コメディ・ライト小説(新)
- Re: 君との出会いは本屋さん。『☆続編開幕☆』 ( No.199 )
- 日時: 2018/04/15 00:17
- 名前: ましゅ ◆um86M6N5/c (ID: QYM4d7FG)
- 参照: 第4章。
81.年越し。
あっという間に冬休みに入り、大晦日の午後11時50分。沙彩は先日作ったグループラインを開いた。丁度その時、夏音から通知が来る。
『みんな起きてるー?』
その言葉はあっという間に既読がついた。おそらく全員、誰かからラインが来るのを待っていたのだろう。夏音のこういう積極的なところは、彼女の長所だ。
『明日の初詣だけど』
既読を確認した夏音は、早速その話題を出した。また既読が付くのを確認して夏音は画面をタップする。
『10時に集合、私服で。持ち物はおみくじとかのお金~』
『了解!結構混んでそうだよね!』
『そうですね……お金取られないようにしないと』
『今回は私服なんだな』
『今年の運勢どうだろー』
『大吉やったらええのになぁ』
夏音の言葉に対し、千春、香澄、悠夜、俊、ひかりの順に返信が来た。皆の速い返信を見て沙彩は焦る。正直ラインなんて、携帯にただ入っているだけでほとんど使ったことがない。とりあえず、打つのは諦めてスタンプを選ぶことにした。その間に話題が変わることを恐れ、沙彩は急いでスタンプを送る。
猫のスタンプで、「たのしみ~」と丸文字で書かれたスタンプだ。完全に沙彩のキャラとは合っていないが、そこはまぁ置いといて。
『あたしも楽しみ!あ、もうそろそろ年越しだね~』
夏音がそれを送ったときには、年越しまであと30秒程度。夏音は数字の画面を開く。
『5』
『4』
『3』
『2』
『1』
立て続けに送られてくるカウントダウンに沙彩は戸惑うが、『1』でその返信が一瞬止まった。勢いで沙彩は指を0の所にスライドする。
『『『『『『『0』』』』』』』
と、ほぼ同じタイミングで『0』という数字が送られてきた。それから、「あけましておめでとう」というスタンプが立て続けに通知される。沙彩もその波に乗って、「おめでとう」というスタンプを送っておいた。
『今年もよろしくねー』
『よろしく~!』
通知のピンポン、という音が鳴りやまない携帯。前の沙彩だったらうるさくて電源をオフしてしまうような迷惑な音に思っていたのだが、今は――楽しい。