コメディ・ライト小説(新)
- Re: 君との出会いは本屋さん。『コメ募集中(=゚ω゚)ノ』 ( No.7 )
- 日時: 2017/07/18 21:34
- 名前: ましゅ ◆um86M6N5/c (ID: QYM4d7FG)
03.新たな乱入。
「……あのなぁ……何で学校来ないんだ?」
「行く必要がないから。逆に貴方はどうして学校に行くの?」
「………」
どうやらこの沙彩という子は相当の心を持った不登校児らしい。学校に行く気がないというか、もうそれ以前の感じだった…。
「答えられないってことは学校に行く理由がないってこと………あ」
突然、沙彩は開いた自動ドアを目を細めて見た。
一人の人影――悠夜たちと同じ年頃の女の子。
その女の子は沙彩からの視線に気付いたのか、手を振りながら駆け寄ってきた。知り合いなのだろうか、と悠夜は一歩引いて様子をうかがう。
「夏音、今日は遅かった」
「ごめんね沙彩ちゃん!日直でさぁ~、日誌書くの忘れてて!ところで、良い本は見つかったー?」
名前呼びなあたり、知り合い――友達と見て間違いないだろう。……それにしても、不登校児に友達が居るなんて――悠夜はそれに大層驚いていた。
「……あれ?珍しいな、俊くんが居るー……ってか、その人は?だーれ?」
沙彩に「夏音」と呼ばれた子は、視線を悠夜の方に向ける。……やがて、合点が行ったようにあ、と声を出した。
「3組の学級委員の人だよねー?確か……秋本くん?だっけ。こんにちは、あたし桃瀬夏音!喋るのは初めてかなー、同じ組だけど」
桃瀬夏音――悠夜と同じ3組で、ポニーテールが特徴的な女の子だ。少し幼めの容姿や親しみやすい性格から割とモテている子だが、面倒くさがり屋で……文芸部に所属しているにもかかわらず出席率は10%に満たないという噂がある。喋り方も少し気だるい雰囲気がある。
「……桃瀬って、月島の友達なのか?」
「そうだよー、沙彩ちゃんは幼馴染み。ついでに俊くんもねー」
「何その俺のついで感」
「いいじゃん、ついでみたいなキャラだし。あははっ、私すっごい失礼だねー」
夏音は全く悪びれていない棒読み気味な口調で適当に謝る。……俊は慣れているのか……何も突っ込んでいなかった。
「……ちょっと桃瀬、こっち来て」
「うぇ?やだって言ったらどーするー?」
「(なぁんで月島の周りはこんな面倒くさい奴ばっかなんだよっ!)いいから……来てって」
心の中で毒づきながら悠夜は夏音を呼んだ。
沙彩から離れたところで。
「……月島が学校来ない理由、知ってる?――」