コメディ・ライト小説(新)

Re: 短編集──気の向くままに書くのだよ ( No.86 )
日時: 2017/07/28 10:18
名前: モズ (ID: qXcl.o9e)

地味にepisode2は終わってました。



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 手紙で文通していた。
小学生のときは一ヶ月に1回は。

 でも部活で忙しかったり
勉強に必死だった中学生になったら
文通のこととか覚えてなくて。
毎日に必死で。
そのお陰で君のことは忘れていたかも。
でも一人になると思い出しちゃう。
君がいなくなったあの夏を。
じんわりと涙が出てくるけど、
無理矢理拭ってた。
けど、手紙を書く気になれなくて、
結局また、忘れていて。
それのエンドレスだった。

 受験には見事合格した。
大好きな友達も合格した。
受験のあとはすることがなくて、
君の手紙がふと、目についた。
……ずっと、書いてなかった。
だから、書いた。
今まで書かなかったことを謝ったり、
受験に合格したこととか。
中学は楽しかったこととか。
書いても書いても止まらない、手。
書いていくと君とのわずかな思い出も
どんどん浮かんできてくる。
そして視界がぼやけてくる。
泣いているんだ、私。


 ポタッ


 そうして便箋に染みちゃったよ。
これは捨てないとじゃん。


 そうして書いた手紙。
翌日にはポストにいれた。
そして、ただただ待ってたのに。
卒業式が来てしまった。


 もうみんなと別れるんだ。
少ししか泣けなかった。
君から手紙が来ないから。
住所が違ったのかな?
引っ越ししちゃったのかな?
そんな風に考えていたら、
卒業式が終わってた。
友達にも「どうしたの?」って。
そこにも答えられなかった。



episode3END