コメディ・ライト小説(新)

Re: 君との出会いは本屋さん。『コメ募集中(=゚ω゚)ノ』 ( No.18 )
日時: 2017/07/28 21:59
名前: ましゅ ◆um86M6N5/c (ID: QYM4d7FG)

08.まさかの。


「きょ、今日もっすか……」

ため息から始まる悠夜。なぜかというと。
――今日も沙彩の所に行って、様子を見てきて欲しいと佐野に言われたのだ。

「何としてでも彼女を学校へ戻したくてね~。よろしく、学級委員さん!」

半強制的に押しつけられた悠夜は、深く長いため息をつくのであった。



○**


「あぁ……またかよ……」

前の様子なら、おそらく沙彩は絶対に学校には来ない。……夏音も佐野も、不幸の連続があったと言っていたし、なぜ学校に来ないのかと聞いたときも行く理由がない、とはぐらかされたし。それを言うとき、学校に対してなにか恨みがあるのかと思えるような暗い目で言っていたのを悠夜は覚えている。
正直、「学校に来い」と言っても意味のないような気がした。

(かと言って、俺学級委員だからなぁ……行かないとだめなんだよなぁ……)

友達の悪ノリによって決められたこの面倒くさい仕事を恨みながら、とりあえず教室に戻る――

その途中で。



「やっほー!あーきもーとくん」
「わっ!?……って、桃瀬か…」
「なに?がっかりしたー?」

悠夜の背中に軽い感触があった。夏音だ。

「………」
「なんか複雑そーな顔してるねー?あ、もしかして!また沙彩ちゃんの様子見に行ってきてとか言われたの?」
「……よく分かったな、そうだよ……」

夏音の妙な鋭さに驚きつつも、悠夜は疲れたような声で返事する。


「――ちなみに、今日はあたしと俊くん、本屋に行けそうにないからね!」
「…………は?」


――遠回しに言われたが、つまりは。一人で行け、と言う意味だ。

「うっそぉ……」
「ほんとーだよ~。まぁ頑張ってね?秋本くん」
「ほぼ無理ゲーじゃねぇか……話し合ってくれるかも微妙なところなのに」
「あたしは今日は久しぶりに部活行くって沙彩ちゃんに言ったし、俊くんは放課後、病院行くって言ってたよ?視力がどうとかってねー」

まぁ頑張れ、とからかうような声で夏音が言った後、夏音はすたたっ、と軽い足取りで悠夜よりも先に教室へ戻っていった。



「なんでだよっ!!」


悠夜は周りに人が居ないかどうかを確認して、足を床にたたきつけながら叫ぶのであった……。