コメディ・ライト小説(新)
- Re: 君との出会いは本屋さん。『コメ募集中(=゚ω゚)ノ』 ( No.5 )
- 日時: 2017/07/17 19:39
- 名前: ましゅ ◆um86M6N5/c (ID: QYM4d7FG)
01.居場所。
「あー…どうすっかな……」
職員室を離れた悠夜はプリントを見ながら深い溜息を吐く。
もともと悠夜は学級委員になったのも、悪ふざけが好きな友達のせいだ。わざと悠夜のことを推薦して決まったから、押し付けられたも同然。本当に、学級委員という肩書だけでこういう面倒ごとを押し付けられるのは理不尽だ。
「ちくしょー…家に居るかどうかも分かんねぇのに……」
住所をちらりと見ると、割と悠夜の家に近い番地が書いてある。が、居留守を使われる可能性もあるし、押し出される可能性もある。
(つーか、学級委員ならもう一人女子が居んのに……)
学級委員は悠夜だけではない。女子でもう一人いるのだが――実はその子はかなり他人に厳しい性格で、自分が嫌だと思ったことは一切しない――悪く言えば若干自己中心的なところがある子なのだ。
それにその子は放送しても来なかった。よっぽど嫌なんだろう。
「何で学級委員なんかやってんだよ……俺もあいつも……」
本当に、疑問だった。
○*
学校が終わってから。
「今日は部活休むか……俊に言っとこ……」
悠夜は軽く伸びをしながらテニス部の部室へ向かう。
部室へ向かう途中。
「あ、俊ー!」
俊――松原俊。悠夜の友達だ。
同じテニス部で、中学からの知り合い。
「……なに?悠夜」
「俺今日、不登校児を訪ねないといけないみてぇだから……部活休むって顧問に言ってくれよ」
「…不登校児?」
「俺も名前初めて知ったんだけど、月島沙彩って人」
その瞬間、俊の肩が分かりやすく震えた。
「――え?知ってんの?」
「知ってるも何も……――俺の幼馴染だけど?」
悠夜は硬直する。
たっぷり、硬直の後。
「はああぁぁ!!??マジで!?」
「そう言ってるじゃん。沙彩でしょ?俺、大体居場所分かるかも……そうだ」
俊が何かを思いついたように手をパン、と鳴らす。
「俺も部活休んで一緒に行く」
「――え、いいの?それって……」
「いいだろ別に。こんな弱小チーム……明日行けばどうにかなるし。休むって言いに行こうよ」
「……そ、そうだな……」
走る俊に付いていく悠夜。なんだか、波乱が起こりそうだった。