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コメディ・ライト小説(新)
- 1.唐突な出来事 ( No.4 )
- 日時: 2017/08/04 15:00
- 名前: 岸本利緒奈 ◆YVidvJ3dh2 (ID: GfbO1Kzf)
カキィイイン!
俺の打ったボールがいい音を響かせて、青く塗りつぶされた大空へと高く飛んで行く。
よっしゃあ!あとは全力で走れば!
...と思ったら。
ピピィー!!
「アウトォー!」
ふっふっふ、俺って凄いな、アウトしちゃうなんて。
...アウト!?
よく見ると、守備側はとっくに俺の打ったボールをグローブでしっかり掴んでいて、俺はまだ一塁にも及ばない距離で止まっていた。
どうやら俺の打ったボールに見とれて、立ち止まってしまったらしい。
そ、そんなぁー...。トホホ。
そうがっかりしたけど、練習試合が終わり、みんなが笑って帰りの準備をしているのを見て、「まあいいか」と思った。
おっと、自己紹介忘れてた。
俺は中橋敬一(なかはしけいいち)。野球部所属のスポーツ万能な蛇ノ目中学二年生。野球は大得意のスポーツで、特にバッターが上手いんだけど...あー、さっきのは無念だった。ハッハッハ。...笑えねー。
話がずれたな。...まあ、頭はいいんだぜ!前の中間テストでは百六五人中、百六二位だったんだ!
...え、頭悪すぎだろ、だって?いやいや、普通はビリと一点、二点を争うほどの点数なんだぜ。そう考えると、天才だなって思えるだろ?ふっ。
そういや、今日は母ちゃんが仕事でいねえんだった。よっしゃ、ゲームやりまくってやる!そして母ちゃんのカレーライスの中に福神漬けつけてやる!母ちゃん、福神漬け嫌いなんだ。
そんなこと考えているうちに、あっという間に俺の家へ到着。
鍵を鍵穴にさしてと。
ガチャ。
「ただいまー!」
靴を今すぐに脱ごうとしたとき。
「お帰り」
...え。
俺はバッグをソッと置き、声のした方へ行く。
リビングを見たその瞬間、俺の背筋を、冷たい汗が通った。
当然だろ、だってやつは...
俺と同じだったんだもの。
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