コメディ・ライト小説(新)

Re: 満月ウサギとクール男子~短編~ ( No.6 )
日時: 2017/11/18 17:32
名前: 雪原みっきい (ID: 9Urj1l4Z)

第五章 転校生
「で、川中行くのか?行かないのか?」
「もちろん、行くわよ。学力の違いを、見せつけなくちゃ。」
と、二人が言う。
「はあ・・・あくまでも、お前は転校生として、来るんだぞ。」
と、麗矢が念を押していう。利月は分かってるわよと言わんばかりに、ぷいっとそっぽを向いた。そんな姿を見て、麗矢はカフェラテを飲みながら、ため息をつく。そして、一冊の青い本を開く。この時、利月はあまり気にしていなかったが、この青い本には、麗矢の秘密が記されていたのだった―――――。
翌日。
季節があまり関係ない月の国とは違って、今日は真夏日。気温は三十度超え。朝から晴天で、晴れ晴れとした空がどこまでも続いている。その綺麗な空を眺めながら、トーストしたパンにバターを塗ってかぶりつく。そうするのは、とても気持ちがよかった。トーストしたパンの温度で、溶けたバターが口の中にじんわり広がる。昨日、麗矢が両親に事情を話すと、両親は喜んで受け入れてくれた。しっぽと耳のことも。だから、こうしてバタートーストを食べられている。それもこれも、麗矢との出会いがなければ、ありえなかったことだ。麗矢の両親はとても優しく、昨日と今日の間だけでたくさん笑わせてくれた。その時、麗矢が、
「なに、チンタラ食ってんだよ。遅刻するぞ!」
と言った。私は残りのパンを、慌てて口に放り込み、バッグを取り家を出た―――――。
学校に着き、辺りを見回すと、たくさんの子がいた。月の学校の生徒よりは少ないが。