コメディ・ライト小説(新)

Re: 君との出会いは本屋さん。『コメ・オリキャラ募集中!』 ( No.39 )
日時: 2017/08/03 10:45
名前: ましゅ ◆um86M6N5/c (ID: QYM4d7FG)

15.不思議な空気。


そしてまた、2日後……。


沙彩は早めに昼ご飯を済ませた後、自分の部屋を少し片付けていた。一応、突然夏音のように誰かが訪れてきても大丈夫なように普段から片付けてはあるが、その友達――千春がどう思うかよく分からないから。
始業式にもらった教科書類だけ別の部屋から運んできた大きめの机においてインターホンが鳴るのを待つ――。


壁に掛けられた時計を見た瞬間――ピンポーン、とインターホンが鳴った。


『こんにちはー。沙彩ちゃん、ドア開けてくださーい』
『よろしくお願いします!!』

インターホンの音声から聞こえる女の子2人の声。夏音と千春だ。
はい、と返事をして急いで玄関へ向かう。玄関ドアを開けて、備え付けの門を開くと。


「やっほー!今日はよろしくね、沙彩ちゃん!」
「こんにちは!!どうか今日はよろしくお願いしまぁぁす!!」


初めて見た千春の顔。髪色は地毛っぽい赤茶色で――耳の下でツインテールをしているのが特徴的な、声に良く合う活発そうな見た目だ。

軽く手を振る夏音と、90度以上頭を下げる千春。……夏音は割といつもテンションは低いとも言えず、どちらかというと高い方だ。でも、千春と並べば至って冷静に見える。


沙彩がいつも本屋に行くときは、いつも適当なワンピースを着ているのだが――2人がどんな服を着てくるか分からないから、この前沙彩が頑張って服屋の店員に聞いたコーデ……小さめのロゴが入った白いTシャツとデニムのスカート、それを着ておいたところ、完全に正解だった。2人とも、雰囲気は違うけれどもすごくお洒落だった。
夏音は黒白ボーダーのトップスに膝丈の黒いスカート。夏音は結構どんな雰囲気の服でも着こなせる。
千春は灰色の半袖パーカーに黒い短パン。初めて会ったため、雰囲気に合っているかは分からないがそれでも似合っていた。


(2人とも……すっごいお洒落。私変に思われてないかな)


普段から友達と勉強会をするなんて機会はほとんどない。それに、今回は2人のうち1人は知らない人だ――。それよりも、沙彩はふと大事なことに気付いた。



「そういえばさ……貴女は、なんて名前?」


そう、夏音の携帯に載っていた「千春」というのを読んだだけで……沙彩は千春の苗字は知らない。
2人を家に招いて部屋に案内した後、聞いてみた。


「私は、有川千春ありかわちはると言います!夏音ちゃんとは中学1年生の時から友達です!」
「あたしたちと同じ3組だよー。千春ちゃん、始業式の日休んでたから沙彩ちゃんは顔も知らなかったと思うけど……千春ちゃん良い子だから仲良くしてあげて欲しいな~」
「……う、ん。あの……有川さん、敬語じゃなくて良いからね…?」
「良いんですか!?それじゃあ、沙彩ちゃんって呼んでもいいですか!?私も千春で大丈夫なので!」
「……あ、うん」


そろそろテンションマックスかな、と苦笑いする夏音と、完全にペースが乗せられっぱなしな沙彩、興奮が抑えきれないようにはしゃぐ千春。不思議な雰囲気の中、勉強会が始まった――…。