コメディ・ライト小説(新)

Re: ハートフル  更新! ( No.43 )
日時: 2017/08/16 11:07
名前: チェリーソーダ (ID: xStpW3P0)

おまちかね!
高橋ルカが登場します!


第八話 君は可愛いオンナノコ


私はマイクを握りなおす。
「今日は、私たちオレンジピールと」
夏実がジャーン!と、ギターを鳴らす。

そしてあおいがもう一本のマイクを持って言う。
「私たちライトガールズのライブです!」
ドラムの一年生が思いっきり叩く。

次は私。
「で、今日は、コンテストのファイナリストにもなったオレンジピールと、デビューして半年になったライトガールズのライブです!タオルをぶんぶん回して盛り上がってください!!」
ワアァーーーーーーーっと、歓声があがる。

「まずはライトガールズ!」
あおいがそういって、曲の前奏が始まる。
私たちは舞台裏へ。
オレンジピールのシャツに着替える。

ジャカジャカと鳴る2本のギターの音と、あおいの歌声が聞こえる。
そのなかでドラムが刻むリズムと、ベースの裏メロが、見事にマッチしている。
「夏実ー、緊張する?」
「え?全然。だって私と渚のスーパーギターコンビだよ?」
「あ、そうだった」
そう言って二人で笑う。

ライトガールズは二曲目に入った。
ここからでもぶんぶんとタオルを振って飛び跳ねてる生徒たちが見える。

「ありがとうございましたー!!」

よっしゃ次だ。
ステージへ踏み込む。










「はぁーー」
深くため息をつく。ライブが終わり、再びお客さんが校舎に戻ったそのあと。私は夏実とならんでステージの端っこに座っている。
「どした?」
「なつみぃーー」
夏実に抱き着いた。
「うわなになにくっついてこないでよ気持ち悪いなぁ」
「つぅーかーれーたぁー」
「あー、はいはいこれあげるからはなれてよ」
そう言って夏実は私にイチゴオレをくれた。
「さんきゅー♪」
そう言って夏実から離れる。
「ったくー」
ちゅーっとイチゴオレを吸う私に夏実が言った。
「まあ、よかったんじゃない?ライブ」
「だよね、疲れたけど」

そう言って話しているところに、クラスメイトの高橋ルカがやってきた。
「なぎっちゃんおつかれーってあれ?」
ルカが手にしていたのはイチゴオレ。
「ごめんルカ。もう夏実から貰っちゃった」
「あーいいよいいよ。じゃあなっちゃんにあげるー」
「おーあんがと」
ルカはドイツ人と日本人のハーフ。
かわいくて、性格もよくて、とにかくいい子。
私のことを「なぎっちゃん」っていう。

「なぎっちゃん、なっちゃん、ライブ、すんごい良かったよ」
「さんきゅ」と夏実。
「吹奏楽部、舞台袖で聞いてたよ。ルカのソロ、めっちゃよかった」
私も言う。
ルカは吹奏楽部でクラリネットを吹いている。
二年生のみのクラリネットパートだから、もちろんソロ。しかもうまい。
ソロのコンテストで東北大会まで進んだらしい。
「ほんと?うれしい!ありがとう!」
ほら。他の子なら調子のって『え?ううん、全然ヘタクソだよぉ~』とかいう子もいるけどルカは違う。
ホントに根がいい子なのだ。

「いいことおしえてあげるよ」
「なになに?」
なんだろー、いい事って。
「オレンジピールにテレビ出演の声がかかったのよーん」
「へ?」
「はい?」
私も夏実も驚いた。
ルカのお父さん、日本人の高橋悠汰たかはしゆうたさんは都内のテレビ局のプロデューサー。
企画や演出、照明などの全てを束ねるすんごい人。
そんな人の娘、ルカ。

「だーかーらー、テレビでませんかーっていうお話だって」
「うん、それは分かる。でもなんで?」
私は言った。
するとルカは携帯を取り出して早口でこういった。
「この前のコンテストのファイナリストで、ツイッターのフォロワー6万人!それをお父さんに伝えただけだよ。そうしたらお父さんが目をつけてたんだって。あ、もちろんいい意味でね。しかもなぎっちゃんとなっちゃんは芸能事務所に所属するっていう話もきいたし、これは呼ぶっきゃないって思ったらしくて、そのうちお誘いのメールがくるはずだよ」

「え?渚もスカウトされてたの?!」
「え?夏実もスカウトされてたの?!」
「へー、驚き。まさか二人ともお互いのスカウト、知らなかったの?」
「「え?うん」」
「そーなの?!でもまあいっか」
アハハ、と笑うルカ。


え?テレビ?東京の?てゆーか夏実スカウトされてたの?
高校生だよ?オレンジ?
えーーーーーっ!


そんなこんなで、テレビでることになりました。





<次回予告>
夏実 おかーさんにスカウトのこと言った?
渚  い、やぁーまだだよ?
夏実 だよね……。私も
渚  そんなすぐにいえることじゃないしね……
夏実 あーこんなんじゃ私の人生変わっちゃうよぉ!!



第九話 おまちかね
おたのしみに!