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コメディ・ライト小説(新)
- Re: 満月ウサギとクール男子~短編~ ( No.3 )
- 日時: 2017/11/08 15:57
- 名前: 雪原みっきい (ID: 9Urj1l4Z)
第二章 麗矢
「は?お前こんな夜中にこんなとこで何してんの?ってかそれコスプレ?」
そのイケメンの声はまさに神ボイスだった。でも言いたいことは言う利月は、
「ちがうし!これ、生まれつきだし!」
といった。するとそいつは目を丸くして、
「う、生まれつき!?」
と、さっきの神ボイスとはまるでかけ離れたような、拍子抜けした声でそう言った。
「そうよ。このふわふわの耳や尻尾も生まれつきだし、生まれたのも月だし!」
と利月は事実を述べた。するとそいつは、ますます目を丸くして、
「生まれたの月ぃ!?」
と、またもや拍子抜けした声を発した。やっぱり何度聞いても別人みたいな声なので、笑わずにはいられず、ついには、
「ぷっ・・・・・・」
と吹き出してしまった。見知らぬ女子に笑われて恥ずかしかったのか、そいつは少し頬を赤らめ、コホンと咳払いした。
「で、まあ、それは分かった。ところであんたは何でここにいんの。」
とそいつは利月に問いかけた。利月は今まであったことをすべてそいつに話した。すると、そいつは納得してくれたのか、こくこくとうなずいてくれた。そして、一息おいてから、
「その話を聞いてると、あんたの行き場はなさそうだな。」
といった。図星だった利月はごまかすように慌ててこういった。
「う、うるさいなっ!だからなんだっていうの!」
そしたらそいつはきょとんとして、
「悪い、悪い。怒らせるつもりじゃなかったんだ。ただ、俺んちに来ないか?と、言おうとしただけだ。」
といった。利月はそいつの予想外の言葉に、一瞬まばたきをしたが、行き場がないのも事実なわけで・・・
―だから、そいつの家に行くことにした。
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