コメディ・ライト小説(新)
- Re: 君との出会いは本屋さん。『コメ・オリキャラ募集中!』 ( No.76 )
- 日時: 2017/08/24 19:39
- 名前: ましゅ ◆um86M6N5/c (ID: QYM4d7FG)
30.恋バナ。
「は……?」
千春の言葉は意外すぎて、沙彩は開いた口が塞がらなかった。
「え……聞こえなかった?」
「いや、聞こえたけど……別に、俊は普通の友達。…あのさ」
千春がどういう経緯でそう思ってしまったのか、はたまたただの疑問なのかはさておき。
「そんなこと聞くって事は、千春は俊のこと好き?」
「…………」
無言だが、照れ笑いをする千春に沙彩は確信する。
……知り合って少ししか経っていないのに。
「いわゆる……一目惚れみたいなものだよ、うん」
いつもの元気そうな彼女からは想像できないような感じで、沙彩は思わず笑みを浮かべる。人の恋愛話を聞くのは沙彩にとって初めてだった。
まさかその初めてが千春だとは思いもしなかったけれど――。
「夏音ちゃんは……?」
「夏音はそんな面倒くさい感情、持たないよ」
夏音は女子から見ても男子から見てもそこそこ話しやすい方だし、自分から話しかけてもいる。多くの友達を作ろうとはしないけれど。
けれど……知り合って1年ほど、そんな話は聞いたことがない。
それに、彼女の正確から結構断言できた。おそらく夏音は恋愛に興味はないはず。
「俊に好意を寄せる人が居るなんてね……」
俊はあまり喋らないが、コミュ障というわけでもない……寧ろ割と友達はいる。それに沙彩と自分から友達になっているくらいから、芯の強い存在とも言える。
だから、別に彼が好きな人も居ると思うが。
「何だか意外」
知り合ったばかりなのに好きになる事って実際にあるんだなぁ、と――それが何だか意外だったのだ。
「沙彩ちゃんって……好きな人、居る?」
いつになく真剣な目で千春が問う。
「いない。居るわけない」
「えぇ……悠夜くんは?」
「前に園川さんにも言ったけど、違うから……話はそれだけ?」
「…ごめん、これだけ」
何でこんなに嫌な予感を覚える必要があったのだろうか。少し、沙彩は面白くなってしまった――。