コメディ・ライト小説(新)

Re: 君との出会いは本屋さん。『最終章開始♪』 ( No.179 )
日時: 2017/12/01 19:13
名前: ましゅ ◆um86M6N5/c (ID: QYM4d7FG)

68.徐々に決まって…。



「沙彩ちゃん、ちょっといい?」

 昼休み。千春はパーティーのことを言おうと沙彩を呼ぶ。…何とか口が滑らないようにしないと。
 せっかくのサプライズが台無しになってしまう。

「あの……今月の12日って予定ある?」
「12……?ないと思うけど」
「ほんと!?じゃああのさ、冬休みに向けてみたいな感じで良かったら勉強教えてくれない?」
「……分かった。私の家で……」
「あ、今回は私の家でも良いかな……?」

 必殺上目遣い。少々強引な気がするが千春にはこうするしか無く――…何とか沙彩に気付かれないようにはしたつもりなのだが、この必死さでは勘づかれてしまったかもしれない。

「分かった。案内してくれるならね」
「……も、もちろん!ありがと!」

 何とか勘づかれていないのか、もしかすると気付いた上で言っているのか。それは分からないがとりあえず誘うことは出来た。


○*


「今日の作ったやつは美味しいな~。パーティーはこれする?」
「そうですね……一番濃厚ですし、今日のレシピを書いておきましょう」

 沙彩の誕生日まであと5日。今は懇談期間で大体の所は部活が無く、自由な時間を過ごせるのだ。
 この機会にガトーショコラのレシピを完成させて飾り付けもきっちりして、万全の状態でパーティーを迎えられるようにしようと奮闘中。

「ガーランドも中々綺麗だねー。秋本くんと俊くんにしては!やるじゃん~」
「俺らにしてはって強調するてやめてくれない?」
「いやあ……昨日はひどかったじゃんー」

 飾り付けも徐々に出来上がって行っている。一旦キリの良いところで止め、夏音は全員を集めて会議のようなものを始めた。


「それじゃあ……なんか、遊ぶやつ。食べて話すだけじゃ面白くないからね~」
「ビンゴゲーム!」

 夏音が言った瞬間、ひかりが食いつくようにいつもより大きな声でそう言った。

「ビンゴゲーム好きなのー?」
「そうやねん!楽しいやろ?ビンゴゲーム……」
「皆異論なし?」

 いいと思う、と言ったのを聞いて夏音が何やらメモをしていく。
 この誕生日パーティーのことが書かれたメモ帳はもう数十枚を使い切っていて、かなり密度の濃いパーティーを企画していることが分かる。

「じゃああたしがくじ作るねー。カードはどっかで買う。それでいいかなー?」

 皆が頷いてこの最高に短い会議が終わる。

 まだまだこのパーティーには準備が要りそうだが、とても充実したものになりそうだ。