし、何故親が ここを進めたのかも意味不明だ。

「ここが『最下位』クラスの教室だよ!」

 考えてるうちに、どうやら目的の場所に到着し た ようだ。 ──ルルカが『最下位クラス』と言いな がら紹介 したのは、ものすごく綺麗な建物。 まるで最下位クラスとは思えない……って、あれ? 俺って、『最下位クラス』なのか?

Re: 勇者育成学校では美少女と本気で戦うようです ( No.8 )
日時: 2016/01/11 14:27
名前: 夏目 織 ◆wXeoWvpbbM (ID: ai5/g0Y4)
参照: ちほりん→とらじ、澪羽、*織*→夏目 織、リザ、桜里

「さ、入ろー!」

 ルルカは俺の腕をつかみながら、うきうき気分 で豪華な校舎内に足を進める。

「……あれ? 誰もいないの?」

 舎内に入ると、中はシーンと静かで……ルル カの言う通り誰もいなかった。
──あ、最下位クラスってこの三人だけとか?  だから誰もいないとか?

「それじゃあ最下位クラスは一人だけだな」

 後ろを歩いていたリミが校舎内を見回しなが ら、そう言う……って……?

「一人ってまさか──」

「ユウ一人。私とルルカはユウを勇者にするのが 役目だからな」

 俺 の言葉を遮り、リミは腕を組ながら……っ て、えぇ!?

「な、な、な、何で!? 何で俺一人!?」

 ルカとリミは違うの!? クラスメートじゃない の!? 俺 の『クラスメートたちと楽しく暮らす』っ てい う青春生活は!?  無いの!?

「仕方ない。今年の生徒は優秀だからな。ルル カ、教室に行って他のサポーターに会いに行こ う」

「あいあいさー!」

 驚き戸惑ってる俺に対し、リミは落ち着いた口 調 でルルカにそう言い、ルルカは俺の腕をいっそ う 強く握りしめるとダッシュで右側の通路に走り 出 す……っておい!

「痛い痛い痛い痛い!」

意外と強いよ!?  走る力によって腕が引っ張られ るからもっと辛いよ!?

「着いたっ」

 教室らしき部屋の扉の前につくと、パッとルルカ は俺の腕を離す。 そして、扉をガラガラッと大き な音をたてて開け て──

「皆ーっ!  おっはよー!」

 部屋の中にいた奴等に、大きな声で挨拶をし た。 ──この人達も美少女と言うのは言うまでもない だろう。