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コメディ・ライト小説(新)
- Re: 満月ウサギとクール男子~短編~ ( No.4 )
- 日時: 2017/11/08 20:19
- 名前: 雪原みっきい (ID: 9Urj1l4Z)
第三章 同居
「そうか。じゃあよろしく。俺は神原麗矢。あんたは?」
「私は、桜川利月。」
大人っぽく答えた麗矢と利月だが、どちらの頭も同居という言葉でいっぱいだった。それをごまかすため、麗矢は、
「うわー、名門家みてー。」
といった。
「それ皮肉?褒め言葉?」
と、利月が麗矢に問うと、
「さ、どっちだろうな。」
と麗矢は言い、鼻で笑った。利月は納得いかなそうな顔をしたが、すぐに元の顔の戻すと、
「さっ、行きましょ、麗矢ん家。」
といった。
「ああ、そうだな。可愛い女の子を夜中の雑木林においていくってのも、男としてなんだからな。」
と、麗矢が言うと、利月は、パッと顔を赤らめ、うつむいた。その時、
「ははっ、まともに受けちゃったー?これ、嘘だぞ。」
と、皮肉げにいい、笑った。
「んっもーっ!」
利月はいかにも引っかかってしまったといわんばかりに、叫んだ。麗矢の、笑いを噛み殺した声がまだ聞こえてくる。
「分かった分かった、俺が悪かった。もういいだろ?」
利月は納得したように、頷き、にっこりとほほ笑んだ。
「よし、じゃあ、いくか。」
そう麗矢は言うと、利月の頭をポンポンと軽くたたき、利月を抱き寄せて家へと向かった。一見、クールに見える仕草だが、本当は麗矢も照れていた。そして利月も、―――――顔を真っ赤にし、体を縮こまらせてうつむいていた。
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