コメディ・ライト小説(新)
- その十七「夏だ! 海だ! 水着だ!」 ( No.50 )
- 日時: 2017/09/14 09:13
- 名前: 雪姫 ◆kmgumM9Zro (ID: 8rukhG7e)
『アホの子達が一か所に集まると…』最藤 終(さいとう しゅう)side
***
ツクツクボウシ。ツクツクボウシ。と、夏の蝉の声が五月蠅い、8月某日。夏休みも後半戦と言ったところかっ。
今日は夏休み中ぎちぎちに隙間なく組まれた夏期講習も休み。久々のなにも予定がない本当の休日。
ならする事なんて決まっている。
窓を閉め切り、冷房をガンガンにかけてキンキンに冷えたアイスコーヒーを片手に
「………」
表紙に『超難問! これが解けた奴は天才か!?」と書かれた数学の問題集をパラパラとめくって中を見てみると、確かにこれは難問ばかりだ。まずこれは解ける問題なのかっ!?
と、つっこみたくなるものもあるが、それはそれで解いたときの達成感がすごいもの。
シャーペンを握りしめいざっ勝負だ、問題――!
ピンポ~ン。と、来客が来たことを告げるチャイム音が鳴っている。
本当かっ。これから大事だってのに! 今からチャレンジしようと思っていたのに何故水を差す、宅配の人!
まぁいいだろう。お袋か、二人の妹のどちらかが出てくれるだろう…と、また問題集に視線を移し取りかかろうとするのだが
ピポピポピポ~ン!! ……人の家のチャイムで遊ぶな!!
宅配のおっちゃんかなにかと思っていたがこのウザい鳴らし仕方は違う。たぶん、いや絶対あのアホ共だ。無視したい。無視して自分の部屋に閉じこもり、問題集と向き合っていたい…のだが、ピポピポピポ~ン!!
一向に鳴りやまない、ピンポ~ン。
「うるせーアホ!! 近所迷惑を考えろ!」
根負けして開けてしまった、ドアを。
開けたドアの先に居るのは……予想通りとゆうか……当然のこと、とゆうか…だな
「あっーーくんっ、海に行こう♪」
「行くしー♪」
「フッ。やあ、最籐君」
夏に暑さにやられたアホが三人いたので
「………」
無言でドアを閉めて鍵&チェーンでロックし内側からしか絶対に開けられないようにしておく。
「「「えええーーなんでー!!?」」」
ドアの向こう側でキーキーなにかが叫んでいる気にする。
動物園から猿が逃げたしたんだなー。飼育員のおっさん達大変だな~と自分に言い聞かせ、帰ろう冷房天国へ。強敵の待つエデンへ。
「もう♪ あっくんの照れ屋さんっ♪」
「ふぁ~生き返るしぃ~」
「ちょ、ちょっと……千代紙君! 小野君! た、助け…」
エデンには勉強机の他に、ゆっくりするときなどに使う小さい丸机、ようはちゃぶ台が部屋の中央に置かれている。
それを囲むように、世間一般からは幼馴染みと呼ばれる害虫共が勝手に俺のエデンでくつろいでやがる。
もはや自分の部屋のようにくつろいでいるアホ子こと、ちよ子と小野。
そしてまだ侵入途中なんだろうな。隣にあるアホ子の家と向かい合うようにある、ベランダにしがみついて、落ちそうになっているのを必死に耐えている、運動音痴の水仙寺。
「で、何しに来たんだ…よ?」
こいつらがエデンに侵入してきたことはこの際いい。とゆうより一々突っ込んでいたら俺の身体がもたん。
過労死するわっ!
「書店街のくじで~当たっちゃったんだ~、1泊2日の旅行けーん!!」
「「イエーイ」」
とハイタッチする。アホ子と小野。
ああ……そういえばお袋が今商店街でくじをやっているとかなんとか言ってたような、なかったようなー。
まさかこのアホに当たるとは、商店街の親父さん達も思ってなかっただろうな……ご愁傷様です。
「待ちなさい!」
「誰だッ!?」
アホ子、それ俺の台詞だろ、と一瞬思ったがよくよく考えればこの状況はおかしい。いや。アホ共がおかしいのは生まれつきだが、ここは俺のエデンであり地上から2階の位置に存在する。
アホ子達のようにベランダ伝いに侵入してきたのならわかる。本当は分かりたくないけどな! だがしかし今、ベランダは水仙寺が占領している…ってまだ下りられてなかったのか…。
それに声が聞こえて来たのは背後。本来の出入り口であるドアからだ。誰が、何処から、入って来たんだっ! 面倒事は勘弁してくれよ!
「高校生の男女が泊まりで海だなんてそんな風紀の乱れそうな事。
生徒会長である、私が同行しないかぎり許るさないわ!!」
ふんっと鼻息荒く、腕を組み仁王立ちしている高浜。…その後ろには
「どうも~」
「お前か」
隠れているつもりか? ひょこり顔を覗かせ手を振る飯野の姿が。
ベランダ以外での侵入口だと、玄関しか思いつかない。だが玄関はアホ対策で厳重に厳重をかけてしっかり施錠したはず。中からは開けられないはずなのだが……と思考を巡らす俺に気が付いた飯野は人を小バカにしたような笑みで
「ピッキングで~ちょちょいと~ね」
鍵を開けている作業かそれは、ジェスチャーで何かやっている飯野。なんでこいつは捕まらないんだ……。
日本の警察、頑張ってくれ。じゃないと、俺の方が先に犯罪を犯してしまいそうだ。
「15時のおやつに、ポテトフライはどうですかっ、しーさん? おいしいですよ♪」
「ありがとう、美希。僕はベビースターを持ってきたよ」
「………」
ちゃぶ台付近でアホ達に紛れ、菓子交換しながらお茶を楽しむ女が二人。…うん、いつからいたお前ら?
招き入れた覚えも、お茶をだした覚えもないんだが……でも飲むのに使っているグラスは家だ。菓子を入れている皿も家のだ。
「…あっそっか」
女の二人のうち、一人は緑屋だと(数秒かかったが)すぐに分かった。二人が話している内容から察するに、緑屋の隣で「しーさん、しーさん」と呼んで慕っているちんちくりんは、後輩の朱雀美希だろう。
海苔巻きパーティーとかくだらないパーティーのときに「美希は来ないのか…」とかなんとか言ってて、話を聞いたような気がするような、しないような……そんなパーティーなんてそもそもあったか?
「…フフフ」
「―ッ!?」
背筋が凍り付くような寒気のする視線を感じ、振り返るとカーテンの後ろに隠れて熱い視線を送ってくる女が一人。
と、その女に踏みつけられ、床に倒れている水仙寺。ああ、無事下りられたのか。
良かったな、地面にキスなんてことにならなくて。
「わたしもいい?」
「彗ちゃんだー、イイヨー。一緒に行こう! みんなで行こう!!」
彗…? ああ~、隣のクラスにいる翡翠 彗かぁ~………ってなんでよく知らない奴まで俺の部屋に集合してんだっ!?
「何しに来たんだっお前らーーー!!」
「「「「え?」」」
今更それ聞く? 的な顔で見られました。しかも全員に。アホの頂点共にっ。
つづく☆
- その十七「夏だ! 海だ! 水着だ!」 ( No.51 )
- 日時: 2017/09/15 10:16
- 名前: 雪姫 ◆kmgumM9Zro (ID: idqv/Y0h)
『アホの子達が一か所に集まると…』1-2
***
んで、面倒くさいがなんでこのアホ共。
アホ子&小野
水仙寺
高浜&飯野
緑屋&朱雀
翡翠
8人がなんで俺のエデンこと、俺の部屋に集合してるのか、取り調べをすることになった。
やりたくねぇーけど、命令だから仕方ない……ちっ。
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◇「ある日のちよ子ちゃん家」
夏休みも後半戦を迎える日。今日もちよ子ちゃんは…
『ふぉぉぉぉ!! すげー!!』
庭でアリを見ていました。
『アリさんすげー!! 全然、列乱れねぇー!! ヒャッホゥ♪』
庭でアリを見ていました。
『ちよ子、ちょっといいかしら~?』
おや? 台所にいるお母さんから呼ばれましたよ。
『なにーお母さん!?』
靴を履き替え、台所までやってくるとお母さんはニヤニヤ。
『商店街でお買い物したら~ね~♪』
変な腰振りダンスでじらします。
『うんうんっ!!』
ちよ子ちゃんもドキがワクワクです。
『くじ引き券もらっちゃった~♪』
『よしゃぁぁぁぁああ!! すごいよっ、お母さんっ!』
散々じらした割にの内容でした。
『ふっ喜ぶのは早いわよ、ちよ子?』
『な、なに…!?』
そしてさらにじらします。じらします。じらします。
『一等は1泊2日の旅行券なのよ~~!!』
『おおおぉぉぉぉお!!』
一等などそうそう当たるわけもありません。
『ちよ子の絶対に当てるのよ! 私とお父さんの温泉旅行の為に!!』
お母さん…本音だだ漏れである。
『うんっ、ワタチとあっくんの為に当てて帰ってくるね~~♪』
『えぇぇええ~~あ、違うのよっちよ子ぉぉぉおお!!』
親心子知らずとはまさにこのことである。
◇「大人は汚い」
るんるん~ん♪ 鼻歌&華麗なスキップで商店街を歩くちよ子ちゃん。
『カヤガヤ。ワイワイ』
おや? 人だかりが出来ていますよ。もしかして、あそこがくじ引き会場でしょうか?
人混みをかき分け中に入ってみると、
運動会の時に屋根代わりに建てられる白いテントと長机が二つ。ハゲたおじさんが笑顔で「はいっ、残念賞のティッシュ」とくじ引きに来た人、全員にポケットティッシュを配っている。
『ここには紙しかいねぇーのか!!』
ちよ子ちゃんが叫びたくなる気持ちもわかります。
『ちよ子だしー、おひさ~』
と声をかけてきたのは幼馴染のイランちゃん。その両腕には大量のポケットティッシュが入れられたコンビニの小さい袋が握られてました。
『イラちゃんまで…だとっ!?』
『そーだし! クジ50回もやったのに全部ハズレとかありえないしー』
一度の買い物で1000円以上買うと貰えるくじ引き券。それを50回分…イラン、君はこの商店街になにを求めているんだい?
『イラちゃんの仇はワタチが討つ!』
『で、ちよ子はクジ引き券何枚持ってるし?』
『1枚!』
『…………』
さすがのイランちゃんもドン引きです。
10回やって当たらない。いやポケットティッシュ以外に当たっている人がいない状況なのに、一発勝負で当てようとするちよ子ちゃんが凄い。色々な意味で。
『たのもーう!』
そんなことは気にせず、宿敵商店街のおじさんの前へ立つ。
『1枚ねー。じゃあ、このガラガラを1回まわしてねー』
ふむ。今回のくじ引きはガラガラ回して抽選する奴でした。
ある時は抽選器……またある時はガラガラ……またまたある時はガラポン。所によって人によってさまざまな呼ばれ方がされる、ガラガラ回して抽選する奴。
してその正体(正式名)とは!? 新井式回転抽選器だそうです。
◇「長い物には巻かれよう」
ちっ。そろそろ潮時かっ。俺の名前は商店街のおやじC。
主に商店街で行われるビンゴ大会や今回のようなくじ引き会場を取り仕切り役をやっている親父だ。
この話が始まってすぐ、本来話を担当する二つ結びの嬢ちゃんをチョコレートとバナナジュースで買収して、ナレーションポジを奪いとったわけだが……そろそろ潮時なのかもしれねぇ。
読者の坊主、嬢ちゃん達が気づき始めてるかもしれないからだ。このガラガラ。実はハズレの白い玉しかでないんじゃね? と。うん、まあ…その通りなんだが。
その通りなんだが! それを他の登場人物達にばれるのはまずい! 大いにまずい! 使い捨て候補がマジで使い捨てにされちまうからだ!
よしっ、ここいらで一発どでかい当たりを出して、なんかうやむやにして帰ろう! そうしよう!
『~~~♪』
おっあれはーー!! うちの商店街の裏ボス的存在の水仙時財閥の跡取り息子じゃねぇーか!
こりゃあいい。あの坊ちゃんに大当たりを引かせて、水仙時財閥恩を売って俺の株がアップ、大当たりが出たことによって場は盛り上がり、うやむやになって家へ帰る。
うん、これ以上ないってくらいの一石二鳥な作戦だ。
金の当たり玉はセット完了! あとは水仙時の坊主が回しさえすりゃあ…。
そこへふわぁと神風が。
『あ、僕様の髪がっ』
『優雅さまどうぞっ鏡でございます!』
『ありがとう、親衛隊1。…ん』
どうした! 髪型なんてさっさと直せばいいだろ! 乙女かっお前は!!
『右から見た僕様と左から見た僕様……どっちが決まっている?』
知るかっ! どっちも同じだろう! いいからっ、さっさと…クジを回して…
『大当たり~♪』
なにぃぃぃ!! 誰だ勝手にクジ引きやがったのはぁぁぁ!!?
『やったぁぁあああ!!』
1泊2日の旅行券と書かれた紙を握りしめて喜んでいるのは、俺がチョコレートとバナナジュースで買収したあの二つ結びの嬢ちゃんだった…マシかよ。
なんて最悪な日だ!?
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「みたいなことがあって~」
「は?」
平然と↑上に書かれている話を語るアホ子。ちょっと待て、書かれている話を語っているってなんだ!
一回おっさんの話しぶち込んできてるじゃねーかっ!!
これっお前の話じゃなないだろっ! 商店街のおじさんの話しだろっ! どう考えてもっ!
「ナルシーもいたしぃ、じゃあみんなであっくんの家に行こうってことになって♪」
「なんで、そうなるんだっ。勝手にお前らだけで行けばいいだろ」
「何を言っているんだ、最籐君!」
ずっと床に倒れ、翡翠に踏まれていた水仙時が復活した。復活してしまった。
「本来は十四話で言っていた通り、父様の仕事の都合で海外の避暑地に行く予定だった、この僕様がわざわざ君たちの為に予定をキャンセルして一緒に旅行へ行ってあげるのだよ?
……もっと喜んでくれたっていいのだよ?」
最後に小声で言ってるのが本音か。…とゆうか十四話ってなんの話だ。意味わからんこと言いだすなアホ。
海外でも避暑地でも何処へでも勝手に行け、そして帰って来るな日本に。
つづく☆
***
んー。いまいち優雅くんのキャラがつかめない…(>_<)
難しいねっ、ナルシー。でも頑張ります(''◇'')ゞ
- その十七「夏だ! 海だ! 水着だ!」 ( No.52 )
- 日時: 2017/09/15 10:15
- 名前: 雪姫 ◆kmgumM9Zro (ID: idqv/Y0h)
『アホの子達が一か所に集まると…』1-3
***
「私は違います! ちゃんとした理由があってここにいるんですからっ!」
と、胸を張って言う高浜。
ちゃんとした理由ってどんな理由だよ…。
どんな理由があれば俺の部屋、及び家にピッキングで入って来て良い事のなるんだっ。
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◇「生徒会長に休みはない」
8月某日。夏休みも後半戦に入った頃。
「会長ーメロンパンとカフェオレ買って来たっす」
「ありがとう。足田さん」
動けない代わりに、近くにあるコンビニでお昼ご飯を買いに行ってくれた足田さんから、コンビニの袋とおつりを受け取ります。
あら? 私はパンと飲み物しか頼んでなかったのに、プリンが入っています。
顔をあげて足田さんを見ると、「頑張ってる会長へご褒美っす」とニカッと笑って言います。
本当に彼女にはお世話になっってばかり。なにかお返ししなければ……と、いつも思っているのだけどなかなか……。
「まだ動きはないっす?」
ある人物が住む家のベランダを見上げ
「ええ。今のところはないわね」
と答えます。私、高浜 律子は今ある人物を張り込みをしている最中なのです。
そのためここ。電柱の後ろから動けないのです。いつターゲットが動くか分からないですからね。
「あっ、会長!」
ベランダを指さす足田さん。確かに人影のようなものが近づいて来て動いているのが見えます。
「ついに動いたわねっ!!」
私達が張り込みしているある人物と言うのは……。
「洗濯終わったか」
洗濯機の蓋を開けてぱ…ぱんつを取り出す、さ、最籐くん///
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※強制終了。
「ちょっと待てぇぇぇぇぇええ!!」
高浜が語った俺の部屋にいるちゃんとした理由が内容に思わずツッコミを入れる。そのままスルーなんて出来るかっ。
「張り込みってなんだっ!?」
「べ、別にやましいことなんてしていないわ!! ただ、貴方が風紀を乱すようなことをしていないか監視していただけです!
……3時間程」
「本気やめろ…」
こいつ…。昔からこんな奴だったか? 小学校の頃はもっと話の分かる良い奴だった気がするんだが…??
あとなんで顔が赤い? この部屋、冷房がガンガンにかけられたエデンだぞ。…熱でもあるのか?
病院行って一回、医者に診てもらってこい。そして昔の良い高浜に戻ってくれ。帰って来いっ高浜ぁぁああっ!
「あ。順番的に僕ですかね~」
いつもの力の抜けた話し方をする飯。一度、ポリスに捕まればいいのに。
「そんな睨まないでくださいよ~、僕は会長さんみたいな趣味はありませんって~」
あったら、あったでキモイわっ!!
とゆうかっお前。もうすでに犯罪犯してるだろ! ピッキングで人の家に侵入している時点でアウトだけどなっ。
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◇「昼下がりのカフェ」
大丈夫ですって~本当に疑り深くて面倒くさい終さんですね~。
僕はべつに貴方が考えているようなやましい事なんて一切してないですから~、濡れ衣もいいところですよね~。
僕はただ~、ここから30分くらいのところにあるオープンカフェでお茶を楽しんでいただけですって~。
……3時間程、ね。
「夏休みだってのに、会長さんは今日もお忙しいことで。
こんな暑い日に電柱の後ろでずっとお仕事に励むなんて~。若いって素晴らしいですね~」
坂の上にあるオープンカフェからよく見えるんですよね~、お仕事に頑張る会長さんのお姿が。
僕も応援していましたよ。涼しいカフェから、メロンソーダー片手に。
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「み、見られていたのですかっ!!?」
きゃあああと顔を手で覆い隠してしゃがみ込む高浜に止めを刺すように飯は高浜の肩に優しそうに手を置き
「ええ、最初からずっと」
一部始終ねっと付け加えてニコリ、笑う。
部屋の中に「いやあああああああ」と高浜の叫び声が響き渡った。……自業自得、ってやつか…これは。
「だがなんでそこから俺の家にピッキングで侵入してくる話になるんだよ。
まだこの時はお前ら、会っていなかったんだろ?」
「そうですよ~。話はまだまだこれからです」
と言いながら人を馬鹿にしたような笑みを浮かべる飯。
人の話は最後まで聞かないと~とでも言いたそうな顔だな、コノヤロー。本当っ捕まればいいのにっ。
つづく☆
****
原作を知っている人は分かると思いますが、りっちゃんのキャラ崩壊がヤバイw
あの娘に寄せすぎましたwりっちゃんがどんどん壊れていく……本当ごめんなさい(´-ω-`)
- その十七「夏だ! 海だ! 水着だ!」 ( No.53 )
- 日時: 2017/09/17 10:38
- 名前: 雪姫 ◆kmgumM9Zro (ID: 0vtjcWjJ)
『アホの子達が一か所に集まると…』1-4
「会長さんと合流したのは、緑さんと美希さんと偶然カフェで会ったからですよ~。
そうでしたよね~。」
と言っている飯と一緒に緑屋とその隣にいる、ちんちくりん(背の小さい子)、朱雀に視線を向ける。
なにを怒っているのか朱雀は頬を膨らませ
「飯野先輩! 自分は緑色の全身タイツのおじさんじゃないです!! 変なあだ名で呼ばないでくださいっ!!」
飯に怒鳴っている。……緑色の全身タイツのおっさん…?? なんじゃそりゃ?
どこかのイメージキャラクターか何かか? やれ可愛いとかなんとか、キモカワイイとか訳の分からない事を教室とかで、女子共が変なキャラクター相手にキャーキャー言っているのをよく見かけるが、つまりそうゆうこと??
「ピッタリだと思いますけどね~? そんなに嫌なら~、緑さんにいつも引っ付いている金魚の…「チンクルでいいです! そっちでお願いします!!」」
あははっ♪ と笑っている飯…怖いなこいつ。女子につけるあだ名で、金魚の……はないだろ、さすがにっ。
全身タイツのおっさんか金魚の……この二つしか選択肢がない朱雀も可哀想言えば可哀想だけど……。飯の言っている事なんて無視すれば済む話なのに、良い奴だな朱雀。
「で、お前らはなにしてたんだよ」
飯のせいでずれた話を元の話に戻す。このままほっといたら一向に話が進まない。
「自分達は前の5人のような変態じゃないですからっ!」
「え? ナルシーって変態だったの!!?」
「ご、誤解だよっ。僕様は好きで変態な行為をしている訳じゃなくてっ」
「黙ってろアホ共っ、話が進まないだろうが!!」
ギャーギャー騒ぐアホ共を黙らし、朱雀から話を聞く。
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◇「映画デートの帰り道」
本当に濡れ衣です。自分達はただ、しーさんが前から見たいと言っていた【実写版 白夜叉~万事屋よ永遠なれ~】を観に行っただけですから!!
映画を観終わって、あー面白かった、楽しかったー、言っている他のお客さんと混じって映画館を出て来たところからです。
「白夜叉、面白かったですねっしーさん♪」
原作の少年漫画は読んだことなかったですけど、さすがはしーさんお勧めの映画! とっても面白かったです♪キャラクターは全く分からなかったけど、江戸なのにちょっと現代的な設定とお下劣な下ネタとのバランスが良かったです。
まさかあの俳優さんがあんな事を言うなんて/// ファンの方々は怒らないんでしょうか? 大ヒットしてると、いう事は多分大丈夫だったんだと思いますけど……
「そこらへんはどうなんでしょうね、しーさん?」
「…………」
「しーさん?」
なにか一人でぶつぶつ独り言を言っているしーさん。なにを言っているんだろう……と耳を近づけてみると
「甘栗旬は確かにかっこいい、かもしれない。でも彼は違う。
僕らの銀さんではない。彼はまだ銀さんを演じるだけの器ではないと思う。
いやそもそも、この世界に銀さんの代わりを出来る者なんているのだろうか。
もしいるとしたら、中の人。杉田さんくらいしかいないのではないだろうか。
イベント会場とかで銀さんコスをしているのを拝見したことあるけど、あれは声優さんがキャラのコスしているという観点から見れば………うんたらかんたら」
うわ~映画館あるあるその9「上映終了後にドヤりながらなんか語ってるヤツ」だぁぁこれぇぇえ。
【上映終了後にドヤりながらなんか語ってるヤツ】
上映中というリミッターが外れた彼ら自称映画通に恐れるべき物など何も無い。
恐らく興味本位で付いて来たであろう友人に感想やにわか仕込みの知識に基づいた弁舌を振るう。
例え的外れな内容だろうが関係ねえ!
「あくまで友人に話している」という体を利用し、全く関係の無い観客に対する「俺こんな事知ってるんですよ」アピールも勿論忘れない。
誰も自分の感想なんて聞きたがっていないとは微塵も思わず、出口まで他人を付き合せる。そう、それこそが彼らの映画館に来る目的なのだ。
ここ数年はアメコミ原作の映画に出没したとの報告が多数寄せられている。
【byグーグル先生】
マジかっ。しーさんて↑上に書かれているようなタイプだったのっ!?
そ、そういえば一緒に映画を観に来たのって今日が初めてだったかも……うわ~だからかっ今までいくら誘っても一緒に来てくれなかった理由は……。
「どうしたの? 美希」
「え?」
熱弁し終わって満足してくれたのかな? やり遂げたって顔でしーさんの顔が近くにありました。
うん。まぁ……
「お疲れ様です、しーさん」
「?」
よく分からないといった風のしーさんの事はそっとしておくとしよう。
これ、相手をするとまたスイッチが入って喋り出す奴だから、多分…。話題を変えないと……なにか映画以外でいい話題ないかな……なにか…。
「大和殿?」
「へ?」
考え込んでて気が付きませんでした。
いつのまにやら最近出来たオープンカフェに辿り着いてました。しかもそこで飯野先輩がメロンソーダー片手にセレブ感出してゆったりしていました。なんでだろ……なんかムカつく。
「こんにちは~緑さん美希さん」
「こんにちは」
「ど、どうも…」
この人苦手です。会長相手にも平気で喧嘩吹っかけますし、そもそも何考えているのか分からないないし、変なあだ名付けて来るし……とにかく嫌いです。大嫌いです。
「お二人はデートですか~?」
「はいぃぃ!!?」
な、ななななにを言っているんですかぁぁあこの人はぁぁぁああ!!
自分としーさんは女の子同士ですよ!? ただの幼馴染ですっ。そ、そんなデッ、デデデデ、デートだなんて、そんなことあるわけっ///
「違う。映画を観に行った帰りだよ」
あっさり答えるしーさん。うん。そーですよね、はい。分かってましたとも、ええ。
「大和殿は…休憩?」
「そうですね~。それと応援ですかね~」
は? 応援って誰を……飯野先輩が見つめる坂の下の方に視線を向けてみると……あ。
つづく☆
- その十七「夏だ! 海だ! 水着だ!」 ( No.54 )
- 日時: 2017/09/18 08:57
- 名前: 雪姫 ◆kmgumM9Zro (ID: 6SeEpuIV)
『アホの子達が一か所に集まると…』1-5
「ぱ、ぱぱぱんつよーーど、どどどうしましょう!! あ、ああ足田さんんんっ///」
「何やっているんだろ…あの人は……」
遠く。そこまで遠くではないかなってくらいの距離、目の前にある坂を真っ直ぐ下った先にある住宅街の電信柱の後ろで顔真っ赤にして叫んでいる会長の姿がありました……声デカすぎです会長。近所迷惑ですよ?
その隣にいるのは足田っちですね。離れているから声は聞こえないけど、なんか会長と楽しくキャッキャッやっているのは分かります。楽しそうですねー、本当に。
「あれは……高浜さん? あんなところで何してるんだろう?」
「さぁ? なんでしょうね~クスクス」
この笑い方……。この人絶対分かったうえで見てるよ……。全部理解してるうで楽しんでるよ……。趣味悪っ!
変な会長もそうですが、変な飯野先輩もほっといて行きましょう、しーさん。変な人に絡んで変なことに巻き込まれるのはもうこりごりですっ。
二十話みたいなことはもう絶対に嫌ですからねっ!! 頑固拒否します!
って訴えていたのに……心の中で。
「ピンポーン………って鳴らせばいいのよね?」
そーですよ。ってかなんで玄関前でそんなに悩むことがあるんですか会長、と言いたくなったけど我慢我慢。
自分としては一刻も早くしーさんをアホから離れた安全で健全な場所に避難させたかったのに、アホはしーさんと自分を放してくれませんでした。
飯野先輩が「せっかくだから~終さんの家へ遊びにいきません?」って言いだしまして、何故かしーさんも「終殿の家……行ってみたい」ってのりきだったし……途中で会長回収しちゃうし、アパートの玄関前で立ち往生してるし、なんなんですかもうっ!!
足田っちは陰ながら応援してまっすって言い残してどっか行っちゃうしもぉー!!
「さっさと鳴らしてください会長。何をそんなに躊躇しているんですかっ」
もうかれこれ10分くらい人の家の玄関前で立ち往生してますよ、この人。
どんだけチャイム鳴らすの恥ずかしいんですかっ。ただポチっと押すだけでしょう!? もう代わりに押してあげようかな…。
ガチャリ
「は?」
「「えっ?」」
まだ鳴らしていないのに鍵の開く音が……中からではなく外から……それも他の階とか隣近所とかじゃなくてすごく近く、なんなら手元らへんにあるところから……
「って、何やってるんですか飯野先輩っ!!?」
「なにって~鍵開けただけですけど~?」
悪びれることもなく平然と言ってるよこの人…怖っ。
飯野先輩の手にはその道のプロが使うような道具……ではなく女の子の必需品ヘアピンが握りしめていました。
え? それで開けたんですかっと思ったのが口に出てしまっていたのかな、飯野先輩は
「これは僕にとっても必需品だからね~」
と教えてくれました。妙に手馴れてる感あるのは、常習犯だからか……うん、警察に通報しよう。
通報しようと思ったけど、相手は飯野先輩。その後の仕返しが怖いので止めました。しーさんにまで危険が及んだりしたら元も子もないので。
「勝手に鍵を開けたりして…大丈夫?」
そーですよ! さすがはしーさんです! 常識人の鏡です。言ってやってくださいっこの犯罪者にっ!!
「大丈夫ですよ、僕と終さんの仲ですから~」
いやっ勝手に家の鍵開けて入って来る仲ってどんな仲ですかっ!?
しーさんとだってそんなことしませんよっ! しようとだって思いませんよ、普通っ!
「そっか。なら大丈夫だ」
「しーさん!?」
まさかの納得しちゃった!? 人を疑う事を知らない純粋でいい人なのはしーさんの良い所であり、悪い所でもあるよっ。
「………」
さっきからずっと黙り込んで考え事をしている会長。
そうだった。まだ常識人代表この人もいたんだった。最籐先輩が絡むと、変なスイッチが入っておかしなことになるからすっかり忘れてたけど、一応この人生徒会長だったっ。
さあ、会長! この準犯罪者に一言、言ってやってくださいっ!! という自分の願いが通じたのか会長はこちらを見てうんっと力強くうなづいてくれました。
やっぱりあなたは…
「最籐のお部屋へ突撃訪問して驚かせちゃいましょう!!」
「(あはっ面白くなってきた♪)お~頑張りましょう~」
「(終殿の部屋…ワクワクドキドキ)驚いた顔も見てみたいかも」
最籐先輩が絡むとダメダメですね……。
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つづく☆
- その十七「夏だ! 海だ! 水着だ!」 ( No.55 )
- 日時: 2017/09/19 14:50
- 名前: 雪姫 ◆kmgumM9Zro (ID: eK41k92p)
『アホの子達が一か所に集まると…』1-6
「と……いうようなことがあったんです」
長々とここに来るまでにあった出来事を語り終えて、はあぁぁぁぁと大きくため息をつく朱雀。
まあ…そのなんだ、お疲れ。フラグ回収係ってのはたてるだけたてて放置したフラグを一個一個全部回収し回らないといけなんだな、大変そうだな。ま、頑張れ。
という気持ちを込めて視線を送ると、先輩がツッコミを頑張れば自分はこんなに苦労してないです!!とでも言いたげな視線で返された。
ごもっともな意見だが、俺も幼馴染と分類されるアホ共の相手で精一杯だ。他のアホはお前に任せた。
と気持ちを込めて…以下略。
「ミキミキと見つめ合っちゃって~、あっくんもしかして~///」
「あ゛?」
「ミキミキにひ・と・め・ぼ・れ、しちゃったー?」
「は?」
「な、なんですってぇぇえええ!!?」
「終殿が……美希のことを……?」
「そ、そうなのかいっ最籐君っ!?」
「へぇ~、終さんってこうゆう子が好みなんですね~」
「大和、ちょー棒読みじゃん、ウケるんですけどー!!」
「あ~~~~聞こえない~~~」
「…………フフッ」
なんかアホ子のせいでアホ共が盛り上がっている、ウゼー。全員殴って黙らせるか……と拳を握り締め力を籠めると
ツンツン。
「?」
誰かに肩を軽くつつかれた。細い指の先にちょんちょんとされた感覚……。
アホ子、小野、緑屋、飯、高浜、水仙時、朱雀、目の前にいるアホ共じゃないとしたら誰だ?
後ろを振り返ってみると、そこにはカーテンの後ろに隠れていたはずの、翡翠がちょこんと正座で座っていた、そしてボソッと俺にしか聞こえないような声で
「カープ優勝したね」
と言った。そ、そうだなと、ぎこちなく苦笑いしてやると満足してくれたのか、カーテンの後ろに戻っていった。
うん。なにがしたかったんだ、あいつは……。
一通り騒いで満足したのかアホ共は
「じゃあ、水着買いに行こうっ!!」
「おぉ~だしー!!」
「しーさんっ、こうなったら自分がしーさんに似合う新作の水着選んであげますからねっ!」
「気持ちは嬉しいけど、僕は水着なんて着ないからいいよ…美希」
「庶民のお店に僕様に似合う水着はあるのかな?」
「あ、じゃあ水仙時さんはお留守番ということで~いいですね~」
「え……いや、行くよ、僕様も……?」
「新作の水着、ど、どんなのがいいかしら///」
勝手に話しを進めて盛り上がりそして
「んじゃ、あっくんのせいで尺使い過ぎたから、無理やりにでも切り上げてお店へ行かないとね~~」
おい、尺なんだっ、アホ! 俺のせいでってなんだっアホ!
「「「ワーーープ!!」」」
いつの間に打ち合わせしたのか、俺以外の全員が一斉に同じ言葉を叫びジャンプすると…
「ついたー!!」
何故か、大型ショッピングモールしかも3階中央、女子高生に今大人気と朝の情報番組で言っていた水着専門店の前に全員で立っていました。
「はあああああぁぁぁぁ!!?」
※その日。ショッピングモール内では、男子高校生の絶叫が響き渡ったりしたそうな、そうでもないそうな。
水着コレクション『ルイ君はトモ君を呼ぶ』へつ・づ・く☆
***
二年連続優勝おめでとう!! 優勝セールで現場は地獄です(。-`ω-)
- その十七「夏だ! 海だ! 水着だ!」 ( No.56 )
- 日時: 2017/09/21 09:58
- 名前: 雪姫 ◆kmgumM9Zro (ID: zEDABVSv)
「………」
目の前に広がるのは、楽しそうにキャッキャッと言いながら水着を選んでいる、女子共。
そして
「おかあさぁん。あの人ー」
「ほらっ。目合わせちゃいけませんっ!!」
自分の部屋に居たはずなのに、気がつけばショッピングモール三階エリアに立っているという不思議現象を体験した、最籐 終くん。
……普通驚くだろ! こんな不思議現象体験してしまったらっ! 驚き過ぎて叫んでしまうだろっ!
でもそれが原因で今、俺は他のお客から白い目で見られ、ひそひそと陰口を叩かれています…。クソがッ。
「あっくん、あっくーん!」
少し離れたところにいたアホ子が手を振り、満面の笑みでこっちに向かって来る。
なに、お前離れたところにいるんだよっ。数秒前まで隣にいたのに、瞬間移動かっ!
「何言ってるの、あっくん?」
「うっせっ!!」
ボケてアホにツッコミ入れられるのが一番腹が立つ。
「で、なんのようだ。アホ子?」
「うん! ハイッ」
と、目の前にアホ子の手のひらが差し出された。
「イタッ!?」
なにがしたいのか全く分からなかったが、ムカついたのでとりあえず叩き落としておいた。
叩き落とされた手を撫でながら、「もぉ~あっくんちがうよ~」とか言っているが知らん。
アホの考えなんか分かるか!っつか分かりたくもないわっ!!
「ハイタッチだよ! ハイタッチ!」
「あ? なんでお前とハイタッチなんてしないといけないんだよ」
「だって、今回から中編? シリーズ物? は交代制でやることになったからだよっ☆」
このアホは何を言っている。…すまんが、誰か通訳を頼む。
ウィ~と言いながら、アホがなんとかよしお、一発芸人風のキモイ動きし始めた。ウゼー。
殴って、さっさと俺の部屋に帰りてぇー。
「ほらほら~、早くハイタッチしないと永遠にワタチのよしおダンスを見つづける事になるよ~」
ウィ~とキモイ動きをするアホ。
「そうだな。アホ子はウゼーし、家には帰りてーし」
「おっ♪ やっと、やる気になった?」
「おう。ちょっと……そこを動くなよ……」
「ん? あっくん、ハイタッチだから助走はいらないよ?」
目一杯、アホ子から離れて……そのまま…
「逃げる!!」
「あっくーーーん!!?」
「フハハッ。アホめっ! 逃げ切れば俺の勝ちだっ!!」
※それはどうかな~?
何ッ!? 何者かが脳内に直接語り掛けて来ただとっ!!?
「あ……あれ…空間が歪んでいるような…」
目の前がユラユラと歪み。足元がフワフワと浮いて動きづらい。
意識がもうろうとして、なんだか急に眠気が……
――バタンッ。
***
『ルイ君はトモ君を呼ぶ』千代紙 ちよ子side
「よしゃあああぁぁぁ来たぞおおぉぉぉ!!!」
「「水着ショップッ☆」」
ふふんっ。今日もイラちゃんとワタチは絶好調だね! 息ピッタリだよ!
そういえばー、ワタチが主役やるのってりっちゃんが初とーじょうしたとき(十二話)以来なんだって♪
はっっ!! まさかヒロインの座、あっくんのお嫁さんの座を奪われる危機到来っ!!!
「………」
んなわけないかっ☆
みんな可愛いけどワタチには敵わないもんねっ♪ ワタチが世界一、いや宇宙一、可愛いからっ!!
「あー!! この水着可愛い!!」
白い生地にオレンジの水玉模様のビキニ♪ 布生地が少なくて肌の露出部分が多いから、健康男子のあっくんもきっと喜んでくれるよ!
「あっくーーーん」
「俺は……今まで何を……していたんだ……うっ、頭が痛い」
お店の入口のとこで、頭抱えて何してるんだろ??
ま、いいや! あっくんっていつも何かと葛藤してるもんね。ワタチへの熱い想いとか///
「この水着どう?」
「知るか」
くぅ~~/// 一言でバッサリ切られた///
「こうゆう品のある方がいいですよねっ!」
ワタチとあっくんの間に割り込んできたのは、同じく白いビキニ。フリルで胸の真ん中には白い大きなリボンが可愛い、清楚なお嬢様って感じの水着を持ったりっちゃん。
しかもカップデカッ!! ワタチが持ってる水着の何十倍のデカさだよっソレ!!?
「知るかよ」
「え……えぇ~」
あ。りっちゃんもあっさり、ばっさり、切られてる。
あのデカップでもあっくんを満足させてあげることが出来ないのかっ!!!
くそうっ、どんな水着だったらあっくんを満足させて「それいいな///」って言わせて、照れ顔が見れるんだああぁぁぁ!!
「フッ。僕様の出番かな」
「ナルシー!?」
おおっナルシー参戦っ!? 頑張れナルシー、君ならできるよ!!
「僕様とお揃いの水着にしても良い権利を…「しねーよ。キモイ」
「頑張った。ナルシーは頑張ったよ!!」
「……うぅ」
傷ついて帰って来た戦士、ナルシーの背中を撫でてあげる。
あっくんめ! 本当に悪魔のような男だな! そんなところがまた好きなんだけどねっ///
「はぁぁぁぁぁぁあああ」
「深いため息? どったのあっくん、お腹でも痛いのー」
「違う、俺は行かねーぞ」
「トイレにー」
「海にだ、アホ!!」
「「「えぇぇぇええ!!?」」
「またまた~」
あっくんってば、普段から言い慣れてないから冗談言うのが下手だな~もう。
「さ、最藤君がいないのなら、わ、私は何の為にっ!!」
「この不良が風紀乱さないか見張ってろよ!」
「ふぁ~?」
「ってなに一人でたこ焼き食ってんだ、飯!」
「あ。メッシーそんなところにいたんだー♪」
お店を出てすぐにある休憩用の椅子に座って、たぶん一階にある食料品店で買ってきたっぽいたこ焼きをはふはふしながら食べてるメッシ-はっけーん♪
美味しそうだな~……あのたこ焼き。じゅるり。
「………あげませんよ」
「いらねーよ!!」
「えぇぇ!! くれないのっ!?」
「食べたかったのかよっ!!」
ガックシだよ…。
「そんな…たこ焼きが食べられないなんて……」
「そんな…最藤君がいない旅行なんて……」
※二人の乙女のテンションが一気に削られました。
「しゅうくん……本当に行かないの」
「ああ」
彗ちゃんがあっくんに話しかけてる。彗ちゃん。こうなったら君だけが頼りだよっ。
あっくんを落として! 崖からっ!!
「みんなしゅうくんと仲良くなりたくて…」
「いや……アンタはいいんだけどさ(ちょっと怖いけど)
あいつらは変じゃん」
「「ええッ!!」」
「はふっ」
指さす方向にいるのは、りっちゃん、ナルシー、メッシーの三人。
メッシ-はたこ焼きに夢中でこっちの話なんて全然聞いてないみたいー♪
「うん、確かにずっごく変だね」
「「ウソッ!!?」」
「でも……そんなこと言ったらしゅうくんも十分変だよ?」
「なぁぁあああああ!!?」
うんうん。言ったれ、彗ちゃん。
「だって偏屈で頑固でお友達を作ろうとしないし…」
「変な連中ばかり寄って来るからだっ」
「類は友を呼ぶ、だよ……しゅうくん」
「アホ子が傍に居るせいだろう!!」
「ちよこちゃんが傍にいるのもしゅうくんが変なせいだよ?」
「(ガーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!)」
あっくんのライフゲージがヤバイ! 真っ赤だ。ワタチがフォローしてあげなきゃっ♪
「まあ、あっくんってちょっと変なところがあるよねー」
あれ? これってフォローになってるのかな?? まっいっか♪
「(こいつは……)だが、その理屈だとアンタも変ってことになるぞ!!」
「……自分は常識人だ。変じゃないって思っている人なんているの?」
「ヴッ!!」
「みんなのこと嫌いなの? わたしとも友達やめちゃうの?
そしたらちよこちゃん以外友達0人になっちゃうよ」
「グザッァァァ」
「嫌われちゃったらもうわたしにはどうすることもできないよ。
しゅうくんは一生ちよこちゃんと二人っきり、仲良く暮らすことに……「ま、待て」
おや……あっくんの様子が……。
「わ、分かった! 海……行かせてもらいます」
「「「「わぁ♪」」」」
あっくんが仲間になったっ♪
「翡翠君、さすがだね」
「やるじゃないですか翡翠さんっ! 見直しましたっ」
「彗ちゃんえらーい♪」
「えへへ」
彗ちゃんの頭をなでなで~♪ なでなでして初めて気づいたけど、彗ちゃんの髪の毛って触り心地がいいね!
抱きしめたくなる、愛されボディのしおちゃんとはまだ別の魅力はっけーん♪
シャンプーの香りもいい匂い~♪ どこのお店のか今度聞いてみよう~とっ。
「翡翠君が捨て身で切り開いてくれた旅行だ。最高のものにしようではないかっ!」
「だねっ! それじゃあ……」
「「「「みんなお揃いの水着で!!」」」」
「それは断る」
※一人一人、水着を紹介するパート。
お話に出て来なかった、イランちゃん、詩緒ちゃん、美希ちゃんのおまけ話。
…は時間のある時にでも書く予定です。
次回『高校生デビュー』主役はまさかのアノ人です! ……誰だ?
(原作を知っている方は流れ的に分かるかな~??)
***
なんとか一枚に収められたーw前の話が本当に長すぎました。疲れました……。
彗ちゃんゴメン。今度時間のある時にでもカットした「彗インポッシブル」を書くので許してちょんまげ(/・ω・)/
- その十七「夏だ! 海だ! 水着だ!」3-1 ( No.57 )
- 日時: 2017/09/24 11:23
- 名前: 雪姫 ◆kmgumM9Zro (ID: xGY5.0e4)
あさ。
真夏の太陽が照りつける暑い日。
こんな暑い日に駅のホーム前に立つ電信柱の後ろで張り込みをさせるなんて、随分とふざけたことをさせてくれるわねっ。
作者と言う生き物はそんなに偉いのかしら? まるで自分はこの世界の神だとでも言いたげな態度で本当にムカついたわっ。思わず手に持っていたうまい棒を投げつけてやりたくなったわよ! 投げないけどねっ。
投げずにまずは自分でむしゃりむしゃ、あ~美味しいと、目の前で美味しく平らげてやって残りかすが付いた袋の方を投げてやったわっ。
うふふっ。何度思い出しても笑えるわ。どうせならっコーンポタージュ味が良かったぁぁぁああ!! って泣き崩れたは姿はとても滑稽だったわ♪
「っと。いけない、いけないっ」
アホのアホ面を思い出してたら、本来の任務を忘れかけていたわっ。
どうして私が駅のホーム前にある電信柱の後ろで、焼けるの覚悟で張り込みなんてことをしているのかと言うとなのね…。
「おはようございます。さすが会長、お早いですね」
「ふぁ……眠い」
「来たわね…メスパラガス!!」
ある筋から手に入れた情報によると、今日あっくんとちよ子達がお友達と旅行に行くらしいのよ。
ちょっと、奥さんっ信じられます!? 高校生だけで旅行に行くって言うんですのよっ!?
これは間違いしか起こらないわ!! 私も高校生の時はお父さんと間違いを起こそうと毎日努力し頑張っていたものっ。
きっと、あのメスパラガスだって同じことを考えているはずっ!!
そんなことさせるものですかっ! 既成事実からの恋愛なんてねぇ! 糞喰らえなのよっ!!
「あっくんは私の老後安泰の為に……」
「おはようございます。緑屋さん、朱雀さん。今日はいいお天気なって良かったです」
ニコッ!!!!!!!!!!!!!!?
「なっなにぃぃぃぃ!!?」
なにっあの完璧美人オーラを放つ女はあああぁぁ!!? サラサラストレートが素敵な大和撫子のようで、世の中を見透かした、あの黒真珠のような黒い瞳が逆に怖いわっ!!
しかも今どき祭りに行くわけでもないのに浴衣/着物(薄単衣)ですって!?
いいとこのお嬢様のような気品をかもし出しつつ、和服と決め込むことでちょっぴり庶民な感じも出て近寄りがたい高嶺の花オーラを薄めたですってええぇ!!?
なんなの……あの新人ルーキーは……。あんな女があっくんの傍にいるなんて聞いていないわよっ!!
「ん~~……あ、おはよう……ぐぅ」
「半分寝ながらここまで歩いてきたんですか……? 器用ですね、飯野先輩…」
「僕にもこのスキルがあれば…「真似したら駄目ですよっしーさんっ」ぅ」
「やぁ。みんなごきげんいかがかな?」
「優雅くん、おはよう」
「あ…うん。おはよう緑屋君。
(そういえば緑屋君って男子のことは~殿と呼ぶんじゃなかったっけ?)」
※敬意のある人に対してだけです。
「おはようございます、水仙時さん。今日はお付きの人はいないのですね?
此処まで歩いて来たのですか?」
「たまには庶民の生活と言うのも味わってみたかったからね。電車とやらに乗るのも今日が初めてだよ
(そうえば高浜君も男子のことは~くんって呼んでいたのにどうして僕様だけ……ハッ! まさかっ!!)」
「いえ。違いますから」
「…………君はエスパーかい?」
・
・
・
「ハッ!!?」
ぼんやりあの子達の会話を聞いている場合じゃなかったっ!!
今のところいる女子は、メスパラガスと泥棒猫と…
「それにしても遅いですね…他の先輩達……」
ちんちくりん。
あの娘を一言で言い表すならそれしかないわね。
小さくてメッシーくんと隣に並んでいたら小っちゃいもの倶楽部で超可愛いじゃないっ!! 頭をこねくり回して、抱きしめて家にお持ち帰りしたいわ♪
顔から視線を下ろせば……
ぺたん。
うん。無害で安全なゾーンね。むしろどんどんちよ子とは仲良くなって欲しい娘だわ。
ちんぱいちゃんとはぜひ心友という間柄になって欲しいわね♪
「クシュンッ!(………なんだろ今ずっごく失礼なこと考えられている気がする)」
うんうん。くしゃみも可愛いなんて”お姉さん”ますます気に入っちゃったわ♪
それに比べてあの泥棒猫ときたら…
「あら? 誰かに見られているような…?」
ばい~~~ん!!
クソガキがぁああ!! 何気に私よりもデカイとか、喧嘩売っているのかしら!?
「上等よ! その喧嘩、勝ってあげようじゃないっ!!」
「待って、ください」
えっ。後ろから腕を掴まれた。綺麗な声だったからきっと掴んで来たのは女の子ね。
でもこの私に気づかれることなく、背後をとれるなんて何者? どこかの組織の刺客かしら…?
「振り返らなくてもいいです。わたしの話を聞いてくれればそれで」
「……。それでなんのようなのかしら?」
相手から敵意は感じない。むしろ敬意? のような視線を感じるのは何故かしら…?
「会長は悪い人ではないです」
「会長? それはあのデカパイ女のことかしら?」
「そうです。あの水風船のことです」
周知の事実ってことね。
「悪い人ではないってのはどうゆことかしら? あのデカパイは罪の証。
きっと澄ました顔して実は裏で男を喰いまくってるタイプよあれは。実際私の友達がそうだったもの」
「確かに会長の水風船は悪の根源です。あの水風船に誘われた男の子たちは皆、落とされました」
地獄に、なのねっ。みなまで言わなくてもわかるわ。なんて酷いデカパイ泥棒猫女なのかしら!?
「わたしたちの敵。健康男子のしゅうくんには目の毒。
でもちよこちゃんにとっては……大切なおともだちなんです」
「えっ?」
なんでここでちよ子の名前が出てくるのよっ聞き返そうと、後ろを振り返ったら
「いないわ…」
後ろには誰もいなかった。握られていた腕にはまだ彼女のぬくもりが残っている。
確かに彼女は私の後ろに居て話をしたはず、あれは夢でも幻でもないはず……。
「みんなオッハー☆」
「やっぽ~~☆」
「よぉ」
不思議な白昼夢に浸っている場合じゃなかったわね、ちよ子達がやってきてしまったようだわっ。
あの娘たちにバレないように尾行して、あっくんとイイ感じになりそうなってる不届き物が居たら人知れず成敗する! それが今回の私に与えられた任務なのよっ!
物語の後半戦に入ったところ。あっいえ。タイトルが出てきてないから、正確に言うなら前振り部分が終わろうとしているってところかしら?
まあどちらでもいいわね、そんなことっ。このままダラダラズルズル進んで行った挙句に、何もないまま終わってしまう方が一大事だったわよ。
さあ、電車に乗るあの娘たちを尾行して……
「高浜。着物着てるのか? 風流でいいなそうゆうのも」
「りっちゃん、お祭りに行くのー!?」
「海に行くんですっ!! えっと……いいでしょう///
おばあちゃんが着付けしてくれたんです」
泥棒猫が頬を赤くしてあっくんの前でくるりと一回転。
えっと? ちょっと待ってくださいな? 一気に情報が入って来て処理が追いつかないわ…。
高浜? りっちゃん?? ちよ子のお友達の…
「高松 律子ちゃん!!?」
えっ? ちよ子が小学生の頃、ご両親の都合でこの町に引っ越して来られて、たまたま同じクラスになったちよ子と仲良くしてくれていたあのりっちゃん!?
あのガリ勉メガネで、地味で影薄子で、皆の輪に入れなくて教室の隅っこで一人シクシク泣いていた、あのりっちゃんなの!?
「どうしてそんな雌豹みたいになってしまったの、りっちゃん!!!」
「だ、誰ええぇぇえ!!?」
あ。興奮しすぎて思わず電信柱の後ろから飛び出して、りっちゃんの肩を掴みかかって叫んでいたわ…。
「あっお母さん♪」
「千代紙君の母上殿ではないか」
「う……(あの人苦手…)」
「どうしたんですか、しーさんっ??」
「ふぁ……(また面倒くさい人が来ましたねぇ~……このまま寝たふりでもしてましょうか)」
「……はぁ(なにしでかす気だ。あの人は…)」
「あ。ヒコーキ雲じゃん! 写メ撮ろ~と♪」
つづく☆
- その十七「夏だ! 海だ! 水着だ!」3-2 ( No.58 )
- 日時: 2017/09/24 11:16
- 名前: 雪姫 ◆kmgumM9Zro (ID: xGY5.0e4)
出てきてしまっては仕方ないわね。こうなったら、あっくんの誘惑する不届き者をここで全員成敗してあげるわよっ!!
『天誅』千代紙 れい子side
***
「うっふふ。娘からみんなで旅行に行くと聞いてね
それにしても驚いたわ~。まさか。あの地味だったりっちゃんがこ・ん・な」
「え? …え。…え??」
「あっくんを誘惑する、雌豹になっていたなんてねっ!!」
「えぇぇ!!!?」
「りっちゃんってヒョウだったの!?」
「違いますよっ!!」
顔を真っ赤にしているけど、その視線は私に対してではなくあっくんに対して。
恥しい事実を言われて焦りつつも、意中の相手のフォローを忘れない。…なんて出来る女に成長しているのりっちゃん。…恐ろしい子!
「わ、私はただ……地味だった自分を変えたくて…」
「あっ会長って高校生デビューだったんですねー」
「そ、そうなんです! さ、最藤君を誘惑するなんて……そ、そんなことするわけないじゃないですか///」
もおと頬を膨らませで潤んだ瞳を輝かせるりっちゃん。
「あら? そうだったの?」
「そりゃそうですよー」
「「「アハハハハハッ」」」
ちよ子も加わって乙女3人で仲良く笑い合う……
「って誤魔化されるかぁぁぁあああ!!! 雌豚がぁぁぁっぁああああ!!!」
「誰が雌豚ですかぁぁぁあああ!!?」
やっぱりとぼける気なのねっ! 上等よ、なら公衆の面前で恥ずかしい思いをさせてあげるわぁぁあ!!
りっちゃん。いえ、ここまで堕ちてしまってはもうあの頃の地味で毒なのが安心して見れたりっちゃんではないわっ!
もうあれは敵! 女の敵なのよっ!!
「貴様は絶対に海には行かせないぃぃぃ!!」
足元に置かれていたキャリーバッグを開けてみれば、大切にしまわれていたフリルが可愛い白いデカパイ水着を発見!
「あっ! 私の水着!!」
当然。見つけたならばバックから取り出すわよね?
※いやそんなドヤ顔されましても……。
「な、なにをするんですかぁぁ!!?」
「なにを、するって……」
もしもの時の為に忍ばせていたマジック(油性)を取り出しキャップを外して
「◎(二重丸)を書くっ!!」
「イヤァアアアアア!!!」
白い水着の中央に書かれた二重丸。
「こ……この……」
「なんてゲスイことを……」
「オッホッホ、こんな水着では海には行けまい! オホホーホッホ!!」
悔しそうに膝から崩れ落ちるりっちゃん。彼女ははもう駄目ね。
海には行けず、恥ずかしさのあまりあっくんの前に姿を現すこともできないでしょう!
「行きますよっ!」
「こんな水着を着て? 恥ずかしい女ー」
「ワタチも着るから恥ずかしくないぞー!」
「なっちよ子!?」
「私は上からシャツを着ますよ!!」
「なるほどー」
くっ。意外としぶといわね…りっちゃん。でもねっ、私にはまだ最終兵器が残っているのよっ!!
「こうなったら、二重丸の部分をハサミでくりぬいてくれるわぁぁあああ!!」
「んぎゃあああぁぁぁ!!!」
「いい加減落ち着いてくださいっ、母上殿!!」
「んなっゆーがちゃん!?」
こんなパットでのポットで野郎に背後を取られしかも肩に腕を回され身動きを封じられてしまうなんてってうかつだったわ!
でもまだ手はある。私は女、ゆーがちゃんは男の子。ならやることはひとつしかないわっ。
「いや~~ん。痴漢よ~~」
「ちょっ!!?」
「ナルシーの熟女好き~♪」
「違うから、千代紙君っ!!
たとえ変な濡れ衣を着せられても僕は放さないですよっ!
楽しみしていたみんなとの旅行をこんなおばさんに邪魔されたくないからねっ」
「……おばさん、だと?」
「え」
「この小童があああぁぁぁ!!!」
「「ぐはぁぁあ!!」」
油断大敵ってね。スルッとゆーがちゃんの腕から逃げて、逆に私を封じてたその腕を掴んで呆然と立っていたりっちゃんに向けて投げつけてくれるわぁぁぁ!!
「つ、強い…」
「貴様らガキ共とはくぐってきた修羅場の数が違うのよ」
さあこれで終わりよ、りっちゃん!
右手持つハサミを掲げ、左手に持つ水着目がけて振り下ろす。
「ヒャァァァパァー!!
あっくんは、誰にも渡さんわぁぁあああ!!!」
「いやあああああああ!!!!!」
ガシッ。
ハサミを持つ右手が誰かに掴まれたっ。
「なにを……してんすか」
「「最藤君っ!!」」
「ち、違うのあっくん! 私はただ…老後。じゃなくてあっくんの為にっ」
「…………」
上を見ると冷たい、人ひとり殺れそうな目をしたあっくん顔だったわ…。
このままではヤバイ! と本能的に察した私の身体は、瞬間的にあっくんから離れ
「だって。だってあの雌豚があっくんをっ」
「なっ///」
今回の事は全部あの女が原因なのよっと説明しようとしたのだけどその前に私の背後をとったあっくんに
「もう40近いんだし、ちょっと落ち着きましょうか……」
「アガガガ……」
首に腕を回され締められる技、スリーパーホールドをきめられてしまったわ。
「ガァァァァ!!!」
痛い! いやそれ以前の問題のような痛さ、このままでは落とされてしまう!
ギブギブギブッと絞めてくるあっくんの腕を叩くと解放してくれたわ。ハァーハァーとまずは新鮮な空気を肺に取り込む。
「で、どうします? もうこうゆう事しないと誓うか、もっと痛い目みますか?」
仁王立ちし説教をするあっくん。
あっくんに近づき誘惑する雌豚&メスパラガスに天誅を与えないか、もっとあっくんに痛めつけられるか、の二択から選べですって……そんなのっ
「どっちもお断りだわぁぁぁああ! これでもくらいなさいぃぃぃい!」
私はあっくんを錯乱させその隙に逃げる為”身に着けていたあるもの”を投げつけてやったわっ。
「ふおっ!? な、生暖かいっ」
脱ぎたてほかほか。私の勝負下着(上)紫のレースが大人の女性っぽくて素敵でしょっ! オホホホー♪
「あ、しまったっ」
「甘いわねー! そこの雌豚の思い通りになんてさせないわぁぁあ!!」
「なっ!?」
「このままで済むとは思うなよぉぉおおお!!! オーホホホホホホッホホウッ!!」
「「「「……………」」」」
「たくましすぎるな……」
「行ってきまーす♪」
※逃げるれい子の背中を見つめる5人と笑顔で手を振るちよ子と
「野良猫カワイイし~写メ、写メ♪」
「うふふっ。今日もいい写真が撮れた」
写真を撮ることに夢中な乙女が2人。
- その十七「夏だ! 海だ! 水着だ!」 ( No.59 )
- 日時: 2017/09/24 12:29
- 名前: 雪姫 ◆kmgumM9Zro (ID: xGY5.0e4)
雲一つない青い空
砂浜を照りつける太陽
どこまでも広がる青い海
そうここは__
「海だァァァァ!!」
「だぁ~♪」
海水浴場。砂浜。ビーチ。
駅でちよ子のお母さんと色々あって体力のほとんどを持っていかれたような気もするけどなんとか辿り着いた、海です。
回りには沢山の観光客でいっぱいだ。主にカップルが多い……目の毒って奴なのかな?
「海だー♪ 海だー♪ 海だーキャッホウッ♪」
「イエーイ♪」
海に大興奮のちよ子とイラン。
「んふふふ……」
楽しそうな二人を見ていると僕まで楽しくなってくるから不思議。
一足先に海で遊んでいる二人は放置の方向で更衣室に行って着替えましょう、と腕を引っ張る美希に連れられて更衣室の方へ……って置いて行っても良いの?
「緑屋さんに朱雀さんっ」
「あ。高浜さん」
更衣室には知らない他のお客さんに混じって高浜さんが着替えていた。
そういえば…あの白いフリルのお嬢様風の水着、ちよ子のお母さんが◎を書いて駄目にしてたけど……あれどうするんだろう?
シャツ着て隠すと言っていたけど……
「こんなこともあろうかと、もう一つ用意して正解でした」
「こんなこともあろうかとってどんなことを想像してたんですかっ、会長!?」
高浜さんって用意周到な人なんだ。水着をもう一着持ってきていたなんて。
青い生地で真ん中に大きなリボンが可愛い今度は清楚な感じの水着ですっごく可愛い。
自分達も早く着替えましょうという美希にせかされて、本当は水着なんて着たくないのに仕方なく着替えることに…。
えっと空いてるロッカーは……と探すと、丁度隣り同士に空いているロッカーを発見。
良かったねと美希と笑い合いながらロッカーの戸を開けると中に
”バトン”と書かれた紙が貼り付けられた棒が入っていました…。なんだろう…これ…。
よく分からないものだったので、そのままゴミ箱へさようなら。
水着に着替え終わると、また美希に腕を引っ張られながら更衣室の外へ出て行ってみると
「ねぇ~ねぇ~アタシ達と遊ばな~い?」
「キミ可愛いね~♪」
「え…。えっと僕様は…友達と……」
逆ナンされているっぽい、優雅くんと
「まずは、スイカ割りしよう!!」
「イイネ!」
「ソイヤッ!」
頭でスイカを割るちよ子と割ったスイカを美味しそうに食べるイラン達を冷たく見守る終殿と高浜さん。
そういえばちよ子とイラン、水着を着ているけどいつの間に着替えたんだろう? 更衣室では見かけなかったはずだけど……?
「頭でスイカを割るなんてどんな石頭してるんでしょうね~」
「大和殿」
いつの間にか隣にはズルズルと焼きそばを食べる大和殿とその近くに
「ヤッホー、ミッキー♪」
「ミッキーちゃんだ♪」
「…どうも美希さん」
「ゲッ!!!?」
何処かで見たことがるような子達の姿が……あ。思い出した。
美希のクラスメイトの子達だよ。どうやら彼女達も日帰り旅行でたまたま、ここに遊びに来ていたそう。
偶然友達と会えて良かったね、美希。と話しかけたら、美希は何故か青ざめた顔をしていたんだけど、どうして? 友達と学校以外の場所で会えたのがそんなにも嬉しかったのかな??
「せっかく会えたんだし、一緒に遊んで来たら?」
「ええっしーさんっ!!?」
すっごく嫌そうな顔、今から売られに行く家畜のような顔をしていたような気がするのは僕の気のせい??
うん。気のせいだよねっ。だってせっかく友達と偶然会えたのに、嬉しくないわけないもんねっ。そうに決まってるはずだよ。
「さて_。僕は何をしようかな」
『汚れたバベルの塔』緑屋 詩緒side4-1
- Re: 俺のペットはアホガール*短編集* ( No.60 )
- 日時: 2017/09/26 11:23
- 名前: 雪姫 ◆kmgumM9Zro (ID: 6/JY12oM)
『汚れたバベルの塔』緑屋 詩緒side4-2
選択肢
-ちよ子達と一緒に遊ぶ←ポチッ
「(私はこの海で斎藤くんとイイ感じに…)
ねぇ斎藤くん。よかったら……私と泳ぎに…「貴様ー!! そのデカパイをあっくんに見せつける気かァァァァ!!」んなっ!? 見せつけたりなんてしませんよっ!!!」
「………」
来て早々変な場面に立ち会わせちゃった。
しおーも食べるし~とイランから貰ったスイカを終殿へと持って来たのはいいけど、ちよ子と高浜さんの変な修羅場に出くわしちゃった……。
「で、でも…まぁ。斎藤くんも男子ですし? 向こうから見て来たりはするかも///」
グラビアモデルさんが大きい胸を両腕の内側で寄せるあのポーズ……だっちゅ~の?
で、大きな胸を終殿にアピールしながら照れ顔で言っているけど…
「見ないし」
「ちょ、ちょっとくらい見ても怒ったりなんてしませんよ!?」
「見る気ないから」
「見てよぉぉおおお!!!」
「変態かっ!!?」
あーあ。バッサリ切られてるよ……やっぱり。
美希が前に高浜さんはこの呪われた学校の犠牲者2号なんですよ……と言っていたけど本当だ。
バイオで一番最初に殺られそうな人Tだよ。……高浜さんが2号なら1号は誰なんだろう??
「やはり見せつける気満々かァァァァ!!」
「りつこのえっちぃ~♪」
「………///」
なんて声をかければいいのか分からない。
でも…そうゆうのはもっと大人になってから/// 今の僕達にはまだ早いような///
「お仕置きだああああぁぁぁぁぁあああ!! ハイッィィィ!!!」
「んなっ」
「えっちよ子!?」
お仕置きだと叫んだちよ子が高浜さんの大きなお胸を鷲掴みにして押し倒し上から覆いかぶさったって何しているだっ、二人とも!?
「さ、斎藤くん助けて……って」
「ん………あ」
海の家からレンタルしたパラソル&ビーチチェア&丸い小さなテーブルの上にはハワイアンな感じのハイビスカスあとパイナップルオレンジその他諸々で飾っている、トロピカルジュース。
黒いサングラスもかけて、持って来た勉強道具を手に
「う、海を満喫してるぅぅぅぅうう!!?」
ご愁傷様だよ、高浜さん。
「今だっ!!! どりゃあああっ!!」
「し、しまった!?」
油断した一瞬の隙をついてちよ子は高浜さんを埋めた、砂の中に。
ただ埋めるだけじゃつまらないですよ~、と焼きとうもろこしを食べていた大和からの助言があってちよ子とイランは砂を盛って高浜さんの顔の下に体のラインを作った。
何がしたいんだろこの子達は……そして大和殿はよく食べるな。先程から発見した限りずっとなにか食べているような…。
「やったぞ……」
「?」
「おっぱいを砂で平らにしてやったぞっ!!」
「そんなことっ!?」
「ふぅー、一仕事終えた後のソーダはうまいし」
高浜さんの大きなお胸を封じたいが為に埋めたの、砂にっ!?
イランはたぶんなんのこっちゃ分かっていないんだろうな……すっごく幸せそうな顔でソーダ飲んでいるから…。
そして
「へっでもないわっ!!!」
「なにっマジかっ!!?」
この二人のアホな攻防戦はいつまで続くんだろう…。
「ならばーーーー!!!」
「へ?」
ねぇ…ちよ子、さん? どうしてそこで僕を見るの?
◇
「しおちゃんをこうだぁぁぁぁあああ!!」
「!!!!!!!!!!!?」
埋められました、砂浜に。
高浜さんの隣でたぶん同じように顔の下が人型の形になっている……のだと思う。
どうしてだと思うなのかと言うと、単純に見えないからです。僕の目の前にある縦に大きくそびえ立つ2本の柱、東京タワーとスカイツリーしか見えませんっ。
「これで今1番胸がないのはおっぱい星人のりっちゃんだ!
……しおちゃんが1番巨乳だよっ♪」
「ううぅ、なんだか涙が出てきたよ……」
「そんなに嬉しい??」
「アホね」
「なにぃぃぃ!!? これも効かないと言うのかあああ!!!」
「当たり前です。早く出してくださいっ」
「そうか……」
ちよ子が膝から崩れ落ちた。お、終わったの? この不毛な戦いが……
「これだけはするまいと思っていたが……」
と思ったけど変だ。ちよ子の様子がおかしい…。
「イラちゃんっ!」
「ガッテンだしっ♪」
「「おぉぉおおおおお!! そりゃそりゃそりゃあああああああ!!!」」
「ま、待って!! それはっ待って!?」
イランも参戦して2人で高浜さんの……こか……お股の方にその……砂のお山を……///
「ね、ねぇ! それは駄目でしょっ、ねぇ! ねぇー!?」
「ワタチだってこんなことはしたくはなかった。だが、もう遅いのだっ!!!」
お山はどんどん大きくなっていきます。どんど……///
「わ、わかった! 反省しますからっ!!」
ではどうぞ、高浜さんの謝罪の言葉です。
「こっこのたびは私のおっぱいが大きいせいでご迷惑を……「自慢かあああ!!」どうしろってのよっ!!」
うん。今のは高浜さんが悪い。
「こうなったら、盛って盛りまくってくれるわああああ!!!」
「イヤッ!? それ以上は駄目めめめめめめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!?」
「「オラオラオラオラオラオラァァァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」」
◇
そして数分後。
「我々に勝利だあああ!!!」
「っしゃあああ!!」
「イヤアアアアアアアアアアア!!!」
出来てしまった。高浜さんのこか……お股に高く立派にそびえ立つ汚れたバベルの塔が…。
「わーいわーい♪」「やめてっ! やめてよぅ!」
「うるせぇな…」
ついに彼が動いた。
「やったぁぁぁああ「勉強に集中できないだろうがァァ!!」ゴブゥゥシュッ」
ハイタッチからの抱き合って大喜びしていたちよ子とイランの頭をグーで殴って砂浜に埋めた、さすが終殿。女子相手でも容赦ない……。
「斎藤くんっ///」
「ん……ッ!?」
高浜さんのお股にある汚れたバベルの塔を見てさすがの終殿も絶句。
「あぁ!? こんな私を見ないでーーー/// いやー///」
「はぁ……崩してやるよ……」
さすが終殿、顔は怖いけど根は優しい。汚れたバベルの塔を崩してあげようと手を近ける
「そ、そんなもの触ったら駄目っ!!」
「あ?」
「だってそれ。私的には自分の股間から生えてる感じで、そんなものを斎藤くんに触られたたらっ。
触られたらあああああああああああああああああああああああああああああああ///」
「そうか、じゃあ」
ゲシッ。
「アアッ!!?」
蹴った。
足で蹴って汚れたバベルの塔はへし折られました。
「イヤアアアアアアアアアアアアアアッ!!! アアアアアァァアアアアァァァアアアン、ぁぁん♪」
後に戻って来た
「しーさんになんてことしてくれてんですかぁぁああああ!!!?」
美希に救出され事なきを得ました。
そのあと彗から
「いい写真が撮れた。ありがとう」
って言われたけどあれはどうゆう意味だったんだろう…?
※後編へつづく☆
「……ふふ。またコレクションが増えた」