コメディ・ライト小説(新)
- Re: 君との出会いは本屋さん。『最終章開始♪』 ( No.181 )
- 日時: 2017/12/03 00:07
- 名前: ましゅ ◆um86M6N5/c (ID: QYM4d7FG)
70.買い物へ…。
沙彩の誕生日パーティーまであと3日となった。結局昨日は昼からやることについては何も決まらず、そのまま解散となってしまった。
今日こそは決めないと、もうそろそろ最終確認をしなければならない。
「……沙彩ちゃんのことだから……うるさいものより、そこまでうるさくなくて楽しいものが良いかなぁ~」
「だからうるさいものってところで私の方を見ないで、夏音ちゃん!?」
「見てないよー」
「棒読み!いつも以上の!」
こんな言い争いをしているから決まらないのに。夏音は我に返ってメモ帳を取り出し、昨日少しだけ考えた案を千春に話す。
「お菓子作りを一緒にやるか、クリスマスも近いことだし何かプレゼントを持ってきて交換会をするか……そんなことしか考えられなかったなー」
「交換会!いいんじゃない?悠夜くんと俊くんは苦労しそうだけど……」
「まあ男子達にはどうにかしてもらおうー!交換会、早速今日買いに行くー?」
「うん!私、何人かに言っておくね……あのさ」
「んー?」
千春が突然真剣な顔をして夏音に呼びかけた。
「……良かったら……俊くんには、私が言って良い…かな?」
「え~?あ、千春ちゃんって俊くんのこと好きなんだ?」
「……そうなの!だからあの……私、悠夜くんと俊くんに言うから……夏音ちゃんはひかりちゃんと香澄ちゃんに言ってくれないかな?お願い!」
「はいはーい。青春お疲れ~」
夏音はひらひらと手を振ってひかりの方へ向かった。千春は俊が好きだと言うことを言う羽目になってしまったが、これで話す口実が出来たと考えると嬉しい。
花火大会に誘うときに勢いで沙彩に言ってしまったことだが、千春は俊に一目惚れしたのだ。
「……よし」
意を決して千春が、丁度悠夜と俊が一緒にいたから声を掛ける。
「俊くん!…と悠夜くん」
「え、何今の俺のついで感。帰った方が良いかな」
「ごめん!帰らなくて良い!あのね、今日……沙彩ちゃんのサプライズパーティーでプレゼントの交換会をしようって話になって、よかったら放課後買いに行かないかなって思って……テニス部、今日ある?」
「懇談期間だからない。いいよ、多分。早帰りだし昼飯食べて2時くらいに集合する?」
「……うん!」
俊は時々リーダーシップがある。今の沙彩・夏音・千春・ひかり・香澄・悠夜・俊……このグループの中では一番存在感が薄く捉えられがちだが意外に。
俊がまとめてくれたことにより千春は嬉しそうに返事をする。
(沙彩ちゃんに夏音ちゃん……俊くんと幼馴染みなんて、いいなぁ)
密かに羨望もある。俊は沙彩と夏音のことを呼び捨てで呼んでいる。それに対して千春は「有川さん」だ。こんなに劣等感を抱くことはないだろう。
……けれど、多分沙彩は俊に対して恋愛感情を抱いているわけではないだろうし、夏音も多分違うだろう。
羨ましさは変わらないけれどその事実に千春は嬉しさを感じていた。