コメディ・ライト小説(新)
- Re: 君との出会いは本屋さん。『コメ・オリキャラ募集中!』 ( No.46 )
- 日時: 2017/08/04 15:53
- 名前: ましゅ ◆um86M6N5/c (ID: QYM4d7FG)
18.テスト本番。
期末テスト1日目――2、3年生にとっては特に大事なテストだ。普段の勉強、またはこの1週間ほどで詰め込んだ知識を出すとき。どれだけ覚えているか、どれだけリラックスして行えるかが勝負になる。
沙彩は久しぶりに――中間テスト以来着ていなかった制服を身につけ、誰の目にもとまらないようにそそくさと学校に向かう。夏音たち含める知り合いにもあまり会いたくないのだ。
だから早い時間に行って、いつも保健室でひっそりテストを行う。
途中同じ制服を着た人を見かけたら走って電柱に隠れたり。そうこうしてるうちに、学校に着いた。
――多分生徒の中では沙彩しか知らないような裏口を使ってこっそりと入り、保健室の窓の前まで行くと。養護教員――真柴優花が居て、沙彩の姿を見つけると手を振りながら非常口にもなっている窓を開けに来た。
突然来てもこうやって対応してくれる教師なんて真柴だけ。後の人はきっと、学校に来なさいと連呼するだけだろう――。
真柴は、沙彩がなぜ学校に来ないかを知っている。
「沙彩ちゃん、おはよう。1ヶ月ぶりね」
「おはようございます……真柴先生。他の先生方から私について何か言われたりしてませんか……?」
「大丈夫よ、他の先生たちなんて気にしなくて。私も貴女のことは何も言ってないからね」
有り難うございます、と軽く真柴に向かって礼をして、保健室にある椅子に座る。テストが始まるのはあと1時間後。今日は、5教科全部行われる。明日は実技教科と、かなりバランスの悪い分け方だ。
テストの日は、真柴が何とか担当の教師に頼んでテスト用紙を持ってきてくれる。先生たちは、来ない人の心配してる暇なんてない、元々沙彩は成績がよいから放っておいても大丈夫だ……そう言って、テストをくれるし丸付けもしてくれるのだ。
――佐野は、とりあえずテストだけは渡してくれるのだが――テストが終わる頃に丁度保健室に、沙彩を説得しようとやって来る。喋りたくもないしそもそも面倒だからドアの音が聞こえた瞬間すぐ帰るのだが。
今日もそんな奮闘があるだろう、沙彩はテストが終わったらすぐに帰れるように準備をしていた。
1時間目は理科。沙彩はあまり理科が好きではないが、テストで90点未満は取ったことがないのでとりあえずそれを維持できるように理科の教科書を開いた――。