コメディ・ライト小説(新)

Re: 満月ウサギとクール男子~短編~ ( No.1 )
日時: 2017/11/08 15:19
名前: 雪原みっきい (ID: 9Urj1l4Z)

prologue
「もう!ここどこよー!」
利月の声が夜中の雑木林にこだます。利月がここにいるのにはわけがある――――――――――。

数時間前、利月はパパに
「お前はこの家にいる資格がない。」
と言われた。ママにも
「だから、この家から出て行ってほしいの。」
と言われた。でも利月はそれに負けず、こう反論した。
「何で?私頭いいし、ちゃんと気遣いもできる。運動神経だっていいし、お手伝いもしっかりするでしょ?
 私が出ていく理由なんてないじゃん。出ていくとしたら美菜でしょ。」
と。だが両親の意思は揺るがないのか、鋭いまなざしでこちらを睨みつけている。
「確かに、美菜はお前より優秀ではないかもしれない。だが美菜には『思いやり』という、お前にはない、立派な
 物を持っている。それに比べお前というやつは・・・」
パパがテーブルに片肘をつきながらわざとらしく深いため息をついた。そしてママがパパの続きを口にする。
「傲慢で意地っ張りでドsで―。」
なにをありもしないことをペラペラペラペラとえらっそーに!と、利月は内心そう思っていた。だから利月はこう言った。
「ママとパパが何と言おうと、私はこの家から出て行かないからね!!」
と・・・。この言葉が火に油を注いだのか、パパが大声で怒鳴った。
「なら力づくで‘山形県川西町’に追っ払ってやる!」
利月をママに持たせ、月の国の崖から落とした。
「ね、ちょ、パパ、ママ、やりすぎ!マジ?えぇーっ!!」