コメディ・ライト小説(新)

Re: 恋愛とかなんかさらっと書くコーナー ( No.21 )
日時: 2017/05/18 22:20
名前: モズ (ID: Kot0lCt/)

江川悠果
白山流斗



「君といると楽しい」


私の学校には一人、有名な生徒がいる。
その流斗は私と同じ学年。でも
私なんかとは格が違う。
某有名アイドル事務所に所属していて
それでいて既にデビューもしている。
最近のデビューなのにシングルで
かなり良い順位で有名になりつつある。
それにかなりの人気メンバーらしくて……

それだけじゃなくて、
成績もいいからモテる。
というかモテないわけがない。
だからアイドルなのによく告白されている。
でもアイドルだから、
ずっと断っている。仕方ないんだ。

その話を聞いて
私は心が締め付けられるようだった。
好き、君が好き。
いろんな意味で、好きなのかも。
でもそんな思い、忘れないと。
それにアイドル。
私はもう、この思いを伝える必要もない。
もう、別次元の人になっちゃったんだし。
それに私は君の告白を振ってしまった、
そんなことになったから。
でも流斗といるととっても楽しいんだ。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
あれは一年前。
デビューする前の話。
(気持ちも当時のままで書いている)



「なぁ、悠果!
今日、ちょっと着いてきてくれないか?」



「……なんで私?
他の女子でもそれか男子でもいいじゃん」



「いや、別にお前の方がいいからな。
っ暇じゃなかったらいいんだけどな」



なぜか妙に焦った言い方になっていた、
そんな気がする。
私と話すのが嫌?緊張する?
でも顔は少し赤くて表情は険しくない。
どうしてだろう?



「……そんなに言われたら仕方ないよ。
うん、着いていくよ。流斗」



本当に暇だった。
だから断る理由もなかった。



「ありがとうっ!
本当にお前、良いやつだよな」



……、……。




「……っ、何……してるの」



とても恥ずかしかった。
いくら恋愛に興味がなくても
異性である、その意識はしていた。
だから流斗に……頭を撫でられるなんて



「良い子は撫でないと……でしょ?
あ、そういうの恥ずかしいか?ヒヒッ」



そうして何にもなかったみたいに
ニヤリと笑って教室の扉に笑顔でいる。



「別に、そんなわけないからっ!」



サッと鞄を取って、
流斗に着いていきながら学校をあとにした。



そして着いたのは公園。
初めて来た公園だったから
少しの間は辺りを見渡していた。



「ちょっとこれ、見ていてくれない?」



そう言って見せられたのはダンス。
私でも見たことある、
アイドルグループのダンス。
それをきっと完璧に踊っていた。



「実は俺、○○ニーズ事務所に所属していて
○○ニーズJr.として活動しているんだ」



「……そんなの、初耳。
流斗、そういうの好きそうだしね」



たぶん、誰にも話していなかったのかな。
噂でもそんなこと、聞いたことなかった。



「それでもうすぐデビューするらしいんだ。
『Express(エクスプレス)』として」



「なんで、私にそんなこと教えたの?
デビューするなら私に言う必要もない」



単なる疑問だった。
どうしてそこそこ仲の良い私にそんなことを。
意味がわからなかった。



「好きなんだ、悠果のこと。
でもアイドルになったらもう、ダメだろ?
だから思いだけでも伝えようかなって」



ビックリした。。
私が好きだってこと。
アイドルとしてデビューすることを
正式に決めて頑張ろうとしていること。



「まぁ、お前はどうせ俺なんて
興味ないだろ。それに、告白されても
困るよな、ごめんな」



気づけば流斗の手を握っていた。
顔はうつむいたままだし、
私の腕はふるふると震えている。



「……わからない、わからないよ。
好きかはわからない。恋愛とか興味ないし。
でも、一緒に話していると
とっても、楽しいんだ。
もしかしたら、流斗のこと好きになるかもね」



自分でもどうしてそんなことを……
衝動的なものだったと思う。

でもその私の言葉に流斗は
フフっと笑って



「ライブ、来てよ。
距離感は遠いけど俺権限で会えるじゃん。
それに今だったら学校で会える。
俺といて楽しいなら
出来る限り一緒にいようよ、悠果」



その言葉を最後に
二人で途中まで一緒に帰り
そしてそれぞれ家路を急いだ。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「悠果、ライブ日程決まったよ!」



「いつなの、流斗!」



最近はExpressでの話をよくする。
最近は音楽番組にも出ている。
そしてもうすぐ初めての大型ライブ。



「つーか、俺権限でお前はライブ行けるし。
俺たちExpressのライブ、楽しめよ」



時々話していてもアイドルモードになるけど
それもひとつの楽しみになっている。

アイドルだからって距離が遠いかも。
でも私と流斗は違うと思う。
なんだかんだ、近い距離感だと思う。



「何があっても流斗が一番大好きな、
Expresserになってやるからね?」



「もう、俺のファンだろ?
学校の子より出待ちしている女の子よりも
悠果は俺のExpresserだよ。
だって、俺が正式に認めたファンだしな」


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そしてExpressの最初の大型ライブが
やって来た。



『今日は俺たちExpressのライブ、
観に来てくれてありがとうーー!!!』



『キャァーーーーーー!!!!!』



ライブが始まった。
メンバーは全員で四人。

大人なふじなみりょう
元気の塊、つじおか
自由気ままなリーダー、あしそして白山流斗。

流斗の権限で特等席に私はいる。
近くでアイドルとしての流斗が観れる。



「えっと、次の曲は今はライブ限定の
俺のソロ曲で歌詞は自分で書きました。
本っ当に大切な守っていきたい、友達。
そいつのために、
そしてExpresserに贈ります。
『ENJOY!!』」



流斗のカラーのブルーの照明で
キラリと輝く、流斗。
そしてスゥーっと息を吸った。



「遠いーようで近い存在ー
君はいったいなんだろうー
誰にも言えないー秘密があるんだー
君だけに教えるからー」



どこか悲しそうに思える。
こんな歌詞、流斗書けるんだ……
Expresserのみんなも静かに聴いている。

そしてまた、大きく息を吸って



「わかってる、わかってる、無理ーなんだー
一緒にいたくても別々の道をー歩むー
でもーいつかーまたーー出会えるからー」



いつのまにかただただ、聴いていた。



「だからー今を楽しもうーよ
君といると楽しいんだぁー
ずっと、じゃないタイムリミットー
誰かこの時計を止めてーよー
一度だけのわがままーーー」



『キャァーーーーーー!!!!!』



私も思わず、拍手していた。
視界がぼやけてそれで泣いているんだ、
それに気づいた。



「まだ、少ししか歌詞が出来なかったけど
みんなありがとうーー!!!」



それからライブが続いたが、
楽しんでいるうちに終わっていた。



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Re: 恋愛とかなんかさらっと書くコーナー ( No.22 )
日時: 2017/05/18 22:35
名前: モズ (ID: Kot0lCt/)

朝起きてニュースを見ると
Expressのライブが特集されていた。



「まるで夢……みたいだったな」



そんなふわふわしていたまま、
学校に向かった。

あの曲のように
私と流斗が一緒に楽しく過ごせるのは
高校生でいる、今しかない。
けど、昨日が信じられなかった。
アイドル流斗がカッコ良かった。




「悠果ー!どうだったぁー!」



アイドルじゃない、流斗も好き。
アイドルモードの流斗も好き。
とってもカッコイイ。
なんて、言えないよ。



「良かったよ、みんなみんな」



「そう?あ、ソロ曲はどう?
あれ、一応悠果をイメージして書いたんだ。
どう……だったかな?」



「なんか、凄く心にきた。
泣いちゃったもん、本当に。
それに流斗があんな歌詞書けるのに
ビックリしたよー」



「って俺を軽くディスるなよ。
でも来てくれてありがとう。
これからずっと俺の権限効くかわからないし
また、来てくれると嬉しいんだけど……
さすがに無理か、いくらなんでも」



「行くから、私流斗公認のExpresserでしょ?
行かないわけないには行かないよ。
それにライブ楽しかったし
刺激になったよ、本当に」



「じゃあ、高校卒業までまだ、よろしくな!
悠果ー!」



「うん、流斗ー!」



これからもずっとかはわからないけど
流斗と楽しめたらいいな。
流斗が好きなんだろうけど、
Expresserだし。
本当にわからなくなっちゃうかも。
だから言葉にしてみた。



「流斗のこと、Expresserとしてじゃなくて
普通に好きだからね」



今までだったら言えなかった。
でもライブの流斗のソロ曲を聴いて
せめて言わなきゃって思った。
都合良く私と流斗以外に誰もいなかったし。



「それは俺も。
でも今はExpressとExpresserの関係だろ?
だから……まぁ、Expressの話をしよっ!」



「そうだねっ」



これからの生活が
ずっと楽しめそう。
楽しめないわけがない。
だって流斗がいるから。


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「君といると楽しい」END……?



Expresser……Expressのファン

もちろん全てフィクションです。