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コメディ・ライト小説(新)
- Re: 短編集──気の向くままに書くのだよ ( No.85 )
- 日時: 2017/07/24 13:39
- 名前: モズ (ID: KZRMSYLd)
小学生の時。
私と陽介はそこまで仲良くなかった。
たまに話して笑うくらいの関係。
でもアサガオを交換してから
花咲く頃にはお互いの家に行って、
そしてアサガオを見てた。
そして駄弁ってた。
いつしかそれが二人の夏の恒例、
そんな風になっていた。
だから、それには驚いた。
当時は何度も思い出して泣いた。
アサガオを見ると涙が浮かんできた。
そしてアサガオの花を摘んで
めっためったにしたこともあった。
──四年生の夏
「え、行っちゃうの?」
「うん、お父さんの出張で……」
陽介が父親の影響で転校、
そして引っ越しをした。
その頃には学校でもよく話してた。
普通に友達として。
私はこれでも人見知り。
だから話せる人がいるのは、
ただただ、嬉しかった。
それに、陽介は明るく優しい人気者。
それで陽介に話に来る人とかと
たまに話してた。
人見知りなのは今でもだけど、
その頃はたくさん友達が出来た。
……友達がたくさんいても。
私の一番の友達は陽介だったから
すごい悲しかった。
「じゃあな、彩華」
その言葉が終わり、
陽介らを乗せた車が去る。
なんとか笑顔でいた。
前から引っ越しの話は聞いてた。
けど、車が見えなくなったら
泣いていた。
道の真ん中で小さく泣いた。
陽介にこの姿を見ないで欲しいから。
見える訳なんてないのに。
「また、会いたいな……」
その願いは叶うかわからない。
けど、願うしかなかった。
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