コメディ・ライト小説(新)
- Re: 君との出会いは本屋さん。『☆続編開幕☆』 ( No.217 )
- 日時: 2019/08/16 22:13
- 名前: ましゅ ◆um86M6N5/c (ID: QYM4d7FG)
『第8章』
91.気がかりなこと。
3月下旬。沙彩は一人、めっきり来なくなってしまった本屋へと足を運んでいた。
不登校時代から早や半月ほど経っただろうか。登校を決めたときはかなり不安定であったが、最近は落ち着いて、持ち前の学力からも普通の中学校生活を送っている。
それで変わってしまったのが、不登校の時によく利用していた本屋に来なくなってしまったこと。実に数ヶ月ぶりな気がする。
レジカウンター付近の本を読めるスペース。文具売り場。本棚……全てそのままなのに、何か変わってしまったような感覚がするくらいには、久々の訪問だった。
この本屋は、学校という道へ導いてくれた場所。そして、沙彩には一つ気がかりなことがあった。
(3年生、か)
頭も良く、成績も良好な沙彩に受験という心配はそれほどなかった。周りから期待の星となっているのが少し気恥ずかしいが。それよりも、ずっと心配なこと。
(来年は……誰と同じクラスになるのかな)
沙彩の不登校期間は長い。陸上部の友達は数人居るが、必ず彼女らと同じクラスになれるとは限らない。そして、自分を学校に導いてくれた、悠夜や夏音達。たった6人だから、1人も同じクラスにならない可能性もある。
それを寂しいと思ってしまうくらい、沙彩は学校が楽しいと思っている。少し自嘲気味に、沙彩は口角を上げる。
「あれ?沙彩さん……?」
沙彩が振り返ると、そこには香澄の姿が。本棚の前で突っ立ってる沙彩を、心配そうな目で見つめる。
「香澄……こんにちは」
「こんにちは。春休みに入って初めて会いますね」
「……そうね」
柔和に笑った香澄。あぁ、この子なら知り合いが居ないクラスでもすぐ馴染めるんだろうなぁ……。沙彩はそんなことを思いながら笑顔を返す。
「それで、どうしたんですか?なにか考え事でも……」
「え?いや、何も考えてない」
「何も考えてない……ことは無いと思いますが……何かあるなら聞きますよ」
沙彩は、香澄とちゃんと喋ったことがあまりない。そんな人にもこうやって寄り添おうとするなんて、
(お人好しだな……)
口にはしないが心の中でそう思う。
「…カフェにでも、行く?」
そんなお人好しな香澄のご厚意に甘えて、沙彩は滅多に言わないようなことを言った。香澄は少し驚いていたが、すぐに笑顔で頷いた――。
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わぁぁお久しぶりです
文が多い……!
宿題が終わらないましゅです、こんばんは!!←本当に困ってる
1ヶ月ぶりの更新です、毎回遅くてごめんなさい……。
これからもゆるりと更新しますので、どうかよろしくお願いします!